2009/8/16
作戦要務令
終戦64年目を迎えて、そこはかとなく考えを巡らせていると思い出したのが作戦要務令であ
った。自分としては、会社の経営層の人が何かの折に話して、それがきっかけで関係の本を
買ったような気がする。戦前の軍務指令書といった内容だったと思う。軍隊と会社を対応させ
たとき、士官層が経営層に対応するのだろう。作戦という見地からは軍隊も会社も共通する
ところがある。従って、経営層が作戦要務令に関心が向かう理由はあったのだろう。まだ、戦
争を体験した経営者層がいた頃なので、軍隊のシステムに関心が向いても不思議はない。
経営者層にも色々なブームが生まれるが、その後作戦要務令が注目されたことはなかった
と思う。精神主義や強引な命令で大きな組織を引っ張ることは難しい。しかし、会社が軍隊組
織のように運営できれば経営者はその組織論に飛びつきたくなるのも無理はない。作戦要
務令が、その後余り脚光を浴びなくなったのは、企業経営組織がそれなりに進歩してきたか
らであろうか。経営者自身もそのような近代的な企業組織から生み出されるようになると、
益々作戦要務令的な手段は必要なくなるのであろう。何事も戦略と戦術はバランスが必要
だ。物量だけでも、精神力だけでも成功はありえない。