AXパソコン

2009/9/22

AXパソコン

業界初AX仕様パソコン「MBC-17Jシリーズ」の出荷開始が1988年2月。SEGAのIBMパ

ソコン(テラドライブ)の発売が1991年5月発売。AX仕様はIBM-PC互換機の仕様にに日本

語表示機能を搭載した業界団体の仕様。IBM-PC互換機の仕様はオープン(無償)で解放さ

れていたので、その上に日本語環境を構築したようだ。開発コストを抑える効果は大きかっ

たであろう。当時、すでにNECのPC-9800が業界の首位を占め、その他組がPC業界参入

に結束したのがAXパソコンであったようだ。漢字表示は1990年に日本IBMが開発した「IBM

DOSバージョンJ4.0/V」(DOS/Vの元祖)でサポートされた。AXパソコンの理想は素晴らしか

ったが、現実の方が厳しく、急激に変わってしまった。AX協議会(1987/10発足)の副会長に

就任した中原紀博士の謦咳に接し、今その理想を追想している。今日の日本のパソコン標

準はDOS/Vの系統である。結局、AXパソコンは主流になれず、消えていった。ともかく、パソ

コンの標準入力であるキーボードの漢字入力の段階でFEPにお世話になり面倒な操作が要

求される。もっとも、FEPの発明は実用的には偉大な発明であったと思う。パソコンの文字入

力で、かつての漢字タイプライターの操作を要求されたならばパソコン人口は激減して、知的

生産力で欧米等の表音文字系原語に対抗できなかった事であろう。仮名漢字変換は日本語

ワープロの基本技術でパソコンの漢字入力より一歩先行していたようだ。見方を変えれば、

日本語ワープロは日本語処理の専用パソコンであった。その機能が汎用パソコンで可能に

なれば、二重投資は不要になる。そのような技術の胎動は既に20年も前に始まっていた訳

だ。ちなみに、業界最後のワープロとなったシャープの書院シリーズの第一号機は1981年

(昭和56年)に発売され、2003年9月末に生産中止となったらしい。22年の製品寿命であっ

た。