仙人
2008/9/5
仙人
人界。
人間も他の動物と同じで主に生活している区域が大体決まっている。
何かのきっかけで、そこから抜け出す人がいる。
大体山に入るようだ。
人間は木から落ちたサルだという人がいる。
そこにはいると、人間の原始の記憶が呼び起こされるからか。
ともかく、自分を俗界から切り離すと新しい体験があり、新しい事が見えてくる。
偉大な宗教指導者もそのようにして悟りを開いたようだ。
山に入り、山から下りてくる時には精神を飛躍的に成長させている。
自分の精神を主体的に鍛えたのだ。
俗人はそういうわけにはいかない。
欲から離れられないのだ。
生老病死はこの世で避けることの出来ない苦しみだ。
一方、不老不死は人間の永遠の理想である。
それでは何をやるか。
不老不死をもとめて山に入った人がいたようだ。
色々な修業をし、仙薬を求め、生き延びる技術を究める。
かくて、仙人が生まれる。
仙人がいれば仙女もいるようだ。
しかし、仙人も仙女も山に入ったまま山から下りてこない。
仙人も仙女も山に住み着いている。
すでに不老不死の境地に入って下山の必要がなくなったのだろうか。
俗人はこのような仙人仙女の永遠のイメージを漠然と抱きながらも、
あれだこれだと、あぶくのような情報に振り回されつつ自分流の
仙術の修業に努めている。
成功する人もいれば失敗する人もいる。
それが俗界の真実かもしれない。
仙人も仙女も我々俗人のイメージの中に住んでいるのかもしれない。