2009/12/30
屋根登り
高いところに登りたくなるのは本能的な部分もあるのだろうか。最も身近な高所と言えば、木
や屋根であろう。昔は木登りと言えば子供の遊びで、登るのに丁度良い木も多かった。幼少
の頃に屋根に登った記憶はない。青年になって以後、無線のワイヤアンテナを張ったり、
UHFのアンテナを設置する為に屋根に登った記憶がある。しかし、登ったのは平屋部分だけ
であった。屋根の上で作業をするので、転落を注意しつつ登ったのは言うまでもない。家を新
築した時に上棟式をやるが、その時施主が屋根に上がって祈願をするとの事で、棟梁に二
階の屋根に登らされた。仮設的な足場しかないすけすけの高所なので、しゃがみ込んで立つ
こともできないくらい怖い経験であった。怖い物見たさのついでで、用事が済んでからちょっと
だけ遠方を眺めて直ぐに降りた。地面に降りてようやくほっとする。そんな体験をしていたが、
ある時自分の子供が友達と三人で二階屋根の天辺でしゃがんで景色を眺めているのを発見
したときはびっくりした。下から大声で叱ったら、動揺して危険な事態が想定されたので平静
を装って危ないから直ぐ降りろと声をかけた。こんな事が一、二回あったが、それ以後はなっ
かたようだ。無事に済んでほっと胸を撫で下ろした。建物の構造を良く検討したら、二回のベ
ランダから一階部分の屋根に出て、そこから二回へはい上がったようだ。二階の屋根によじ
登れるだけの高低差があったようだ。この高低差は一階の屋根に登ってから気付いたのか
もしれない。なぜ登ったのか問いつめてはいないが、好奇心、冒険心があったのであろう。三
人寄れば文殊の知恵と言われるが、こういう場合は確かに三人の情報を共有して、役割や、
上り下りの順序を決めてチームワークをしていたと思われる。従って、一人の場合より安全
性は高かったかもしれない。逆に一人だけでは二階の屋根に登ろうという気持ちも起こらな
いとも思われる。二人ならば、おれとおまえの世界であるが、三人ならば集団の世界である。
危険ではあるが、それを乗り越える体験をグループで無意識に行っていたかも知れない。
これから恒例の餅つきをする。