野外映画会:いとしきもの

2010/2/18

野外映画会

終戦直後は娯楽が乏しかった。遊びも遊んでくれる大人は少なく子供達が自分で遊んだ。従

って、能動的な要素が多い。娯楽を運んできてくれたのが紙芝居屋のおじさん。もう一つ、夏

の夜の野外映画会。白黒のチカチカする画像を地面に腰をおろして見た。何の映画かは完

全に忘れている。何かの機会にその映画は俺がやったのだよと聞いたことがある。当時は

4Hクラブ等で農村の文化向上をやろうとする機運が高まっていたようだ。県の関係部署に掛

け合って、バイクでフィルムを借りに行ったとの事である。振動でフィルムが傷まないようにそ

れを風呂敷に包んで背負ってきたらしい。当時の埃が立つ、じゃり道をバイクに乗ってフィル

ムを運ぶ姿を想像するとそれが映画の一幕のように思える。チカチカするのはそのフィルム

があちこちで何回も映写されたフィルムの小さな傷が原因だろう。映画館で映画を見たのは

小学校に入ってからであった。近所の広場で行われた野外映画会はそれとは別のなつかし

い記憶である。会社でも体育館であったか、映画会があったように思う。こちらも娯楽や福祉

の一環であったようだ。しかし、映画の衰退は進んだ。市内の映画館は全て閉館になり、ショ

ッピングモールにシネコンができてようやく、また映画が見られるようになった。たった一回、

懸賞で当たった券で映画を見た。入館者は数名。借り切りの状態であった。