2009/10/19
マコモ
たんぼの中を流れる小川の水の流れが緩く、泥がたまる所に生えていた。幼少時にこれが
マコモであるとは教えられた記憶もない。つい最近昔の事が気になって調べて、マコモだった
のだろうと思っている。昔の小川は三面コンクリートの水路となり、もはやマコモの姿は見ら
れない。子供の背の高さくらいまで伸びるので、水辺の草としては目立った存在であった。し
かし、田んぼの中には生えないので害草と言うほどでもなかった。牛馬の餌にも余り使われ
る事はなかったと思う。従って、無害無益というどうでもよい存在であったので、マコモがいつ
とはなく無くなっていても、何の問題もなかったのかも知れない。しかし、水中に張った根の一
部が水流の中に伸びて、そこが魚の格好の隠れ家になっていた。手づかみで魚捕りをする
時はこのマコモの根の周辺が狙い目でもあった。マコモが無くなったのは、生育に都合の
良い泥土が無くなった事と水流が急になった事が原因だろう。要するにマコモがとりつく島が
無くなってしまったのだ。水流という点から見れば、マコモは障害物で、水流に緩急が起きて
しまう。しかし、この水流の緩急が魚類の棲息に必要であったのだ。魚は移動の時は、水流
に乗ればよい。上流に登る場合は流れの緩い所は休憩所になり、流れてきた餌がよどむ餌
場にもなる。マコモが生育しにくい環境は魚が生育しにくい環境でもあったのであろう。