ゼネラリスト
2009/11/2
ゼネラリスト
今日はスペシャリスト・専門家全盛の時代となっている。これを裏返せば分業の時代で、餅は
餅屋に任せれば良いと言うことだろう。長いいくつもの工程が必要な仕事も分割すれば色々
な利点が生じる。自動車等の工業は分業のメリットが最大に発揮されている。しかし、これを
設計、試作、生産等の工程を単独でやるとなると大変である。単独事業の場合は、関連する
膨大な知識や技術が無いと一つのまとまった事ができない。従って何か事業をやろうとする
とスペシャリストをかき集めるのが手っ取り早いという事になる。ゼネラリストが必要だと叫ば
れた事もあるがゼネラリストが居座る場所がほとんど無いのが実状だろう。ところが、スペシ
ャリストの分野が余りにも狭くなるとその専門性が時代の流れから外れてしまう。結局、仕事
や能力はある程度の幅が必要になるようであもある。逆に、専門性を突き詰めてゆくとある
種の一般性に遭遇するのも事実だろう。所詮、人間のやる事は人間という存在を介してやる
以外にない。人体こそ究極の汎用を秘めた機械かも知れない。ゼネラリストとして人に仕え
る必要はない。しかし、スペシャリストは何らかの意味で人に仕える面がある。単なる他人に
使われるスペシャリストに留まる事無く、自分の意志に基づき分野の境界を越えて自分の仕
事や使命を追及する中にゼネラリストとしての要素があるのかもしれない。スペシャリストも
ゼネラリストも横文字だから迷ってしまう。仕事の分類からは一般職と専門職と言えば良い
のかもしれない。一般職は潰しが効くが専門職は潰しが効かない云々。結局、専門馬鹿は自
戒する必要があるが、仕事や職業の分類は便宜的なものでそれにこだわる必要はなかろ
う。