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2010年12月26日 (日)

読みかじりの記:(高山)彦九郎 歌と生涯(8)

2010/12/26

最近は温暖化が問題になっているが、冷戦時代には「核の冬」が本気で議論されていた。これはなぜ恐竜が滅びたかという問題にも通じる。核戦争、小惑星の地球への衝突、火山の噴火等で微細な粉塵が巻き上がり大気を覆うと相当長い期間空中を浮遊し太陽光を遮り地球は急激に寒冷化する。江戸時代後期の飢饉の多発もこの気候の変動の要因が大きかったようだ。今年の夏の猛暑で群馬県の稲作も品質低下と価格の低下で大きな影響を受けた。技術が高度化すればするほど想定外の問題が起きやすくなる可能性もある。稲の品種改良も食味とか良いものが残される。気候変動に強い品種は可能なのか。こしひかりは倒れやすく、倒れれば収穫の作業が難しく手間もかかり、品質も低下する。そこで、群馬県ではゴロピカリが推奨されてきたようだ。今年の猛暑ではこのゴロピカリの被害が大きかったようだ。大きな気候変動は避けられない。コメの収量が減れば米価も上がる。歌人須永義夫氏は「彦九郎 歌と生涯」の中で「八戸二万石の藩下だけの餓死者でも六万人であった。」と書いている。江戸時代、地域により飢饉に備えるための食料蓄備の郷倉が建てられていたようだ。危機管理の知恵といえるだろう。しかし、飢饉の時高値で売れる米は、貧困者の方に回ってこない。これは、江戸時代も現代も変わりがない現実だ。昨日も寒波到来で寒い一日であった。その寒さを手がかりにもう一度、高山彦九郎の歌を味わってみたい。今日風に言えば、高山彦九郎はリスクマネイジメント思想の創始者だったのかも知れない。国定忠次、西野目宇右衛門、川端宇兵衛もそういう流れで見直してみたい。

TAVE= 3.2
TMAX= 8.5
TMIN= -1.7
DIFF= 10.2
WMAX= 6
SUNS= 8.6
RAIN= 0

以下本題。

読みかじりの記:(高山)彦九郎 歌と生涯(8)

○「飢餓と、生への執着」の章

著者須永義夫はこの章を「この北国行の中で彦九郎の心底を動揺させたのは数年前の天明の大飢饉と、人間の生への執着の恐ろしさであった。」と始めて、「村人らは野草鶏犬牛馬を食い尽くし人を食う。」と彦九郎が見聞して残した記録を述べる。その悲惨さには目を覆うばかりである。高山彦九郎 記念館の高山彦九郎日記一覧表によると、この章の内容は「北行日記」(寛政2年(1790)6月7日~11月30日)に記され、この時彦九郎44歳である。彦九郎をこの旅に駆り立てた物は何か。永遠に解けない謎かもしれないが、どうしても知りたくなる。

■降りしめる雨さえいとど侘びしきに 枕に通ふ棹鹿の声
■雨に行き旅には何も詠ふべき もの荒磯の波ぞ烈しき
■身におほふものもあらぬとみちのくの 道なき民のこころさぶしも

「村々での話に彦九郎の心は押しつぶされほどであったろうが、歌ではわずかに心中の苦しさを述べるにとどまっている。だが、その抑制された心に一層歌の心を推量することができる。」と著者はこの章を終えている。第一首、「棹鹿」は「さ(接頭語)+牡鹿」の意味。著者は彦九郎が聞いた飢饉の時の様子を、人の死骸があちこちに散乱していただけではなく、「この話を聞かされた宿でも布団衣類はなく、すでに晩秋の夜に纏ったのは薄い藁畳であった。」と記している。それに加えて、雨がふりしきるのでは侘びしさもますますつのるであろう。そんな侘びしい宿でいざ眠ろうとすると牡鹿の鳴き声が枕元に聞こえてくる。彦九郎の事である、この牡鹿の声に単に哀感を味わっているだけではなく、なにか深く感じる所があったと思う。第二首は、旅に出たが、見聞きしたのは歌に読めないほど悲惨な現実だった事を示している。第三首、「道なき民」とは生きる道を失った民ととれるだろう。食だけではなく衣も欠いていたのである。人間の尊厳を全て失った民を見て彦九郎は何を感じたか。彦九郎の師は伊勢崎藩校学習堂の命名者である伊勢崎藩儒の村士玉水といわれる。青年時代には儒学等を学んでいたであろう。彦九郎にとってこの旅は儒教の経世済民の理想を確信させたのではないか。WIKIPEDIA儒教の項(最終更新 2010年11月30日 (火) 13:11 )を以下に示す。
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儒教(じゅきょう)とは、孔子を始祖とする思考・信仰の体系である。紀元前の中国に興り、東アジア各国で2000年以上に渡って強い影響力を持つ。その学問的側面から儒学(中国語: Ruxue(ヘルプ・ファイル))、思想的側面からは名教・礼教ともいう。大成者の孔子から、孔教・孔子教とも呼ぶ。中国では、哲学・思想としては儒家思想という。

東周春秋時代、魯の孔子によって体系化され、堯・舜、文武周公の古えの君子の政治を理想の時代として祖述し、仁義の道を実践し、上下秩序の弁別を唱えた。その教団は諸子百家の一家となって儒家となり、徳による王道で天下を治めるべきであり、同時代の武力による覇道を批判し、事実、そのように歴史が推移してきたとする徳治主義を主張した。その儒家思想が漢代、国家の教学として認定されたことによって成立した。

儒教の特徴は簡潔に述べるならば、「修己治人」あるいは、『大学』にある「修身、斉家、治国、平天下」であり、「経世済民」の教えである。
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    初心者向け柿栽培参考書(新版)。旧版と比較すると楽しい。
  • 中村三夫: 13_NHK趣味の園芸:作業12ヶ月  カキ(NHK出版1996年)
    初心者向け柿栽培参考書(旧版)。新版と比較すると楽しい。
  • 山科正平: 12_細胞を読む   電子顕微鏡で見る生命の姿
    細胞はどんな部品からできているのか。そんな疑問に答えてくれる一冊。何事も形を見るのが第一歩。μからÅオーダーの世界で、細胞をメスで解剖するように、電子顕微鏡というメスで解剖して見せてくれるので興味が尽きない。
  • 柳田充弘: 11_細胞から生命が見える
    著者の専門は分子生物学、細胞生物学。普段生物を考えても細胞レベルで止まってしまう。その細胞の中で色々な分子が働いている。細胞こそ生命の基礎だが、その細胞の中の動きを知るのに最適な一冊。疑問の発端はなぜ発根剤が効くのかということ。薬剤が細胞膜を通過して細胞内で分子と分子が作用するイメージができた。本書でできた細胞のイメージは小さな無数の穴が空いた水分が充満したヨーヨーのようなもの。そのヨーヨーの中に分子部品が詰まっている。細胞自体もタライの中のヨーヨーのように浮かんでいる。細胞図面の空白部は真空でなく水分だ。細胞の内外に水がないと細胞は生きられない。水が生命のゆりかごだ!
  • 野口悠紀雄: 10_ホームページにオフィスを作る(2001年 光文社)
    ITが輝いた時代の作品。HPの活用法は参考になる。参考:url=http://www.noguchi.co.jp/(野口悠紀雄 ONLINE)
  • 小池洋男 編著: 09_果樹の接ぎ木・さし木・とり木(農文協:2007/3/31第1刷)
    やや専門的であるが、実務専門化が分担執筆しており、その場で役に立つ一冊。
  • ノーバート・ウィーナー(鎮目恭夫訳): 08_サイバネティックスはいかにして生まれたか(みすず書房1956)
    情報と通信という現代社会に不可欠の基礎的な学問を作った著者の自伝とそれを通した科学史
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