トイレットペーパー騒動
2009/8/29
トイレットペーパー騒動
1973年(昭和48年)に起きた。生活物資が不足するとなると値上がりに通じる。原油、穀物
も世界戦略商品で価格は常に需給のバランスで落ち着く。そこに、先を見た思惑が働く。急
激な値上がりがはっきりしていれば、安い内に買いだめしておくのは生活防衛の基本的な知
恵である。買いだめに走ったのは家庭の主婦が多かったのだろう。やはり、そこには生活感
覚が反映されていると思う。1960年代の水洗便所化率はまだ10%程度であったようで、一般
家庭ではまだ汲み取り式がほとんどだったのではないかと思う。従って、トイレットペーパー
騒動も余り深刻には受け止めていなかったが、場合によってはこのようなパニックが起こるこ
とを知らせた。最近では新型インフルエンザの国内発生に伴いマスクの不足が一部話題に
なった。店により欠品や販売制限等が生じた。ともかく生活必要物資は適正価格での安定供
給が不可欠である。新型インフルエンザがこの冬に大流行した場合、ワクチンの不足が懸念
されている。ともかく、パニックを未然に防止するためには、まず安定供給を確保する事、次
ぎに正確な情報を提供する事、思惑行動をくいとめる事等があると思う。しかし、準備が不十
分だと分かる情報を流すとパニックは増大してしまう。経済活動は自由行動に基礎を置くが、
パニックを防止するためにはある程度の統制もやむを得ないであろう。