会社生活断面記:うっとこ
2010/11/4
会社生活断面記:うっとこ
大阪駐在中の勤務先は京橋営業所。別の部門から大阪駐在になり、この営業所で面識を得た技術者がいた。彼氏がよく使う言葉に、「うっとこ」という言葉があり、頻繁に口から出てきた。話の流れから大体の意味は分かるのだが、改めてその意味を聞くのも気が引けてついつい今日まで至ってしまった。
インターネットで調べると、京ことばで「私のところ、わたしの家、*うちとこ=うっとこ」という意味だそうだ。和歌山弁でも「私の家、組織」という意味だそうだ。関東ではわざわざ「とこ」を付けずに「うち」で通じる。それが「うちのとこ」というような言い回しになると、どうもマダルッコイ感じになってしまうので、それはどういう意味かと思ってしまう。彼氏は大阪人のようなので、近畿地方では「うっとこ」は大体通用しているようだ。
関東と関西では語法に微妙な違いがあるようだ。関東ではずばり言いたいことを言ってしまう傾向が強いように感じる。ところで日本語の「うち」には「家」と「内」の両方の意味があるようで、自分の所属している組織を「うち」という場合も多い。日本人同士ならばこの「うち」は何とか通じるが、欧米人との意志疎通では自分の家と自分の所属する組織は別々の表現にしないと通用しないのではないかと思った。
追記1:日本人は組織への帰属意識が強いのだろうか。その組織の最も基本的な原型が家族だろう。そこでは「家」と「内」は同じような物。「うち」にいれば、気心が知れているので気ままが許され、くつろげる。「そと」に出れば何かと制約等が多い。現役を引退して不便に感じるのが、名刺に記入するような肩書きが無いこと。肩書きは所属意識を代弁してくれる便利なツールだ。日本人は名刺好きのようであるが、ビジネスで会った外国人も名刺は必携でのようだが、外国人の組織への帰属意識はどうなのだろうか。欧米では、有能な技術者は、より待遇の良い条件を求めて転職するのが一般的。職場以外のコミュニティがしっかりしているのだろうか。
追記2:アメリカの中間選挙の結果が判明した。下院は共和党が過半数の議席を奪還。上院は辛うじて民主党が過半数を維持した。今回の中間選挙は歴史的な与党の大敗となるようだ。上下院で与野党が相対するのは日本と同じねじれ現象。ここまで接近するのはやはり、二大勢力共に決め手がないのが原因なのか。経済、国力の低下がそのマグマとしてあるのだろう。今後、世界はどのように動くのか。