有機リン:いとしきもの
2010/9/8
雑草句録:有機リン
■殺虫剤有機リンでぞっとする
夏の野菜作りは害虫と雑草との戦いと言えるかも知れない。最近はインターネットで殺虫剤等を検索できるので重宝する。例えばマラソン乳剤を調べると、「・有機リン系殺虫剤です。 ・作用機作はコリンエステラーゼ活性を阻害し、殺虫作用を示します。」というような説明が容易に入手出来る。
安全使用上の注意として「・本剤の解毒剤としては、硫酸アトロピン製剤及びPAM製剤の投与が有効であると報告されています。」と書かれている。
実は、この解毒剤がオーム真理教の起こしたサリン事件のサリン中毒に有効であると報道されたのを知ってから、有機リン系殺虫剤が気になるようになった。サリンも有機リン化合物である。薬剤は人間と害虫を区別しないことに注意しなければならない。
追記:農薬の使用に関しては、濃度、使用回数、食用までの農薬使用禁止期間を守る事が重要なようだ。作物に残留農薬が付着していても有害のレベル以下ならば許容するという前提がある。ところが、人体実験で有害になる農薬量を決めることは人倫上できない。そこで、人体の代用生物で有害量を求めて、その量を人の体重に換算して、ある安全係数をかけた値を許容量としているようだ。何段もの前提が成り立っていることが仮定されている。部分的に見れば極微量で問題となりそうにないが、マクロ的に見ると相当の量の農薬が相当広い範囲に散布されていると思われる。ともかく、地球規模で完全に農薬使用を止めれば、農作物の収量は激減して、価格も高騰し、全人口を養う事も不可能になるだろう。悩ましい問題ではある。