蚊(mosquitos):いとしきもの(Beloved Ones)
2010/6/23
もう蚊が飛び始めたと思ったのも束の間、蚊の大群と格闘しなければならない時期になって
しまった。たまたま、驚異の微小脳 (中公新書:水波 誠著)を拾い読みしていた。昆虫も人間
も進化の流れの中ではその最先端にいるという。その繁栄と生き残りの決め手が脳。昆虫
の脳は目的に特化した微少な脳で集積回路のようだとの事。無駄のない最小の部品で最大
の機能を発揮するまさに驚異の微小脳を以て人間に襲いかかってくる。人間の脳は贅沢に
も膨大な部品で汎用化した巨大な脳であり、まさにスーパーコンピュータに匹敵する。この二
つの脳が畑の草むしりという場面で格闘するのである。蚊は攻撃に全てを賭ける。結局、人
間は防戦に回る。頭には野菜用の網袋を被る更にその上にすげ笠を被る。我ながら内心こ
れは効果があるとほくそ笑んでいる。更に、長袖シャツと長ズボン、長靴に厚手のゴム手
袋。場合によっては防具を省略してポータブルの蚊取り線香を使ったりする。蚊との戦いは
暑さと湿度との戦いでもある。仕事を中断して汗を拭き水を飲む。ここで防具を解かねばなら
ない。細君が買ってくれたのか薄手のメッシュの虫除けスーツというのもあった。上下一組で
女性が着用している図があり、涼しそうであった。半袖シャツのみでその上着だけを試用して
みた。確かに涼しい。しかし、後で気付いたのだが素肌が透けて見える部分にかぶれが出来
ていた。残念。紗の着物を羽織った楊貴妃のような美女のような気分で仕事をするのは所詮
むりな境遇のようだ。美女は汗もかかないようだ。おとうさん汗臭い。その一言に涙。それで
は、ここで一服。
雑草句録(Weedy Haiku Records):蚊(mosquitos)
■新緑や蚊が飛びだしぬ夕餉時
●Sinryoku ya ka ga tobidasinu yuuge toki
しんりょくや かがとびだしぬ ゆうげどき
▲At the season of new green leaves
Mosquitos begin to buzz
At supper time
蚊が飛び始めるのが丁度新緑の頃。蚊だけではなく小さな羽虫も飛び出すようで、夕方には
コウモリも飛び始める。思うにぼうふらの沸きそうな場所も多くある。初の蚊も季節感か。
Mosquitos begin to buzz just at the season of new green leaves.
Not only mosquitos but also leaf beatles begin to fly,
and also bats in the evening.
There are, I suppose, many places where mosquito larvae grow.
The first mosquito may remind me seasonal feelings.