馬鹿の三寸

2009/8/8

馬鹿の三寸

これは、祖母が子供達を「馬鹿の三寸、のろまの開けっ放し」と言って、障子や戸をしっかり

閉めよと叱る場合の言葉であった。間接的に叱るので余り直接的な効果は無かったが、何

度も聞かされたので耳が覚えているという状況である。小言というより躾に通じるものがあっ

た。小言はその場限りになるが、躾は繰り返しが大切である。障子の開け閉めも作法がある

訳で、ゆっくり柱で止まるまで閉めよと教えたわけではない。母は小笠原流とか言って食事の

作法にやかましかった。しかし、解説程度でそれが自分の身についたわけでは無かった。作

法や躾というのも人間関係を束縛する要因ではある。戦後の社会にはこの人間関係の束縛

を解放しようとする力が作用していた。この流れはまだ終わっていないであろう。しかし、束縛

が無くなれば人間関係も崩壊に到る。舵取りが大切である。