雑草句録:羅漢業
2010/11/10
雑草句録:羅漢業
■黒松や頭切られて羅漢業
川越の五百羅漢像をみて、その色々な姿に思いをはせた事があった。羅漢とは仏道修業者でまだ完全な悟りはひらいていない身分だとおもう。我が家には父の植えた黒松が何本か列植されているがその手入れが大変になった。根本から切るのもしのびないので形を作っていた頂部を切り落として樹高を下げた。この姿を見て色々な人が色々な事を言う。あわれな黒松であるが、どっこいまだ生きている。そんな姿から羅漢様を思い出すのだ。http://www.kawagoe.com/kitain/500rakan/の五百羅漢の解説によると、「川越の観光名所の中でも、ことのほか人気の高い喜多院の五百羅漢。日本三大羅漢の一つに数えられます。この五百余りの羅漢さまは、川越北田島の志誠(しじょう)の発願により、天明2年(1782)から文政8年(1825)の約50年間にわたり建立されたものです。」とある。天明2年(1782)は天明の大飢饉の起こった年。文政8年(1825)は国定忠次十五才の年。当時の社会状況を考えると五百羅漢像にも庶民の願い事が込められているのであろう。