2011/3/16
環境雑録:東京電力福島第一原子力発電所の事故
大抵、大災害の時一国の代表が視察に向かう場所はその被害が甚大な所と考えるのが常識であろう。総理の3月12日のメッセージで「私は、本日、午前6時に自衛隊のヘリコプターで現地を視察いたしました。まず、福島の第一原子力発電所に出向き、その現場の関係者と実態をしっかりと話を聞くことができました。 加えて、仙台、石巻、そういった地域についても、ヘリコプターの中から現地を詳しく視察をいたしました。」(首相官邸ホームページ:菅総理の演説・記者会見等 )とある。首相は「福島の第一原子力発電所に出向」いたが、ようやくその意味が分かりかけてきた。未曾有の巨大地震の上に加えて、未曾有の原子力発電所事故の発生がすでに予見されていたのではないか。それならば、その時点でどんな対策が指示されたのかを知りたいところだ。広島・長崎の原子爆弾の被爆に日本人の原子力に対する意識の原点があるだろう。原子核反応の平和利用が原子力発電である。この二つのベクトルを合わせる事は難しい。しかし、それを実現できるのは日本のみだ。政府と東電が一体で危機対応にあたる「福島原子力発電所事故対策統合本部」が設置された。後手、後手の連続であるが、事故の拡大を水際ででも阻止してもらいたい。
放射能に関しては、その怖さは誰もが知っている。しかし、一般人には、見えない、知らないという点で大きな不安を誰もが抱えている。自由空間に放出された放射能は集めることも処分する事も困難になる。放射能を出さない他の物質に崩壊するまで長い期間待つ以外に処置のしようがない。東京電力福島原子力発電所の事故でたどりついたブログに「かまたみのる公式ブログ 八ヶ岳山麓日記」があった(ここにリンクさせていただく:http://kamata-minoru.cocolog-nifty.com/)。鎌田氏は、放射能汚染地帯の支援をされ、今回の原発事故について連続でブログを書かれている。日本の原発事故にかんしても是非頑張って頂きたい。
昨日の天気
TAVE= | 8.7 |
TMAX= | 12 |
TMIN= | 4.7 |
DIFF= | 7.3 |
WMAX= | 5 |
SUNS= | 0.1 |
RAIN= | 0 |
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計画停電についてのメモ:
(1)デスクトップPCを使っていて、ちょっと離れていた間に計画停電に入り、パソコンがダウンしてしまった。スキャンディスク後なんとか立ち上がった。
(2)計画停電中に受話器を上げるとツーと音がして通話が出来る状態であった。実は光電話で確かめて見たかった。
(3)電気事業法(WIKIPEDIAにこの法律の背景等が書かれている。一般家庭等に電気を供給する事業(一般電気事業)は、その重要性に鑑み、今日でも地域独占に近い特権が与えられている。その特権の対価として重い電力供給義務が課せられていると思う。)今回、東京電力が利用者の利便を無視して、計画停電という美名の本に行った手前勝手計画停電を、電気事業法という観点から考察するのも、事業の公共性と言う点から重要であるだろう。東京電力が電気事業法の理念に基づき、火力、水力、原子力発電等その特徴に添って、電気供給義務を死守していれば、今日のような事態には陥らなかった筈であろう。今回の手前勝手計画停電が、原子力発電事故を隠蔽して、更に濡れ手に粟の既得権になってしまうと、計画停電という美名の本に、利用者の利便性は著しく阻害されてしまうと思われる。利用者にとっては、競争がないので電気料は言いなり、電気の供給も言いなりというチェックアンドバランスという機能が全く働かない、モンスターになってしまう。今日まで、東京電力と言えども、計画停電等という電気事業法を無視したような行動は一度もとってきていなかったと思う。もし、東京電力が計画停電を行うのであれば、それは利用者と供給者の完全な同意に基づかなければならないだろう。その同意形成を完全に無視した今回の東京電力の行為は電気事業法にも違反するのではなかろうか。電気事業法という法律の存在は知っていたが、その条文を読んだのは初めてのように思う。勉強のため重要な条文を抜き出してみたい。
(4)東京電力の原子力発電所の事故に関して、適時適正な情報が公開されていない事は計画停電に関しても全く同様な状況である。
(5)鎌田医師がブログで述べているように、原子力発電所の事故の処理を現場で必死に行っている担当者がいる。当然、放射線を被曝して発病さえ覚悟しているだろう。同様に、計画停電に対応して、自分の現場で必死に対策に振り回されている多数の担当者がいる。東京電力の経営層には、現場に出てこのような現場の姿を正視できる人材がいるのか。
(6)東京電力原発事故、計画停電等の報道で東北関東大震災の各地の被害報道のチャンネル幅が相対的に狭められているように感じる。
以下電気事業法の抜粋
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、電気事業の運営を適正かつ合理的ならしめることによつて、電気の使用者の利益を保護し、及び電気事業の健全な発達を図るとともに、電気工作物の工事、維持及び運用を規制することによつて、公共の安全を確保し、及び環境の保全を図ることを目的とする。
(この条文に照らして、一方的な手前勝手計画停電は許されるのだろうか。電気の使用者の利益はこの法律により保護されねばならないのではないか。)
第二章 電気事業
第一節 事業の許可等
(事業の許可)
第三条 電気事業(特定規模電気事業を除く。以下この節(第五条第七号及び第十七条第一項を除く。)において同じ。)を営もうとする者は、経済産業大臣の許可を受けなければならない。
2 前項の許可は、一般電気事業、卸電気事業及び特定電気事業の区分により行う。
(東京電力等の一般電気事業は許可の基準として公共の利益という重い制約を課せられている。手前勝手計画停電は事業者をより強くして、利用者をより弱くしてしまうおそれが大きいだろう。)
(許可の基準)
第五条 経済産業大臣は、第三条第一項の許可の申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない。
一 その電気事業の開始が一般の需要、一般電気事業の需要又は供給地点における需要に適合すること。
二 その電気事業を適確に遂行するに足りる経理的基礎及び技術的能力があること。
三 その電気事業の計画が確実であること。
四 一般電気事業又は特定電気事業にあつては、その事業の用に供する電気工作物の能力がその供給区域又は供給地点における電気の需要に応ずることができるものであること。
五 一般電気事業にあつては、その事業の開始によつてその供給区域の全部又は一部について一般電気事業の用に供する電気工作物が著しく過剰とならないこと。
六 特定電気事業でその供給地点が一般電気事業者の供給区域内にあるものにあつては、その事業の開始によつて当該一般電気事業者の供給区域内の電気の使用者の利益が阻害されるおそれがないこと。
七 前各号に掲げるもののほか、一般電気事業及び卸電気事業にあつては、その事業の開始が電気事業の総合的かつ合理的な発達その他の公共の利益の増進のため必要かつ適切であること、特定電気事業にあつては、その事業の開始が公共の利益に照らして適切であること
(事業の休止及び廃止並びに法人の解散)
第十四条 電気事業者は、電気事業の全部又は一部を休止し、又は廃止しようとするときは、経済産業大臣の許可を受けなければならない。 (計画停電は電気事業の一部の休止に該当するのか?)
第二節 業務
第一款 供給
(供給義務等)
第十八条 一般電気事業者は、正当な理由がなければ、その供給区域における一般の需要(事業開始地点における需要及び特定規模需要を除く。)に応ずる電気の供給を拒んではならない。
(一方的な計画停電は本条の規定に反するのではないか。原子力発電は、予めその放射能の危険性が明確であるので、その危険性を無視した原子力発電の建設や運用は正当な理由になり得ないであろう。)
(一般電気事業者の供給約款等)
第十九条 一般電気事業者は、一般の需要(特定規模需要を除く。)に応ずる電気の供給に係る料金その他の供給条件について、経済産業省令で定めるところにより、供給約款を定め、経済産業大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 経済産業大臣は、前項の認可の申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときは、同項の認可をしなければならない。
一 料金が能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたものであること。
二 料金が供給の種類により定率又は定額をもつて明確に定められていること。
三 一般電気事業者及び電気の使用者の責任に関する事項並びに電気計器その他の用品及び配線工事その他の工事に関する費用の負担の方法が適正かつ明確に定められていること。
四 特定の者に対して不当な差別的取扱いをするものでないこと。
(この条項「料金が能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたものであること。」により、一般電気事業者の能率的な経営の下における利潤が保証されるようだ。)
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