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2011年4月15日 (金)

技術 回顧と展望:日本の先端技術は無力なのか

2011/4/15
電波時計のアンテナマークが消えていた。記念品としてもらった電波時計も電波を受信せず手動で設定した。調べてみると、標準電波を発信していた福島送信所が福島原発20Km圏内にあり、運用が中止されているとの事だ。標準を決める事は非常に重要だ。秦の始皇帝は中国を統一して、車の車幅を統一したとの事だ。当時は車とは戦車でもあった。他国から侵略されないように、国防上車幅を他国と同じにしなかったとの事だ。当時は舗装もなく、車が通ればそこにわだちが出来る。後続の車もそこを通れば楽だ。車福が違う車は通行上非常なハンディを科せられる。時刻の尺度は物差しでは測れない。電波で正確な時刻を配信・管理する事は非常に重要だ。時刻標準器は非常に高価で使いこなすのも大変だ。本来、国家の威信としても一刻でも停波させてはならないのが標準電波であろう。国は早急に福島送信所からの電波の発信を始めるべきではないか。時刻の確認に電波時計を使えば、記録の正確性確保と記録間の比較が正確にできるのである。危機管理や救済活動の現場においても、正確な時刻は絶対に必要だろう。一ケ月以上標準電波の停止を放置しているのは国の危機管理意識の低さの現れではないか。

 情報通信研究機構 光・時空標準グル-プが以下の情報を公開している:「長波帯標準電波送信所」(url=http://www2.nict.go.jp/w/w114/Open/t-f_radiostations.pdf)。

追記:上記資料には「地震計、気象測器の時刻管理」等各種の重要な時刻管理の例が示されている。

尚、福島送信所の再開等には以下の記事あり:
「url=http://jjy.nict.go.jp/index.html
<送信再開のための主な条件>
・20km避難指示の解除
・商用電力及び時刻比較制御のための通信手段の安定的な確保
・基準信号源及び時刻比較制御装置類の正常動作確認と定常的管理
・送信設備等の正常動作確認と定常運用」

「・20km避難指示の解除」は当面望めないだろう。情報通信研究機構の対応には、標準電波の提供という国家的ミッションを持ち、大震災という重要な非常事態に直面しているのに前向きの意欲が感じられない。万難を排して再開するよう願いたい。

昨日の天気

TAVE= 15.6
TMAX= 24.5
TMIN= 6.3
DIFF= 18.2
WMAX= 3.7
SUNS= 11.9
RAIN= 0

技術 回顧と展望:日本の先端技術は無力なのか

かつては、日本では重厚長大の産業が栄えた。鉄鋼、造船、化学関係の工業が日本の産業をリードした。ところが、外国でも同じような産業が育つと、世界的な競争になり、競争力は低下してその分野の日本の地位は下がった。20世紀の後半の20~30年以来は高度情報化社会にが現実となり、製造業からサービス業へのシフトも進んだ。大手電気メーカーは、各社が大型計算機を製造していたが、やがてミニコンピュータやパソコンの時代になった。パソコンも一時は大手電気メーカー各社が力を入れていたが、撤退が進んでいる。

「元麻布春男の週刊PCホットライン■
日立がHDD事業をWestern Digitalへ売却した背景;url=http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/hot/20110309_431891.html 」で元麻布氏は「 元々、半導体メーカーだったWestern DigitalがHDDメーカーになったきっかけは、HDD専業メーカーであったTandonを買収したことに始まる。Tandonは、PC向けの小容量HDDを主力にしていたメーカーで、はっきり言うとブランド的には二流だった。それが着実に力をつけ、旧IBMと日立製作所というメインフレーマーのHDD事業(HDDにおける一流ブランド)を買収するまでになったのだから、感慨深いものがある。」と述べている。要するに、事業そのものが売買の対象になるのが当たり前の時代になっている。しかし、専業メーカーとして他社を圧倒すれば優位の位置に着ける。

asahi.comは(url=http://www.asahi.com/business/update/0307/TKY201103070516.html:2011年3月7日21時58分)「日立製作所は7日、世界3位のハードディスク駆動装置(HDD)事業を、世界首位の米ウエスタン・デジタル(WD)に売却すると発表した。売却額は約43億ドル(約3500億円)。日立のHDD事業は最近まで赤字が続き、扱いが経営課題となっていた。変動が大きい事業を分離し、社会インフラ関連など成長分野に力を入れる方針だ。」と伝えた。この情報を聞いて、日立としては、情報産業か装置産業の経営判断をした結果であったと思っていた。ともかく、技術を徹底すると、小さな製品は直ぐに生産過剰になるだけ生産力が向上してしまうのが現代だ。競争が激化して値崩れ、利益の低下を招く。そんな中で、競争の少ない装置産業へのシフトは一つの選択であったかもしれない。情報産業部門を保険として残す選択もあったかもしれないが、その余力が無い、リスクを伴う等々を含めての経営判断であったとおもう。

奇しくも、東北関東大震災の原発事故で、福島第一原子力発電所の廃炉が現実的となっている。日立は東京電力に廃炉の計画案を提出したとの事である。それによると、核燃料の活動停止、取り出し、核廃棄物の処理、原子炉の解体、プラント・建屋の解体と、原子炉関係の主要な作業だけで10年、解体・無害化まで30年を要する長期事業になるとの事だ。これを、見ると、水道、ガス、電力等の工事で、バラバラに道路を掘り、再度舗装しと同じ事を際限なく継続する土木事業を思い出してしまった。日立に就職した優秀な人材が原子炉廃炉にどれだけの情熱をもって取り組む覚悟をしたのか分からない。東京電力福島第一原子力発電所の原子炉事故で寝耳の水の仕事をさせられる運命になる技術者もあるだろう。覆水盆に返らずで、起こったことの始末は必要だ。しかし、大抵は最後の始末まで含めて為される事業はほとんどない。その問題はリサイクル法で幾分進歩しただろう。ともかく、長期間かかる廃炉を進めるにもそこには何らかの形で税金がつぎ込まれるであろう。今後の少子高齢化か社会には大きな資金を必要と知る事業が多数ある。極力負の遺産を残さないという工学技術も必要だ。自分としてはそういう自覚をもった若い技術者がこの東北関東大震災の処理事業とともに育つ事を願わざるを得ない。

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:牛の歌

歌題=牛の歌:

■来る世は 生まれ変われよと 頬さする あす潰さるる 身ごもらぬ牛 51 清水 希志子

子牛からから育てると、家族の一員のように憐憫の情にかられるがままならぬ時がある。

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  • 中村三夫: 13_NHK趣味の園芸:作業12ヶ月  カキ(NHK出版1996年)
    初心者向け柿栽培参考書(旧版)。新版と比較すると楽しい。
  • 山科正平: 12_細胞を読む   電子顕微鏡で見る生命の姿
    細胞はどんな部品からできているのか。そんな疑問に答えてくれる一冊。何事も形を見るのが第一歩。μからÅオーダーの世界で、細胞をメスで解剖するように、電子顕微鏡というメスで解剖して見せてくれるので興味が尽きない。
  • 柳田充弘: 11_細胞から生命が見える
    著者の専門は分子生物学、細胞生物学。普段生物を考えても細胞レベルで止まってしまう。その細胞の中で色々な分子が働いている。細胞こそ生命の基礎だが、その細胞の中の動きを知るのに最適な一冊。疑問の発端はなぜ発根剤が効くのかということ。薬剤が細胞膜を通過して細胞内で分子と分子が作用するイメージができた。本書でできた細胞のイメージは小さな無数の穴が空いた水分が充満したヨーヨーのようなもの。そのヨーヨーの中に分子部品が詰まっている。細胞自体もタライの中のヨーヨーのように浮かんでいる。細胞図面の空白部は真空でなく水分だ。細胞の内外に水がないと細胞は生きられない。水が生命のゆりかごだ!
  • 野口悠紀雄: 10_ホームページにオフィスを作る(2001年 光文社)
    ITが輝いた時代の作品。HPの活用法は参考になる。参考:url=http://www.noguchi.co.jp/(野口悠紀雄 ONLINE)
  • 小池洋男 編著: 09_果樹の接ぎ木・さし木・とり木(農文協:2007/3/31第1刷)
    やや専門的であるが、実務専門化が分担執筆しており、その場で役に立つ一冊。
  • ノーバート・ウィーナー(鎮目恭夫訳): 08_サイバネティックスはいかにして生まれたか(みすず書房1956)
    情報と通信という現代社会に不可欠の基礎的な学問を作った著者の自伝とそれを通した科学史
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    2010/8/4:MEMO等の表示に使える。 農作業で気になる自戒の言葉 ■畑の石ころはいつまで経ってもても石ころ(早く拾って片づけよという意味か)。 ■同じ石を二度拾うな(やってみると難しい)。 ■手ぶらで歩くな。 ■三つ先のことを読め。 ■適当な観察。 ■空を見よ(気分転換、休憩、天気を読む、腰曲がり防止)