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2011年4月26日 (火)

読みかじりの記:2020年電力9社崩壊の日 藤田幸雄著((株)イーストプレス:1993/5/1第2刷)

2011/4/26
メイポールというミニリンゴの木にピンクの花が咲いていた。このリンゴ樹は枝が短い性質があるので省スペースである。値段が高いが苗を買って植えてみた。雑草は元気に育っている。雑草を追っていてはパニックになる。雑草とは共存しよう。そんな事を思いつつ草退治が続く。

「今ごろ?…放射性物質の飛散予測を公表(url=http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110425-OYT1T00953.htm?from=main5;(2011年4月26日01時31分  読売新聞))」という記事は「内閣府原子力安全委員会は25日、東京電力福島第一原子力発電所から大気中に放出された放射性物質のコンピューターによる拡散予測を公表した。」大金をかけて開発した放射能拡散予測システムで、大量のシミュレーション結果が得られているが、公表されたのは2件だけだった。それに追加して公表されたようだ。外国ではいち早くシミュレーション結果を公表している。情報力でも日本は外国に遅れをとった。ともかく大失態を弁明できない事態になってようやく公表に踏み切ったのが実状ではないか。福島原発事故は依然放射能の拡散を完全に抑えきっていない。今公表せず、今後最悪の事態になったら袋叩きになるという外圧を予想して渋々公表に踏み切ったように感じられてならない。原発事故被災地の人々の気持など完全に無視した態度ではないか。さらに、公金の無駄使い、役人の無駄仕事云々と際限がない。

昨日の天気

TAVE= 11.7
TMAX= 17.9
TMIN= 6
DIFF= 11.9
WMAX= 6.8
SUNS= 7.8
RAIN= 0

読みかじりの記:2020年電力9社崩壊の日 藤田幸雄著((株)イーストプレス:1993/5/1第2刷)

東北電力会長をした白州次郎から日本の電力再編の歴史に関心が移った。電力もそれを生産する発電の部分では色々な形態のエネルギーを使用している。終戦後は水力発電が主力であったろう。東京電力は尾瀬ヶ原を揚水式発電所に使用する計画を進めた。しかし、尾瀬の自然を守れという運動も大きくなり、ついに東京電力の計画は撤回された。電力という利便性と人間に不可欠な環境という選択が迫られたとき、東京電力も国民も環境を残すことを選択したのである。東京電力は「尾瀬が「ラムサール条約湿地」に登録」というタイトルで、「当社が約7割の土地を所有する尾瀬が、本日、ウガンダ共和国で開催中の「第9回ラムサール条約(注1)締約国会議」(注2)において、「ラムサール条約湿地」に登録されました。」と発表している(url=http://www.tepco.co.jp/cc/press/05110803-j.html;平成17年11月8日)。東京電力が国から原発事故の損害賠償の肩代わりを受けようとするなら、先ず潔く東京電力が尾瀬に保有する土地を国に売却して、尾瀬を本当に永遠の自然保護区にする程度の見識を示してもらいたい。

「2020年電力9社崩壊の日」が出版されたのが1993年で、いわば出版当時では30年先の予言の書であり、現在残りの10年にさしかかっているがの本書理解の枠組みだ。東京電力の福島原発事故の激震は他の電力9社にも走っているのが現実ではないか。銀行等の護送船団方式は既に崩壊したが、電力9社体制は依然護送船団方式として残っている。

著者の藤田氏は高圧送電線が走る土地の地権者として電力会社に補償を求める行動(訴訟等)を起こす中で、電力事業という基幹産業の奥に隠れる国家権力にまで遭遇してしまった。高圧送電線が走る土地の地権者全てが正当な補償を要求すれば、その補償だけで電力会社はパンクしてしまう。この小さな蟻の一匹だけが巨大な電力会社に噛みついても電力会社は何の痛みも感じないであろう。著者は補償を求めるという個人的な利害を超越して、自分の行動が将来の日本を動かす呼び水になると考えてこの本の出版に立ち向かったように感じる。色々な分野を学んだ様子がこの本からうかがえる。

後書きでは色々な利点を列挙して電力の自給自足(コジェネレーション)を挙げている。そうして、後書きの最後の言葉が印象に残る。「これが、一不動産業者である私にできる最善の策(*注)だ。この国と私たち、そして子孫のために、私たちができることから始めたい。」*注として最善の策とは「電気の父・ファラデーが「ロウソクの科学」で一本のロウソクから色々な科学の法則を説明したように、私は一本の送電線から日本を説明したいと思う。この本が20世紀日本の「ロウソクの科学」となろう。」とコメントしている。著者は蟻の一穴の譬えで、小さな風穴を与えれば事態は簡単に動くとは思ってもいないだろう。地権者としての権利の主張は既に20年ほど前に始まっている。これに何人追従したろうか。

しかし、環境に対する危機意識はこの20年で非常に高まった。東京電力福島原発事故は更に環境意識を先鋭化するかもしれない。「一不動産業者」である著者の見識は、そんな肩書きとは無縁で、今日でも注目に値する。電力は非常に便利なエネルギー形態だ。しかし、そのエネルギー密度を上げて行くと色々な危険が増える。高電圧送電もその一つ。自然は熱力学の法則でエネルギーを分散させる方向に動く。各家庭がエネルギーを自給自足出来る時代は直ぐには来ないだろうが、今後はエネルギーリスク対策も家庭にまで広がるだろう。集中巨大から小規模自立分散が21世紀の文明の流れになるのではないか。既に自動車という交通手段は、問題も多いが自立・分散レベルに達している。広く、色々な形態で分散するエネルギーを安く集めて使うのが今後の社会や技術の課題であろう。スマートグリッドもその流れの中にある。電力会社が独占的な業者としての地位を占める事には今後批判が集まり、売電一筋の事業形態は変容を迫られるであろう。すでに太陽光発電の買電も始まっている。この場合は電力会社は電力の仕入れと販売をおこなう商人だ。家庭も小さな発電所になっている。今後、電力会社がどのような形で生き残るのか。電気料が高くなり、安価で安全・安心な代替えエネルギーの出現がそのカギになるだろう。

追記:コジェネレーション等では廃熱を捨てずに使うことにより総合的なエネルギー利用効率が高まる。著者はその点も述べてる。しかし、今日の大都市はエネルギー的(食料等も含めて)等あらゆる面で自立不能である。ともかく、東北関東大震災が今日の文明の弱点をさらけ出したのも事実であろう。それから何を学ぶべきか。

尚、本書は昨年から営業を始めた煥乎堂の古書部門で買い求めた。煥乎堂が古書を扱うとは思わなかったが、これも時代の流れではあろう。煥乎堂訪問も久しぶりで、そこで古書を買ったのも初めてだった。

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:母と百人一首

歌題=母と百人一首:

■楽しみも 無く伏す母との 歌合わせ こゑ出す母の 生き生きとして 54 杉戸 紀和子

楽しみもなく伏す身となっても、母は母なりに歌合わせに生き生きとした喜びを感じているさまを詠んだ。

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    初心者向け柿栽培参考書(新版)。旧版と比較すると楽しい。
  • 中村三夫: 13_NHK趣味の園芸:作業12ヶ月  カキ(NHK出版1996年)
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  • 山科正平: 12_細胞を読む   電子顕微鏡で見る生命の姿
    細胞はどんな部品からできているのか。そんな疑問に答えてくれる一冊。何事も形を見るのが第一歩。μからÅオーダーの世界で、細胞をメスで解剖するように、電子顕微鏡というメスで解剖して見せてくれるので興味が尽きない。
  • 柳田充弘: 11_細胞から生命が見える
    著者の専門は分子生物学、細胞生物学。普段生物を考えても細胞レベルで止まってしまう。その細胞の中で色々な分子が働いている。細胞こそ生命の基礎だが、その細胞の中の動きを知るのに最適な一冊。疑問の発端はなぜ発根剤が効くのかということ。薬剤が細胞膜を通過して細胞内で分子と分子が作用するイメージができた。本書でできた細胞のイメージは小さな無数の穴が空いた水分が充満したヨーヨーのようなもの。そのヨーヨーの中に分子部品が詰まっている。細胞自体もタライの中のヨーヨーのように浮かんでいる。細胞図面の空白部は真空でなく水分だ。細胞の内外に水がないと細胞は生きられない。水が生命のゆりかごだ!
  • 野口悠紀雄: 10_ホームページにオフィスを作る(2001年 光文社)
    ITが輝いた時代の作品。HPの活用法は参考になる。参考:url=http://www.noguchi.co.jp/(野口悠紀雄 ONLINE)
  • 小池洋男 編著: 09_果樹の接ぎ木・さし木・とり木(農文協:2007/3/31第1刷)
    やや専門的であるが、実務専門化が分担執筆しており、その場で役に立つ一冊。
  • ノーバート・ウィーナー(鎮目恭夫訳): 08_サイバネティックスはいかにして生まれたか(みすず書房1956)
    情報と通信という現代社会に不可欠の基礎的な学問を作った著者の自伝とそれを通した科学史
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    2010/8/4:MEMO等の表示に使える。 農作業で気になる自戒の言葉 ■畑の石ころはいつまで経ってもても石ころ(早く拾って片づけよという意味か)。 ■同じ石を二度拾うな(やってみると難しい)。 ■手ぶらで歩くな。 ■三つ先のことを読め。 ■適当な観察。 ■空を見よ(気分転換、休憩、天気を読む、腰曲がり防止)