2009/11/13
フロッピーディスク
最近では3.5インチ用のフロッピーディスクも影が薄くなった。店頭で探すのも大変になってい
る。他の記録メディアに駆逐されてしまった。コンピュータの記録メディアとして最初の頃に使
われたのがパンチカードであった。このパンチカードは入社直後に使った記憶がある。その
後は8インチのフロッピードライブが、1970年IBMにより開発された。容量は128キロバイトで
あった。最初はパンチカードの代わりに大型コンピュータへのデータ入力用メディアとして利
用され、その後は初期の8ビットや16ビットパソコン用としても1980年代後半まで使われてい
たようだ。会社でも製造や管理のデータ保管用に使っていた。一般の人がフロッピーディスク
を使うようになったのはPC9800やその互換機でFDが使えるようになってからであろう。5.25
インチサイズで雑誌の付録でソフトの配布が行われるようになった。DOS/Vの3.5インチの
FD/FDDの標準化に関してはソニーの貢献が大きかった。ソニーにとって3.5インチの
FD/FDDの標準化の推進は事業としても成功であったと思う。βの教訓が生かされたのであ
ろうか。記録密度はDVDで更に向上し、次世代DVDの規格戦争ではブルーレイ(BD)陣営
対HD-DVD陣営が戦った。結果はソニーと松下が担ぐブルーレイ陣営が勝利し、東芝が同
分野から撤退を発表した。東芝はHD DVD事業の終息についてという2008年2月19日付け
のニュースリリースで、当社は、これまでHD DVD規格に基づいたプレーヤー及びレコーダ
ーのグローバルな事業を展開してまいりましたが、本年初頭の大幅な事業環境の変化に際
し、今後の事業戦略を総合的に検討した結果、同事業を終息することを決定いたしましたと
発表した。戦争の傷跡が余りに深く広汎に及ばない時期における撤退という判断にはそれな
りの意義はあるだろう。デファクトであろうとなかろうと規格は争って決めるべきなのか協調し
て決めるべきなのか。競争が無くなれば技術の進歩も無くなるのか。まだまだ、考えさせられ
る事が多い。