2009/7/26
里帰り
何となく思い出す風景は母が子供達を連れて実家に帰る時の事。数㎞の道を一時間前後か
けてとぼとぼ歩いた。人家も余り見えない用水路沿いの道であった。行き来の時間に何を話
したのかももはや思い出せない。多分もっと歩くのかと何回も何回も聞いてようやく実家にた
どり着いたのではないか。幼少の頃はよく実家に帰った記憶があるが大きくなると実家の距
離も遠くなった。母が大変な苦労ををしても実家に帰りたかったのはやはり父母や兄弟がい
て日常の生活から解放されるのがうれしかったからなのであろう。ともかく子供全員を連れて
移動するのは当時は大変な事であった。自分が妻子を連れて東京見物をしたときに同じ様
な気分になった。家族サービスで小さな子供達と一緒に出かけたのであるが一行の足並み
が乱れると不安になる。道中頼る人もいないのは本当に心細く、家出した家族のように見ら
れたのではないかと後から思った。