09C_注目される日本語耳

09C_日本語耳

日本人の外国語下手は苦にすべきことなのか。言葉が「聞く」⇒「話す」⇒「書く」という順で発達する事は経験的にも理解できるが、それが何歳くらいから可能になるかはっきりしない。当ブログも幼少時の記憶等に関心があるのでいくつか関連記事を書いた。つい最近、日本人特有の「日本語耳」が生後14ヶ月以内に獲得されるという研究結果が発表された。興味ある結果であるが、それをどう評価すべきかは依然今後の課題であるようだ。(2010/10/17)

ニュース記事はこちら⇒http://af06.kazelog.jp/itoshikimono/2010/10/post-4835.html

1.「外国語」が出てきた当ブログ記事へのリンク

言葉も、考え、表現し、伝える道具と割り切れば外国語コンプレックスも気にする必要がない筈だという思いと、そういう考え、表現し、伝えるしっかりした目標を持つことの大切さを述べた。

http://af06.kazelog.jp/itoshikimono/2008/12/post-0ec3.html:ドイツ語学の権威 関口存男の本

http://af06.kazelog.jp/itoshikimono/2008/12/post-bf59.html:外国語コンプレックス

http://af06.kazelog.jp/itoshikimono/2009/01/post-9362.html:女性上司

http://af06.kazelog.jp/itoshikimono/2009/01/post-4519.html:ノーベル賞講演

http://af06.kazelog.jp/itoshikimono/2009/01/post-7848.html:海外出張中止

http://af06.kazelog.jp/itoshikimono/2010/09/post-0aa9.html:9歳の壁

利根川博士の「私の脳科学講義」に関しては下記

http://af06.kazelog.jp/itoshikimono/2010/08/post-d7a7.html臨界期

その他関連:脳科学者 池谷博士のホームページ

なぜ、カタカナで英語を表記するのか:カタカナ英語でいいんじゃない?
http://gaya.jp/english/katakana.htm

2.「日本語耳」の獲得について:どうかんがえるか

(1)研究対象グループの特性:日本人の乳幼児とフランス人の乳幼児がどのような言語環境で生育(言語取得)したのかが不明。⇒日本人の乳幼児:日本語、フランス人の乳幼児:フランス語環境を前提にした実験か?

(2)生後8ヶ月では日仏乳幼児で差違なく(「日本語耳」は未獲得)⇒日本人乳幼児が「日本語耳」の獲得をするのは、生後8ヶ月~生後14ヶ月の間?

(3)実験対象の条件入れ替えの必要性

日本人の乳幼児:フランス語、フランス人の乳幼児:日本語語環境で言語取得させたとき同じ事が成立するか?⇒言語取得に関して脳は人種的特異性より同一性が強いという結論が出たのか?⇒「子音」+「母音」をひとまとまりとする言語体系も文化的な発明ではないか?

(4)日本語の利点は?

子音の連続⇒音量が確保出来ない⇒言語通信としては到達距離が短い、雑音に弱いという欠点もあるのではないか?

古代(万葉時代)、アイヌ語とうでは子音の連続はどうであったか?

(5)「子音」+「母音」⇒和歌、俳句という形式と言語の関係

{「子音」+「母音」}を一つのパケットとして、そのパケットの連続で通信、表現等をおこなう。

日本人はインターネットパケット通信の原型を発明していた!?

(6)理研の発表の「修復」とはちょっと引っかかる:日本語規則への音列変換という一般技術用語で十分ではないか。逆に日本語を聞いた外国人は自国語の音列に変換するルールを持たない?⇒この変換ルールを理解した外国人は日本語を上手に話しているのでは?

(7)「日本語耳」の獲得は後天的に育児の中で間接的に学習されたもので、完全に脳内で固定された物という結果ではないようだ。⇒ハードルは高いが再学習で外国語を外国人並につかえるようになる。現実にそう言う例はあるだろうから一般論として否定する事は困難だろう。

(8)幼児教育の重要さを示唆する研究であろう。

ソニー創業者の井深大は、早い頃から幼児教育の重要性を指摘し、経営者としてもその考えを実践してきた。確かその著書『幼稚園では遅すぎる』は読んだ記憶がある。

以下:ソニー教育財団のホームページ

http://www.sony-ef.or.jp/eda/welcome/ibuka/

2006 幼児開発センター活動終了

(9)角田 忠信   (1926-)氏の先駆的脳研究

今は右脳、左脳、虫の音というキーワードしか思い浮かばないが、日本人の脳の特異性を科学的な解明した先駆的な脳研究であったと思う。刷り込み等の動物行動学はノーベル賞の対象になった。残念なのは、日本人論として世界の片隅の日本だけの流行に留まったことである。稲作民族の行動パターンだったのか。同じ手法でイギリス人、ドイツ人、フランス人、イタリア人等を分析して世界にアピールしていたら脚光を浴びたのではないか。今日ではこの研究も脳機能の決定的な局在論ではなく、脳の可塑性、脳プログラムの書き込み時期論で解明できるのではないか。人間の行動を書き込むメモリーにROMに近い部分とEPROMに近い部分とRAMに近い部分があり、人間はそれらをうまく使い分けているのではないか。問題は意識的にまたは無意識的に人間のEPROMに近い部分に書き込まれた記憶とそれに基づく行動だ。脳科学がこの半闇の部分に光を当ててくれることを期待したい。

http://webcatplus.nii.ac.jp/webcatplus/details/creator/1619559.html

(10)人間の寿命

日本語耳が形成されるのも言語・人間の歴史と関係するかも知れない。極論すると日本語耳の形成は幼児の外部環境への適応と解釈できるのではないか。DNAの人種差が言語まで及んでいるのかはっきりしないが、一年未満程度の日本人幼児もフランス人幼児も同じ反応を示すならば脳・DNAの差がというより、汎用性を有する脳の適応の差と理解すべきではないか。考古学等から縄文時代頃の人間の寿命は相当短かったと推測されている。十代、二十代が完全な成人期とすると、言語の固定化も早い時期に行われる必然性があり、生後一年余で基本的な言語適応が形成されるのも人間の歴史を反映しているようにも思われる。その点、文明の進歩は寿命を延ばし、教育期間も縄文時代の平均的な寿命程度に延ばしてしまっているようだ。この教育年齢と生殖年齢が重なる文明下では人口の減少も不可避のようだ。人生の前半に集中する現代の教育システムは長寿命社会においては抜本的な改革が必要であるようだ。

(10)関心度
2010/10/18
Google検索:日本語耳 に一致する日本語のページ 約 2,860,000 件中 361 - 380 件目 (0.29 秒)

かなりの関心度があるようだ。実際に表示されるサイト数は以下の通りで制限されている。

最も的確な結果を表示するために、上の447件と似たページは除外されています。
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    刃物という視点で多くの事例が取り上げられている。刃のある道具の理解にも役立つ。類書が少なく貴重な一冊。「すべり変形が切断の原理」という考え方で説明している。
  • 沼田 真   : 植物たちの生( 1972年 岩波新書(青版 833))
    「ご要望にお応えしてアンコール復刊(1988年岩波新書50年記念復刊) 地球生態系の中で自然を見直す」(腰巻きのフレーズ)。植物の知恵と戦略に人類は勝てるのか。
  • 出町 誠: 14_NHK趣味の園芸:よく分かる栽培12ヶ月  カキ(NHK出版2007年)
    初心者向け柿栽培参考書(新版)。旧版と比較すると楽しい。
  • 中村三夫: 13_NHK趣味の園芸:作業12ヶ月  カキ(NHK出版1996年)
    初心者向け柿栽培参考書(旧版)。新版と比較すると楽しい。
  • 山科正平: 12_細胞を読む   電子顕微鏡で見る生命の姿
    細胞はどんな部品からできているのか。そんな疑問に答えてくれる一冊。何事も形を見るのが第一歩。μからÅオーダーの世界で、細胞をメスで解剖するように、電子顕微鏡というメスで解剖して見せてくれるので興味が尽きない。
  • 柳田充弘: 11_細胞から生命が見える
    著者の専門は分子生物学、細胞生物学。普段生物を考えても細胞レベルで止まってしまう。その細胞の中で色々な分子が働いている。細胞こそ生命の基礎だが、その細胞の中の動きを知るのに最適な一冊。疑問の発端はなぜ発根剤が効くのかということ。薬剤が細胞膜を通過して細胞内で分子と分子が作用するイメージができた。本書でできた細胞のイメージは小さな無数の穴が空いた水分が充満したヨーヨーのようなもの。そのヨーヨーの中に分子部品が詰まっている。細胞自体もタライの中のヨーヨーのように浮かんでいる。細胞図面の空白部は真空でなく水分だ。細胞の内外に水がないと細胞は生きられない。水が生命のゆりかごだ!
  • 野口悠紀雄: 10_ホームページにオフィスを作る(2001年 光文社)
    ITが輝いた時代の作品。HPの活用法は参考になる。参考:url=http://www.noguchi.co.jp/(野口悠紀雄 ONLINE)
  • 小池洋男 編著: 09_果樹の接ぎ木・さし木・とり木(農文協:2007/3/31第1刷)
    やや専門的であるが、実務専門化が分担執筆しており、その場で役に立つ一冊。
  • ノーバート・ウィーナー(鎮目恭夫訳): 08_サイバネティックスはいかにして生まれたか(みすず書房1956)
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    2010/8/4:MEMO等の表示に使える。 農作業で気になる自戒の言葉 ■畑の石ころはいつまで経ってもても石ころ(早く拾って片づけよという意味か)。 ■同じ石を二度拾うな(やってみると難しい)。 ■手ぶらで歩くな。 ■三つ先のことを読め。 ■適当な観察。 ■空を見よ(気分転換、休憩、天気を読む、腰曲がり防止)