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2012年4月6日

2012年4月 6日 (金)

老人の寝言(東北の海よ):海の放射能汚染をくり返す東京電力の失態はいつまで続くか

2012/4/6(金)
昨日は晴れ。春の嵐から初夏のような天気になった。苗移植。ツバメが飛来しているようだ。数日前に鳴き声を聞いた。昨日は一瞬姿も見た。記録があるのが、2008年4月2日、2009年4月12日。大体4月初旬のようだ。昔の人家は藁屋根で、家の中にもツバメが巣を作っていた。スモモの木ハリウットドが満開であった。スモモの他品種は開花していない。授粉がすれ違いになりそうだ。夕方5時のNHKラジオニュースだったか、東京電力福島第一原子力発電所から高濃度の放射能汚染水が海に流出したと言うニュースが流れた。何とその長さが一息で読み終わる長さで、耳を疑った。それは空耳だったのか。

2012/4/5(木)の天気

TAVE= 9.5
TMAX= 17.8 最高気温(℃)  18.5  12:43
TMIN= 1.4 最低気温(℃)  0.9  05:12
DIFF= 16.4
WMAX= 8.1 最大瞬間風速(m/s)  16.7(西北西)  12:06
SUNS= 10.4
RAIN= 0

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老人の寝言(東北の海よ):海の放射能汚染をくり返す東京電力の失態はいつまで続くか

東京電力は「事故の収束に向けた道筋(STEP2完了)(平成24年1月27日改訂)http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/f1/images/f12np-gaiyou_2.pdf」で「原子炉以外の課題についても以下に示すとおり目標を達成し、「放射性物質の放出が管理され、放射線量が大幅に抑えられている」というステップ2の目標達成と完了を確認しました。」と述べている。

今回の、東京電力福島原発からの高濃度の放射能汚染水の海洋流出をWEB検索したら報道各社がそのニュースを流していた。Googleニュースで「東京電力福島第一原子力発電所から高濃度の放射能汚染水が海に流出」を検索すると「関連記事 81 件 」とあった。NHKが流したニュースは空耳ではなかった。それにしても一息だけのニュースは出し惜しみと言うのか、国民を愚弄しているのか。自分の耳でなくでなくNHKを疑いたくなる。受信料を返せと言いたいくらいだ。というより、報道倫理・報道論理という日本の知性の劣化に深い失望感を抱くのだ。

東京新聞は、「汚染水12トン海へ流出か 福島第一原発 ストロンチウム含む;url=http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012040590135654.html(2012年4月5日 13時58分)」というタイトルで、「東京電力は五日、福島第一原発の汚染水処理システムの配管から高濃度のストロンチウムなどを含む汚染水十二トンが流出したと発表した。配管のホースがつなぎ目から抜けたのが原因。汚染水は排水溝を通って、ほとんどが海に流れ出た可能性がある。 東電によると、汚染水が漏れたのは、放射性セシウムの大半を除去した後、淡水化装置で濃縮された塩水。ストロンチウムは取り除かれていない。 周辺では昨年十二月に〇・一五トン、今年三月に〇・〇八トンの汚染水が漏れて海に流出。三月の汚染水のストロンチウムなどの濃度は一立方センチ当たり一四万ベクレルで、今回も同程度とみられる。周辺の海水の調査では、放射性セシウムは検出されず、ストロンチウムはまだ測定結果が出ていない。 装置は五日午前零時十分ごろからの一時間で四回、水量増加の異常を感知して自動停止した。ところが、最初の三回はそのたびに作業員が遠隔操作で再起動。午前一時十分、四回目の自動停止で初めて水漏れの可能性に気がつき、現場を確認したという。汚染水の流出は、午前二時二十分まで続いた。 ホースのつなぎ目が劣化したか、つなぎ方が緩かったとみられる。東電の松本純一原子力・立地本部長代理は「自動停止の時に、現場の確認をするべきだった」と話した。」と報じた。

東京新聞の記事には、汚染水処理システムと排水溝の関係を示す図面が載っており、理解しやすい記事になっている。また、東京電力が発表したニュースの垂れ流しではなく、東京電力に取材しているようだ。確認のため、東京電力の発表内容を調べた。

以下は東京電力発表全文である(添付資料が三点ある)。

東京電力は、「プレスリリース 2012年 福島第一原子力発電所の淡水化装置(逆浸透膜式)から濃縮水貯槽への移送配管における漏水による放射性物質を含む水の海への流出の可能性について;url=http://www.tepco.co.jp/cc/press/2012/1201697_1834.html(平成24年4月5日 東京電力株式会社)」というタイトルで、「平成24年4月5日午前1時5分頃、福島第一原子力発電所の淡水化装置(逆浸透膜式)において、淡水化装置から濃縮水を濃縮水貯槽に送る流量が上昇したことから、水の漏えいの可能性があるため、午前1時10分頃同装置を停止いたしました。 水の漏えいを防ぐために、午前1時45分頃、淡水化装置(逆浸透膜式)から濃縮水貯槽に送る配管(耐圧ホース)の前後弁を閉操作しました。 その後、当社社員が現場を確認したところ、午前1時50分頃、淡水化装置(逆浸透膜式)から濃縮水貯槽に送る配管の一部で漏えいを確認しましたが、前後弁を閉めたことから午前2時20分頃に漏えいは停止いたしました。 これまでの調査において、同日午前0時6分から午前0時13分の7分間にかけて濃縮水を濃縮水貯槽への移送流量が増加していたこと、また午前0時50分から午前1時10分にかけて短時間の起動停止操作を3回実施したことがわかりました。 これらの状況から、約12m3の濃縮水が、U字溝および排水溝を経由して、海へ流出した可能性があるものと推定しております。 また、耐圧ホース保温材より漏えいしていたことを確認したことから、保温材を外したところ、接続フランジ部から耐圧ホースが外れていることを確認しました。 漏えいした水については、付近の一般排水用の排水溝に流れ込んでいる可能性があることから、漏れた水、排水溝内の水および福島第一原子力発電所1~4号機側放水口から南側に約300m離れた排水溝出口付近の海水について、サンプリングを実施いたしました。 サンプリングした水の分析を行った結果、漏れた水、排水溝内の水からガンマ線核種が検出されましたが、排水溝出口付近の海水は検出限界未満でした。
 今後、サンプリングした水の全ベータ放射能の分析を行う予定です。 立地地域の皆さまをはじめ、広く社会の皆さまに大変なご心配とご迷惑をおかけしておりますことに対し、改めて心よりお詫び申し上げます。 なお、現在、淡水化装置(逆浸透膜式および蒸発濃縮装置)は運転を停止しておりますが、淡水化処理した水は十分にあることから、原子炉注水への影響はありません。以上」と報じた。

この発表で、不可解な事は「これらの状況から、約12m3の濃縮水が、U字溝および排水溝を経由して、海へ流出した可能性があるものと推定しております。」と「海へ流出」の事実は、可能性と判断して、流出の影響を小さく印象づけようとする口実を連ねている事だ。その結論が、「立地地域の皆さまをはじめ、広く社会の皆さまに大変なご心配とご迷惑をおかけしておりますことに対し、改めて心よりお詫び申し上げます。 なお、現在、淡水化装置(逆浸透膜式および蒸発濃縮装置)は運転を停止しておりますが、淡水化処理した水は十分にあることから、原子炉注水への影響はありません。」というお題目である。可能性は推定するが、事実は認めず、それなのに「お詫び申し上げます」という神経はどうなっているのか。

東京新聞が、『東電の松本純一原子力・立地本部長代理は「自動停止の時に、現場の確認をするべきだった」と話した。』と取材して裏付けを取った意味は大きいだろう。しかし、東京電力福島第一原子力発電所サイトの現場へは報道陣は入れない。辻褄合わせの作文は幾らでもできる。「約12m3の濃縮水」が装置のホースから漏れだして、表面がコンクリート舗装されていれていて、装置の近くに排水溝があるという配置関係なら、排水溝への流出の可能性は限りなく大きいだろう。

河北新報は、「福島原発、汚染水流出で厳重注意 相次ぐトラブルに保安院;url=http://www.kahoku.co.jp/news/2012/04/2012040501002061.htm(2012年04月05日木曜日)」というタイトルで、「東京電力福島第1原発で汚染水の淡水化装置と仮設タンクを結ぶ配管が抜け、高濃度の放射性ストロンチウムを含む汚染水約12トンが漏れた問題で、経済産業省原子力安全・保安院は5日、同じ装置で短期間に水漏れトラブルが相次いだとして東電を厳重注意すると発表した。 一部が海に流出したとみられるとして、再発防止のため、周辺の配管の接合部を点検するよう指示する。漏れた水を可能な限り回収することや、配管をより強度の高いポリエチレン製に交換するよう求める。 東電によると、周辺海域では、ストロンチウムなどベータ線を出す物質は検出限界値未満だった。」と報じた。

河北新報の記事は、東北地方の報道機関がどのように報道したか知る参考になるだろう。経済産業省原子力安全・保安院が「同じ装置で短期間に水漏れトラブルが相次いだとして東電を厳重注意する」という事は、高濃度の放射能汚染水の海洋流出を事実と認定しているから行われたのだろう。そうすると、東京電力の発表はいかにも誠意のないもと感じざるを得ない。問題は、予想も付かない程大量の高濃度放射能汚染水が保管されていることである。海の放射能汚染が今後もくり返すされてはならないだろう。

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