2009/9/3
果物
幼少時は果物にありつける機会はあまりなかった。病気になると、バナナやリンゴ、ミカン等
を食べられることもまれにはあった。果物はきれいに包装されお遣い物されることが多かっ
た。日常的にたべられるほど庶民にはゆとりが無かった訳である。どうも腹一杯食べた記憶
がないのである。柿だけは自宅に木があったのでよく食べた。しかし、当たり前になるとそれ
を採って食べる楽しみが余り無くなるし、腹一杯食べる事も少なくなる。人間とは贅沢な存在
でもある。庭先果樹のつくり方という本(前田 知著)を読んで自分で果物を育てて見ようとす
る気になった。庭先果樹とは庭の周辺に植えられた果樹で普段の生活に彩りを添えてくれる
果樹のようだ。当然、その果樹を育てている人にも興味がある。前田氏は庭先で果樹を作る
楽しみとともにそのような果樹のある故郷のイメージを語ってくれたと思う。果樹は永年作物
と言われ手入れ次第で長く色々な楽しみを与えてくれる。花も実もある生活が楽しめるので
ある。我が家では庭に色々な樹木が植えられているが食べられる実が生る樹木がほとんど
ない。ハナユとカリンがあるが余り実用的ではない。キウイフルーツは収量も多く実用的では
ある。しかし、とりたてをがぶりと食べる楽しみがない。熟させる手間がかかる。振り返ってみ
ると、キウイフルーツは母の歌材に度々登場していた。やはり、日々庭先で見るとはなく見て
いることになにかしら安らぎを感じるのではないか。その点、果樹は庭木と異なりそれなりの
関心を呼ぶのであろう。