老人の寝言:復興は千載一遇のチャンスなのか。放射能で故郷を失った人々の復興とはなにか。
2011/8/22
昨日も雨。秋雨のようにしとしとと断続的に降った。気温は低く寒いくらいだが、変化は少ない。XP機の起動が不安定。ME機はフリーズしても再起動で何とかなった。ユーザの使い勝手を良くすれば、それなりにユーザ数は増える。そのためサポートも増える。サポートを減らすためにシステムが複雑になる。起動時に色々なメッセージが出るがそのメモをとるだけでも大変だ。マウスがフリーズするのはどういう理由か。ソフトかハードのインストールが問題というメッセージも出る。困ったものだ。XP機を使い出してからの印象だ。
2011/8/21の天気
TAVE= | 20.0 |
TMAX= | 20.6 |
TMIN= | 19.4 |
DIFF= | 1.2 |
WMAX= | 1.6 |
SUNS= | 0 |
RAIN= | 13.5 |
最低気温(℃) = 19.3 (05:43)
老人の寝言:復興は千載一遇のチャンスなのか。放射能で故郷を失った人々の復興とはなにか。
農文協の主張は、「新自由主義的復興論を批判する 復興に名を借りた漁業権・農地所有権の自由化を許すな;url=http://www.ruralnet.or.jp/syutyo/2011/201109.htm(2011年9月号 )」というタイトルで、「規制緩和路線に沿った宮城県の復興計画 東日本大震災から、はや5カ月が経とうとしている。 被災地の方々が復興に向けて必死に歩み出しているなかで、気になることがある。 復興を好機とみて、漁業や農業の規制緩和を進めようという動きがあからさまになってきたことである。」、「経団連の火事場泥棒的「復興・創生」プラン 農業についても財界は大規模化、規制緩和路線を押し出しており、漁業で漁業権をターゲットにしたように、農業では農地の所有権がターゲットにされようとしている。」と論じた。
東北関東大震災の復興が日本の最大の課題となり、半年近くになろうとしている。
ブルームバーグは、「8月19日の海外株式・債券・為替・商品市場(◎NY外為:円が戦後最高値を更新-世界景気の減速懸念で );url=http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920018&sid=aia379zhmDI8()」というタイトルで、「 ニューヨーク時間午後4時20分現在、ドルは円に対し1ドル=76円51銭(前日は76円58銭)。一時75円95銭と、戦後最高値を更新した。」と報じた。
平成23年度前半の日本の状況は第二の敗戦に遭遇したようで惨憺たる状況であった。政界、経済界も混乱を極めた。政界に大連立という亡霊が徘徊した。しかし、それも与野党の腹のさぐり合いを越えなかった。大義名分が無かったから国民も醒めた見方しかしていない。東北関東大震災の復興に巨額の金が投入される。国民にとって連立とはその利権を掴む仲間に加わる程度と極めて理想が低く映るのだ。国民は衆参のねじれを相互牽制の次善的な体制と歓迎しているのが日本の現状ではないか。大政翼賛政治がどんな結果を日本にもたらしたかその感覚は未だ失われていない。
東北関東大震災の復興にも色々な動きがある。復興特区も一種の規制緩和になり、そこに利権を求めて人物金が集まるかもしれない。しかし、その反動で地域住民が疎外される可能性も出てくる。農文協が上記主張で、「経団連の火事場泥棒的「復興・創生」プランと噛みついたのも一理あるだろう。原料や製品を右から左へ回すだけのビジネス形態は持続可能な社会とはほど遠い。持続可能な社会では、極端に効率を上げるだけではシステムを疲弊させてしまう。第二次、三次産業でも独占、ダンピング等のシステム上の問題が生じるが、経団連が農業や漁業に口を挟むのも利権という見地から火事場泥棒的と言いたくなる事情は理解不可能ではない。ともかく、漁業権も農地所有権も漁業や農業を安定化させる機能を果たしているのは事実である。
津波対策としても、低地の土地を国が買い上げて、高台に住宅を建てるというアイデアが出されている。低地は利用価値が高いので当然地価も高いだろう。逆に高台は地価は安くても造成コストや生活コストは高く付く。朝三暮四のような甘言に乗ると錬金術の対象になるおそれはないか。自分に愛着のある土地や地域は自分で守り抜かなければ誰も守ってくれない。下記のように、低地であっても生活に便利で、津波に対しても安全な海岸沿いの「津波避難ビル」があったと知ると庶民の知恵に驚嘆する。庶民は身の丈に合わせて逞しく生きてゆきたい。
「 好きで始めた建築設計。 独立してアッと言う間に四半世紀が過ぎ、気が付けば還暦―の団塊世代の一設計士・佐々木繁の日々思うこと。生涯一設計士・佐々木繁の日々」というブログ(url=http://blog.livedoor.jp/shyougaiitisekkeisi2581/archives/52289803.html#)に、「 住民の『高台集団移住』の実現性は極めて低い。しかし、仮に間違えて実現してしまったら利益よりも不利益の方が多い、と私は考えている。 それに、実は『高台集団移住』の目的を達成するだけでなく、それ以上の津波対策になる方法が、すでに実行され効果を上げているのです……それは『津波避難ビル』に指定された『中高層津波避難アパート』。」、「この『津波避難ビル』は各地の津波避難計画の中に組み込まれていているもので、当然多数の人が住む海岸近くの町中に建つ。三陸沿岸でも、いくつかの公営の中高層共同住宅が『津波避難ビル』として指定されていた。そして、今回の大震災では、期待通りに居住民だけでなく近くにいた人もこのビルに避難してきて津波から命を守れた。」と実績を述べている。
東北関東大震災、福島原発事故からの復興も先ず、地域住民が過去・現在・未来を見据えて自分たちが青写真を描く必要があるだろう。原発立地という悲しい現実も中央と地方という格差がもたらしている面がある。復興の課題が持ち上がると、直ぐに政府の復興資金○○兆円という皮算用が流れた。日本の財政も危機的な状況にある。打ち出の小槌の如く振りまく金もすべて後世からの借金となると何となくお寒い感じがする。
東日本大震災復興基本法案が成立したが、その中に「原子力発電施設の事故による災害」、「原子力発電施設の事故による複合的なもの」とかの語句は出てくるが、「放射能」という語句は一つも出てこない。
「原子力発電施設の事故」が「災害」になるのは、放射能を「原子力発電施設」内に閉じこめる事に失敗したからではないか。「放射能」という語句を法文から追放したことにより当局は事実を隠蔽できたと胸をなで下ろしたのか。「放射能」という危機を怖れて故郷を去った人々に東日本大震災復興基本法はどんな対応するのであろうか。故郷の喪失が人間として最も寂しいことではないか。