雑草句録:かじかむ手

2011/3/15
身辺雑記:東北関東大震災雑感

計画停電に関して、東京電力は短時間の内に二転三転する記者発表で大きな混乱を招き、かつ世間の不信を買ったかのような動きを示した。しかし、それは福島第一原子力発電所の事故を隠す煙幕にはならなかった。むしろ、その事故を際だたせたのではなかったか。asahi.com(2011年3月14日15時34分)の「14日の東京株式市場で、大震災の影響で原子力発電所の事故対応に追われる東京電力の株価が前週末終値比500円安の1621円でストップ安となった。」という、株価の反応が東京電力の現状を余すことなく語っているようでもある。東京電力福島第一原子力発電所1号機から3号機まで、同じような冷却系の事故が生じている事は何か構造的な重大な欠陥があるように感じる。一方、本日は気象庁以外の防災機関が津波が発生しているという誤った情報を現場に流し、気象庁がその情報を否定するような発表をして、危機管理情報の共有化ができておらず、混乱を生じたという事件もあった。東北地方太平洋沖地震は色々な意味で多くの教訓を残してくれるだろうと思うが、その授業料は余りにも大きすぎる。

昨日の天気

TAVE= 11.7
TMAX= 18.1
TMIN= 3.7
DIFF= 14.4
WMAX= 3
SUNS= 5.3
RAIN= 0

以下本題。

雑草句録:かじかむ手

■退職のアイサツメールかじかむ手

一回だけの記念すべきメール。自宅で寒さにこらえて打った。

○このほどを花に礼いふ別れ哉     芭蕉

長期間滞留した門弟宅を去る時の一句。門弟にむかって礼を言うべきところを花にすりかえてしまったようだ。ここに記録と文芸の差がでているのであろう。芭蕉も門弟もとぼけ加減を楽しんでいるようだ。

■とぼけれど尚名残ある別れかな

追記1:計画停電は3/14の夕刻にあるグループで実施された。しかし、どういう条件で実施するのか明確に公告されていない。余りにもアバウトなのだ。従って、受電する利用者が計画を立てられない。一方、利用者は身を切って自己防衛、自前対策をしている。利用者にも膨大な損害が及ぶのである。計画停電を続行するのならば、東京電力は自社が現在供給している総電力をリアルタイムで公表し、それが停電限界の何%かも同時に公表すべきではないか。国民もそれなりに聡明だろう。信頼できるデータがリアルタイムに流されれば自然に自制が働くだろう。原発事故で供給能力が何%低下したのかもはっきりさせないで、その事故のつけを利用者に回すのも道義上も許されないだろう。当然、天災で東京電力が被った被害は誰でも理解できるが、納得できるデータに基づく何の説明もなく計画停電を唐突に強行するのは誰にも理解できないだろう。

追記2:退職挨拶メールを探したらまだ残っていた。何事も始まりと終わりがある。奇しくもこのメールの未曾有の難局とは、新潟県中越地震であった。東北関東大地震も一つの出来事の終わりであり、新しい復活の歴史の出発でもあると思う。東北地方は半導体関係の会社は少なかったと思うが、販売支援の仕事で数社訪問した記憶がある。昨日は、津波と大火で心配が大きかった被災地に勤務する甥が無事であると確認でき安心した。東北関東大地震も新しい歴史の一里塚になって欲しい。

「お世話になったみなさまへ

在職中は公私ともに大変お世話になりました。

未曾有の難局に直面しているなか、
この度、本日○月○日で○○を退職することになりました。
入社以来、成長産業である半導体事業、主に開発関係の
仕事に従事できたことはなによりの幸せであったと感謝しております。
30有余年にわたる仕事を落ち着いて振り返るいとまはありませんが、
先輩、上司、同僚に支えられて時には
新しいことにチャレンジし、時には失敗し、仕事の分野も
いくつか変わりましたが、その中で多くの方々と
一緒に仕事させていただくことができたのは私にとって
なによりの財産となりましたことに心より感謝申し上げます。
本当にありがとうございます。
○○半導体もいろいろな危機を乗り越えてきた実績があります。
全員が一丸となって知恵を出し合い必死に頑張れば
この難局も解決できるものと確信しております。
早期の復活を念願してやみません。」