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2011年4月13日 (水)

老人の寝言:三段重ねの大嘘では誰も見向かなくなるのでは

2011/4/13
昨日の夕焼けはきれいであった。東北関東大震災、東電福島原発事故の被災地の人々は夕焼けを見るゆとりも無いと思う。東京都知事に石原氏が再選された。節電という御旗をかかげ、パチンコと自販機をたたいていた。もう少し老人力を発揮して見境もなくその範囲を広げて欲しい。最近老人力という素晴らしい言葉があったと再認識した。もう古語の部類かもしれない。「老人の寝言」というカテゴリーを作った。グチはここに封印しよう。

昨日の天気

TAVE= 9.5
TMAX= 14.2
TMIN= 5
DIFF= 9.2
WMAX= 7.6
SUNS= 12.1
RAIN= 0

老人の寝言:三段重ねの大嘘では誰も見向かなくなるのでは

2011/4/12に福島原発事故の危険レベルがINESのレベル7に相当すると報道された。今までINES=5がなぜいきなりINES=7なのか。国民誰もが、福島原発事故が、チェルノブイリやスリーマイル島の原発事故より規模が小さいことを願っている。しかし、当局は国民の願いでINESを決めるようであっては世界中の笑い物になる。現実は笑い所ではない、顰蹙をかい不信感を増大させているのではないか。日本は世界唯一の原爆被爆国、また非核武装国、原子力の平和利用と原子力に関しては他国にない国是を一貫して守ってきた。このような背景から、IAEA(International Atomic Energy Agency)の総裁に選ばれた天野氏への世界中からの期待は大きい物があった。INESとはThe International Nuclear and radiological Event Scaleの略語であり、原子力及び放射能事故の国際評価尺度である。同じ尺度で測ることにより、比較が出来るのである。振り返ると、当局は原発事故の翌日(3/12)に暫定でINES=4を表明していたようだ。そうして、3/18にINES=5に引き上げてIAEA(国際原子力機関)に報告したという記事があった。最後にINES=7を発表したのが4/12であった。福島原発のINESに関してはもはやINES=7以外にあり得ない。

IAEAの資料はINESを以下のように説明している。その資料によれば、INESとは「原子力及び放射能事故事故の安全上の重要性(言い換えれば危険性)について公衆と矛盾せず一貫的に意志疎通させるための国際的な尺度である」
「The INES Scale is a worldwide tool for communicating to the public in a consistent
way the safety significance of nuclear and radiological events.

Just like information on earthquakes or temperature would be difficult to understand
without the Richter or Celsius scales, the INES Scale explains the significance of
events from a range of activities, including industrial and medical use of radiation
sources, operations at nuclear facilities and transport of radioactive material.
Events are classified on the scale at seven levels: Levels 1・ are called "incidents"
and Levels 4・ "accidents". The scale is designed so that the severity of an event is
about ten times greater for each increase in level on the scale. Events without safety
significance are called ・deviations・and are classified Below Scale / Level 0.」

要するにINESを使えば、世界中の誰とでも原子力や放射能事故に関して正確な情報交換が可能になるように想定されているのである。

以下にINESのレベルをIAEAの資料から引用する。三角形でレベルを表現しているが、危険度は当然逆三角形になる。従って、INES=5からいきなりINES=7へ変更するのがいかに手前勝手かはっきりする。INESという国際標準を使うにはこのINES=6を飛び越したのは何故かという国際的な説明責任を負う。IAEAや外国の調査団が福島原発に入り、もはや隠し通せない、言い換えれば、完全に尻まくりした結果が今回のINES=7の発表ではなかったか。
Ines_s

問題は数週間の間INES=5のままで通した影響である。INESが公共に対する危険度の共有という意味を持っている点から考えると、国民だけでなく世界もだまし続けたのではないかと言われても弁解の余地はないだろう。原発事故現場で働く人々、放射能被曝を覚悟しつつ救済に従事している人々、被災民及びその家族達等々はだまされて長期間放射能被曝をさせられたと当局への怨念は深まる一方ではないか。まさに当局は公衆と危険度を共有するのではなく、自分たちは危険を知りつつ安全なところに留まり、公衆を見殺しにするような戦中の大本営的な動きしかしていなかったのではないか。嘘に嘘を重ねても、何の解決もできない。福島原発の原子炉は辛うじて暴走を抑えられているに過ぎない。INES=7の発表が次なる尻まくり、責任逃れの予兆で無いことを願うばかりである。

追記:朝のニュースは政府はINES=7を公表するにあたり、事前に関係国へ通知したとの事。これだけ、危険性の大きな原発事故の大きさのレベルを変更するのである、各国政府は国民への説明が必要になる。当然この危機の重大性という認識を共有する事により被害の拡大を未然に防止でき、また連帯意識を広げることが出来るのである。意識的に低く設定されたINESはINESの精神を損ない被害を増大させ、連帯の妨げになるのである。透明性が重要なのである。

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:桜守

歌題=桜守:

■花満つる さくらを見つつ 母思ふ この爛漫の季を 母も見にけり 14 井汲 美也子

母の心象は変わらないが、今の自分に重ねてみるとまた新しい発見をする。

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  • 山科正平: 12_細胞を読む   電子顕微鏡で見る生命の姿
    細胞はどんな部品からできているのか。そんな疑問に答えてくれる一冊。何事も形を見るのが第一歩。μからÅオーダーの世界で、細胞をメスで解剖するように、電子顕微鏡というメスで解剖して見せてくれるので興味が尽きない。
  • 柳田充弘: 11_細胞から生命が見える
    著者の専門は分子生物学、細胞生物学。普段生物を考えても細胞レベルで止まってしまう。その細胞の中で色々な分子が働いている。細胞こそ生命の基礎だが、その細胞の中の動きを知るのに最適な一冊。疑問の発端はなぜ発根剤が効くのかということ。薬剤が細胞膜を通過して細胞内で分子と分子が作用するイメージができた。本書でできた細胞のイメージは小さな無数の穴が空いた水分が充満したヨーヨーのようなもの。そのヨーヨーの中に分子部品が詰まっている。細胞自体もタライの中のヨーヨーのように浮かんでいる。細胞図面の空白部は真空でなく水分だ。細胞の内外に水がないと細胞は生きられない。水が生命のゆりかごだ!
  • 野口悠紀雄: 10_ホームページにオフィスを作る(2001年 光文社)
    ITが輝いた時代の作品。HPの活用法は参考になる。参考:url=http://www.noguchi.co.jp/(野口悠紀雄 ONLINE)
  • 小池洋男 編著: 09_果樹の接ぎ木・さし木・とり木(農文協:2007/3/31第1刷)
    やや専門的であるが、実務専門化が分担執筆しており、その場で役に立つ一冊。
  • ノーバート・ウィーナー(鎮目恭夫訳): 08_サイバネティックスはいかにして生まれたか(みすず書房1956)
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