2009/9/16
ハイビジョン
安物テレビも遠くで見ればハイビジョン。最近のテレビは技術の進歩で画質の向上がめざま
しいようだ。現実よりテレビの中の方が綺麗である。画像を作るハードと共に作品を作るソフ
トの方も進歩しているのかもしれない。テレビは走査線方式という基本技術の上に成り立って
いる。被写体から取り込まれた信号は基本的には普通のテレビとハイビジョンテレビと同じ
性質を持つ。違うのは情報の密度である。人間の目は何処までも小さい物が見えるわけで
はない。実用的には目の分解能以下の細かい情報を送っても余り意味がない。確かに普通
のテレビは近くで見れば走査線がちかちかして見にくい。しかし、画面全体を見るくらい距離
が離れればそれも気にならなくなる。従来のNTSC方式は実現できる技術レベルと実用上の
満足度、コスト等がじつにうまくマッチングしていたと言えるだろう。情報の基本単位はbitであ
る。情報化社会になりこのbit単価が劇的に低下した。従って、細部を表す部分にも情報を割
り当てる事が可能になった。しかし、この余り表に現れない情報に気付く人は少ないのではな
いか。写真もテレビもプリンタも白黒の時代があった。白黒は明度だけの情報しかなく色の
情報を捨てている。夕方暗くなると色の情報は少しずつ減少し白黒の世界になる。アナログ
テレビ放送ももうじき終焉の時を迎える。しかし、イザ電波を切ろうとしたり、切れてしまったら
大騒ぎが生じる可能性もある。幸い我が家にはブラウン管テレビしかない。地デジになったら
液晶テレビが入るかなと期待されてもいる。とんでもない今のテレビはコンバータをつないで
最後まで頑張ってもらうぞと宣言している。何処にいても自然はハイビジョンの世界だ。似せ
物をみるよりこの目でじっくりと本物を見たい。