製品の回路図

2010/2/9

製品の回路図

初期の電子機器(家電製品)にはその回路図が付いていた場合が多かったように記憶して

いる。テレビの回路図も真空管テレビ、トランジスタテレビは何とか回路図にたどり着けた。メ

ーカー別のテレビ回路図も市販されていた。電子機器がIC化されるにつれて、回路図だけで

なくブロック図さえも、もはや入手するのは困難になった。高度に集積化された結果、電子機

器はブラックボックス化してしまい、最早部品を交換して修理する時代が終わったかのようで

ある。思うに回路図を製品に添付していた時代は、その回路図を手がかりに、製品の修理が

行われ、修理で収入を得る修理業者も健在であったのだろう。故障で修理屋に持ち込まれ

た製品に回路図があれば、何とか修理が出来たのだろう。そのために必要な電気屋の三種

の神器であるオシロ、テスター、半田こても、何とかアマチュアにも手が届いた。今日の電子

機器では不良のICを特定してもそのICを購入し、差し替えるのも大変である。今日の電子機

器は使い捨ての構造と技術背景を背負っているようである。しかし、修理可能な製品も設計

次第では可能であろう。その典型は自動車であろう。車検という制度にも修理可能性という

前提があるだろう。IBM規格のデスクトップPCは取り替え可能なユニットにより構成される。

機械的・電気的仕様を規格しさえすれば、今日の技術で出来ないことはない。買い換えを

促すのは環境・景気対策という面が強調されるが、目先の対策に過ぎないだろう。家電製品

のブロックがパソコンのパーツのように互換性があれば、不良パーツの交換だけでも数十年

の使い回しが可能になるだろう。パーツの交換は切れた電球の交換と同じにように誰にでも

できるように設計する事も可能な筈だ。