老人の寝言:臨界に達した朝令暮改依存症

2011/7/10
昨日も暑かった。最高気温(℃) = 37.0  (14:16)。朝方サツマの草むしり。草丈30~40㎝でサツマのツルは完全に草の中。マルチをしてもこの草には勝てない。メヒシバが中心。その中に、菜類もこぼれ種で育っている。日頃少ないと感じていたモンシロチョウが何と10匹前後も、この草の上を飛び回っていた。メヒシバの中の菜類に産卵するために集まっていたようだ。

昨日の天気

TAVE= 29.6
TMAX= 35.5
TMIN= 24.8
DIFF= 10.7
WMAX= 5.2
SUNS= 4.4
RAIN= 0

ざっそう句:暑き夜

■暑き夜のカバン忘れし旅の夢

出張の時、大切なカバンを忘れて、大変だ~と叫ぼうとした時、夢からさめる。そんな光景を思い出して作った句。人生、何か大きな忘れ物はしていなか。

老人の寝言:臨界に達した朝令暮改依存症

産経新聞は、「経産相、佐賀訪問 「安全性の疑問解消」 知事、原発再開に傾く;url=http://sankei.jp.msn.com/region/news/110630/sag11063002190000-n1.htm(2011.6.30 02:18)」というタイトルで、「定期検査に伴い2、3号機が停止中の九州電力玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)の運転再開問題が29日、ひとつの節目を迎えた。再開要請に佐賀県を訪問した海江田万里経済産業相と会談した古川康知事は「私が抱いていた安全性の疑問はクリアされた」と述べ、即時判断は避けつつも、運転再開に前向きな言葉を口にした。」と報じた。

政府は、東京電力福島原発事故で再開が危ぶまれている中、九州電力玄海原子力発電所をその突破口として、再開のカギを握る地方自治体を説得した訳である。自治体の立場は、泣く子と地頭には勝てないという如く、政府という地頭には頭が上がらない立場にある。

日経は、「「社会党の麻生太郎」こと松本龍氏の辞任劇;url=http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20110706/276714/?top_f2(2011年07月07日)」というタイトルで、「被災地である岩手県と宮城県での発言を批判され、松本龍復興担当相は5日午前、菅直人首相に辞表を提出した。復興担当相就任から9日目で辞任という事態になった。」と報じた。

この記事は田原総一朗(たはら・そういちろう)が書いていた。松本龍氏の言動に理解を示しつつ、マスコミのダラシナサ・横暴にも批判的だ。フリーのジャーナリストとして大勢と異なる視点を示していた。しかし、人事の発令とその発令を否定する辞表の受理までが10日にも満たない朝令暮改である事には変わりがない。そこに、またも唐突に登場したのが、原発のストレステスト。

NHK NEWS WEBは、「全原発 ストレステスト実施へ;url=http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110706/t10014028081000.html(7月6日 18時45分)」というタイトルで、「定期検査中の各地の原子力発電所で運転再開のめどが立たないなか、経済産業省は、住民の安心感につなげるため、すべての電源が失われるなど深刻な事態に対してどこまで原発の安全性が保たれるのかを確認する「ストレステスト」と呼ばれる安全評価をすべての原発で実施することを明らかにしました。しかし具体的な内容やスケジュールは決まっておらず、評価を終えるまで運転再開の判断をしない自治体が出てくることも予想されます。」と報じた。

玄海原発立地の地方自治体に安全性は任せてくれと言いつつ、早く早くと圧力をかけながら、それを振り出しに戻すような、ストレステストの実施に踏み切る。それも口の根が乾かぬ内だ。朝令暮改も良いところだ。それ以上に、前向きな対応をした自治体の顔に泥を塗ってその体面・尊厳を傷つけた。再開を即答していたら体よくペテンにかけられていただろう。

佐賀新聞は、「佐賀県主催「原発説明会」応募3倍 佐賀市は20倍;url=http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.1975983.article.html(2011年07月06日更新)」というタイトルで、「 佐賀県が8日に開催する玄海原発(東松浦郡玄海町)の安全性についての県民説明会の申し込みが5日、締め切られた。定員370人に対して1092人が応募、倍率は約3倍となった。佐賀市は約20倍の申し込みがあったのに対し、定員の半数に満たない市町もあり、関心を持つ県民からは「参加機会が平等とは言えない」と不満も漏れた。 」と報じた。

原発立地地域の住民がいかに原発の安全性に不安を持っているかを示している。

経済産業省は、「放送フォーラムin佐賀県「しっかり聞きたい、玄海原発」~「玄海原子力発電所 緊急安全対策 県民説明番組」の開催について~;url=http://www.meti.go.jp/press/2011/06/20110623006/20110623006.html(平成23年6月23日(木))」というタイトルで、「 経済産業省は、平成23年6月26日(日)、佐賀県においてケーブルテレビ等を利用した「玄海原子力発電所 緊急安全対策 県民説明番組」を放送いたします。」と報じた。

この番組が玄海原発の再開をめざしたものであるのはあきらかだろう。発表から開催まで3日しかないのはどういう意図があるのか。

福島民報の論説・あぶくま抄 は、「【やらせメール】事業者への不信高めた(7月8日) ;url=http://www.minpo.jp/view.php?pageId=4127&mode=0&classId=&blockId=9863851&newsMode=article(7月8日)」というタイトルで、「これが「原子力ムラ」の感覚なのだろうか。九州電力が玄海原発2、3号機(佐賀県玄海町)を再開させるため、世論操作のような「やらせ」行為を子会社社員に依頼していたことが明らかになった。社会の公平性を阻害してまで再稼働を急ごうとする組織の神経にあきれる。 東京電力福島第一原発事故で苦しむ福島県民の姿を見た玄海町民、佐賀県民の多くは、身近な原発の存在に不安を抱いていただろう。今回の九電の不公正な行為は町民らの心を硬化させ、原発事業者への不信感を高めた。」と報じ、「いずれの事態も国民の原子力行政全体への信頼を再び失わせた。エネルギー政策についてまず政府内で意思統一されなければ、前に進むための国民の合意はとうてい得られない。」と論じた。

YOMIURI ONLINEは、「九州電力に苦情殺到…ファクス数え切れず;url=http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866922/news/20110708-OYT1T00158.htm(2011年7月8日09時23分  読売新聞)」というタイトルで、「九州電力によると、真部利応社長が「やらせメール」問題を記者会見で発表した6日夜以降、対応を批判する電話が192件(7日正午現在)、メールで306件(同日午後5時現在)が寄せられた。 ファクスも続々と届いているが「多過ぎて数え切れない」(広報担当)。」と報じた。

YOMIURI ONLINEは更に、「やらせメール、子会社社員が説明会前日に告発;url=http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110708-OYT1T00675.htm(2011年7月8日15時46分  読売新聞)」というタイトルで、「九州電力玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)2、3号機の再稼働を巡る「やらせメール」問題が表面化したのは、九電子会社の男性社員による内部告発がきっかけだったことがわかった。」と報じた。

政権という魔法の杖を手にした権力者は、その魔力にとりつかれてしまった。事ある毎に、その杖を振り回す。法令より口先令の方がよっぽど都合がいい。従って、口先令依存症は益々重症になってゆく。それも既に臨界に達しそうだ。N.ウィーナの本だったか、魔法のかけ方に熱中して、魔法の解除法を忘れたたとえ話があった事を思い出した。魔法はうまく掛かっていれば、快感を味わえる。しかし、その魔法に齟齬が生じると今度は、その魔法をかけた者に災難が押し寄せてくる。やらせメールも全く同じ構造を持つ。腹の中は見えないだろう。見えなければ何をやっても分からないだろう。そこに、人間を見誤った不遜さがないか。