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2009年3月 4日 (水)

Small is Beautiful

2009/3/4

Small is Beautiful

かってこの小さいことは良いことだという言葉がはやった。現在は合併云々等で大きいことが

良いという風潮に変わったかのようである。しかし、システムにはその機能にかなった最適な

サイズがあるようだ。人間も最初は1個の受精卵から出発して約60兆個?といわれる数で頭

打ちになる。受精卵1個の場合はその1個の生死がシステムの生死である。数十兆個のシス

テムにあっては数万や数十万個の死滅もそれとほぼ同数の誕生で補えばシステム自体は安

定的に機能する。インターネットも巨大コンピュータのリスクを回避して分散化を図ってシステ

ムの信頼性を確保する技術であった。頭が一つしか無い巨大な恐竜よりも八叉のおろちの

方が生き残る確率は高いということであろうか。胴体が一つで頭が複数では行動が統制でき

ず外敵のいる状態では生き残れない。尻尾に感じた変化が頭脳に届いた時には状況が変

わっているようでも同じである。電子機器には必ず動作エネルギーを供給する電源がある。

一つの大きな電源でまかなう場合とブロック毎に小さな電源を配置する場合がある。これも

分散化の原理の適用であろう。各所に電源を配するコストを払ってシステムの信頼性を買っ

ているのである。大きな発電機で発電してこれを使う所へ配るのが現在の電力システムであ

るが、電力を使うところで電気を作ってしまおうという発想がコ・ジェネシステムである。これな

らば大規模の停電の危険は低減する。ともかく一度システムが固まってしまうとそれを変更

するコストとリスクが増大する。問題点をずるずると引きずる。無条件で小さいことが良いの

ではなく、小さくても間に合えばそれで良いではないかというのが一つの選択なのかもしれな

い。かって、集積回路の仕事に従事していた頃も同じ様な話があった。要はある欠陥密度が

避けられない場合、集積回路の規模をどこまで大きくするのが最適化という問題である。小さ

く分割すれば、欠陥に当たらない確率が大きくなり歩留まりが向上するが取り扱いの手間が

増える。大きく分割すればその逆で、欠陥に当たる確率が高くなる。選択はトレードオフの

問題となる。Small is Beautiful とは無闇に馬鹿でかくなった物事に対する反発であったよう

だ。

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  • 中村三夫: 13_NHK趣味の園芸:作業12ヶ月  カキ(NHK出版1996年)
    初心者向け柿栽培参考書(旧版)。新版と比較すると楽しい。
  • 山科正平: 12_細胞を読む   電子顕微鏡で見る生命の姿
    細胞はどんな部品からできているのか。そんな疑問に答えてくれる一冊。何事も形を見るのが第一歩。μからÅオーダーの世界で、細胞をメスで解剖するように、電子顕微鏡というメスで解剖して見せてくれるので興味が尽きない。
  • 柳田充弘: 11_細胞から生命が見える
    著者の専門は分子生物学、細胞生物学。普段生物を考えても細胞レベルで止まってしまう。その細胞の中で色々な分子が働いている。細胞こそ生命の基礎だが、その細胞の中の動きを知るのに最適な一冊。疑問の発端はなぜ発根剤が効くのかということ。薬剤が細胞膜を通過して細胞内で分子と分子が作用するイメージができた。本書でできた細胞のイメージは小さな無数の穴が空いた水分が充満したヨーヨーのようなもの。そのヨーヨーの中に分子部品が詰まっている。細胞自体もタライの中のヨーヨーのように浮かんでいる。細胞図面の空白部は真空でなく水分だ。細胞の内外に水がないと細胞は生きられない。水が生命のゆりかごだ!
  • 野口悠紀雄: 10_ホームページにオフィスを作る(2001年 光文社)
    ITが輝いた時代の作品。HPの活用法は参考になる。参考:url=http://www.noguchi.co.jp/(野口悠紀雄 ONLINE)
  • 小池洋男 編著: 09_果樹の接ぎ木・さし木・とり木(農文協:2007/3/31第1刷)
    やや専門的であるが、実務専門化が分担執筆しており、その場で役に立つ一冊。
  • ノーバート・ウィーナー(鎮目恭夫訳): 08_サイバネティックスはいかにして生まれたか(みすず書房1956)
    情報と通信という現代社会に不可欠の基礎的な学問を作った著者の自伝とそれを通した科学史
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