2010/2/19
映画理論
何かの縁でテレビ関係の仕事に就いた。テレビの前に映画があり、映画の前に紙芝居があ
る。技術のレベルから比較すると相当に大きな変革があった。しかし、それを必要とする理
由は共通している。これは映像技術のソフト面である。ハード面ではソフトをよりよく使える手
段を実現することになるだろう。このテレビ、映画、紙芝居で共通するのは方形の画面に絵
を描くという原則であろう。作品を作るとき与えられた枠は絶対的である。テレビは電子ビー
ムで、映画は光束で、紙芝居は筆そのもので絵を描く。そんな訳で、映画などほとんど見ない
で映画の本などを読んだりした事があった。そこで、出合ったのがエイゼンシュタインの映画
理論。ともかく、映画の初期は一本の映画を撮るのも大変であったろう。映画作成者は観衆
にアピールする方法を考え実践しそれを理論化する。それがエイゼンシュタインのモンタージ
ュ理論につながったのだろう。WIKIPEDIAによるとエイゼンシュタインは日本語を習い、漢字
の構成等からインスピレーションを得たようだと記載されていて新しい発見をした。今日で
は、テレビも映画もあらゆる技術や理論も出尽くしてしまったのか。映像の作成・送出側もそ
の受け手も膨大な情報量を持て余しているようにも感じられる。テレビ画像も映画も自分が
プロデューサーになり、監督になり、カメラマンになったつもりで見れば興味が湧くのかもしれ
ない。最近は立体視テレビの実用化が話題になっている。画像が益々現実に近づくが、それ
は一面では画像の陳腐化にもつながる。かつてはマルチメディア云々が何度か業界の流行
となったが当たり前になってしまった。各社独自の立体テレビがどこまで普及するか興味が
ある。