実験の失敗第一号
2008/10/30
実験の失敗第一号
小学生になると水が百度℃で沸騰することを学習する。囲炉裏にかかっている鉄瓶が湯気
を上げているのをみていると無性に温度を測りたくなってきた。たまたま、棒状温度計があっ
たので鉄瓶のふたを取って温度計を差し込んでみた。先端のアルコールの入っている部分
が粉々に割れてしまった。見事な失敗であった。温度計は水の状態から入れておけば、水の
温度とガラスの温度が同じになり割れることは無かっただろう。熱湯に温度計を入れた場
合、ガラスの外側が急激に高温になり、ガラスが膨張する。内側は温度が低いので膨張は
少ない。結局、外部と内部の温度差により、応力が発生しこの力でガラスが割れたのである
と今では理解できる。これは幼少時に意識的に行った実験の失敗第一号であたったと思う。
幸い、父に叱られた覚えはない。半世紀以上も失敗の経験を覚えているわけで、実験の心
がけという点で無意識の中でも役だっているのかもしれない。そう考えると小さいときの失敗
ほど有効であると考えても無駄ではないだろう。同じような失敗を二度三度と行うことを抑止
する効果があるのだから。
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