古墳と人骨
2008/9/8
古墳と人骨
幼少時の思い出
幼き日近所の古墳のふもとにて白き人骨拾いたり
それは膝の骨だったのだろうか。
今となっては定かでない。
喜々として母に見せた。
線香をもって返してきなさいと言われ、
黙ってその通りにした。
古墳のふもとで拾ったのだから大体の想像がつく。
何か得たいのしれない物を集め始めるのも好奇心が発達するためであろう。
世の中にあふれ出している物には段々興味が薄れてくる。
どうしても手が届かないものにあこがれる。
その一つに古代があるのだろ。
一部分しか分からない。残りは想像するしかない。その想像に楽しみがある。
色々なものを集めると全体が見えてくる。
集められたものもやがては分散してゆく。
自分が趣味でせっせと集めたものもそうだ。
他人にとっては自分のいとしきものもがらくたなのだ。
自分さえもそうだ。
例の古墳も崩され、畑となり、家が建った。
記憶を呼び出すにも手がかりが要る。
古代の、ひょっとすると我々の先人の存在証明が無くなるのは
なんとなく寂しい感じがする。