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2011年5月

2011年5月11日 (水)

読みかじりの記:リンゴが教えてくれたこと 木村秋則 著(日本経済新聞社 2009年)

2011/5/11
昨日午後に天気予報通り降雨があった。雨量は少なかったが苗には良いお湿りとなった。首相が記者会見をして原発を進めた国にも責任があるから原発事故対策に目処が立つまで首相歳費を返上すると発表したようだ。首相が個人として責任をとるというものも何か違和感を感じる。政府は東京電力の損害賠償責任は一義的には東京電力にあると言っているのと矛盾するのではないか。原発事故の初動対応の不手際にすり替えてしまったように見えて後味が良くない感じがする。

昨日の天気

TAVE= 20.4
TMAX= 28.4
TMIN= 16.2
DIFF= 12.2
WMAX= 5.3
SUNS= 1.4
RAIN= 1.5

読みかじりの記:リンゴが教えてくれたこと 木村秋則 著(日本経済新聞社 2009年)

「軌跡のリンゴ(2008/07) 」は幻冬舎より出版され 、当時かなり話題になっていたと思う。本書はその続編に類するものかもしれない。自分は全くの果樹の素人で、花の美しさ、果実のうまさだけで果樹を育てようとしてきた。我が家の畑にもリンゴの苗を植えているがまだ満足な果実を収穫できていない。著者が何十年か続けてきたリンゴの無肥料無農薬と同じ事をする時間的な余裕は全くない。苗が2~3年育つ頃にはカミキリムシの被害でリンゴ樹を枯らしているのが実状だ。果樹にしろ野菜にしろ適地適作があると知ったのは会社退職後であった。農業をするのにも、後何年というタイムリミットが常に付きまとっている。そんな訳で著者の本は読みたいが読みたくもない本であった。ともかく、失敗をおそれず挑戦を続け成功したので本書が世に出たという事であろう。挑戦したが失敗しましただけの内容では面白みがない。その点本書は著者の色々な体験が詰まっている本である。読者は一般の人を対象としているようで、本書から具体的な技術内容やノウハウは得る事は困難だが、著者が実践した事や観察した事は興味深く参考になった。「りんご大学の『日本のりんごの歴史 』(url=http://www.ringodaigaku.com/study/history/history.html)」を見ると、青森県のリンゴ栽培は明治の初期に始まった事が分かる。『日本のりんごの歴史 』の年表と著者の足取りを重ねると著者の業績の位置付けが見えてくるのではないか。リンゴ産地がリンゴの病害虫や市場対応に苦労している点が見える。「りんご大学」は「青森りんごTS導入協議会」が運営している。「TS」はトレーサビリティの意味のようだ。青森りんごTS導入協議会は生産者団体、青果物卸売市場等がメンバーになっている。トレーサビリティとは生産物の履歴管理システムの意味であろう。生産物の履歴管理には食の安心安全のための防除(農薬使用)履歴も当然含まれているだろう。自然農法、無肥料無農薬栽培は究極的なで理想の農業のように受け取ってしまうが、それを実現できる農家は極少なく、無肥料無農薬栽培生産物が全体に占める比率はそれほど高くなく市場の要求を満たせないのが現実のようだ。言い換えれば、自然農法、無肥料無農薬栽培による農産物はブランド化して、高値で取り引きされる可能性も大きいだろう。ともかく、ある作物をある水準の品質でつくる方法は無数にあるように見える。自然農法、無肥料無農薬栽培が唯一絶対の技術でもないのではないかとも思うが、まだ第二、第三の有力な技術が見つけれた訳でもないようだ。ともかく、リンゴ栽培にも膨大な技術の積み重ねがある。そのような技術体系の中で、自然農法、無肥料無農薬栽培がどのような位置を占め、今後それが主流技術になるのかは興味のある所だ。ともかく、マクロ的に見ると果樹栽培農業は多大な労力を必要としている。一方市場の要求は限りなく厳しくなりつつある。人口の減少と農業離れが進む中で、生産物の品質の向上と省力化とコストダウンは相反する。このジレンマを解決する方法はあるのか。尚、農文協サイトの記事「自然栽培「奇跡のリンゴ」に学んだ畑はどうなった(url=http://www.ruralnet.or.jp/gn/201008/kant.htm)」も参考になった。一般のリンゴ栽培農家が無肥料無農薬栽培を行う場合、相当の収量低減が避けられないのが現実のようだ。

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅: 窓

歌題=窓:

■増える白髪を いとほしみつつ 櫻(はな)冷えに 爪きる音の はぎれよき朝 1 相川 公美子

幾つかの情感が重畳的に表現されて、作者の人生と生活の確からしさを偲ばせる。

2011年5月10日 (火)

かみつけ女流歌人 雅:硫黄島第十九回船便

2011/5/10
白い花を付けている花木はコデマリか。スギナの伸びが良い。木々の葉もほぼ開いている。新緑に圧倒され怖く感じる季節になった。松の芽がグングン伸びている。仕方なく脚立に乗って剪定をした。時期的には遅いのかもしれない。樹形も気にせず芽だけでなく枝も思いっきり切り落とした。芽が伸びている時期は蓄積した栄養分をそこに注ぎ込んでいる筈だ。その時期に芽も枝も切るのだから光合成による養分の蓄積が不足してスタミナ不足になるような気がする。

テーブル上の電波時計を見ると「E」のマークになっていた。落雷で停止していた送信が暫定的に再々開されているようだ。調べてみると、(url=http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110509/t10015777791000.html;5月9日 18時35分)「電波時計へ暫定的に送信再開
5月9日 18時35分   
東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて停止されていた「電波時計」の時刻を合わせるための電波の送信が、9日午後から暫定的に再開されました。送信は10日の午前中まで続けられる予定で、管轄する情報通信研究機構は、時刻を合わせたい時計を、この間、窓際に置くよう呼びかけています。」と報じていた。送信時間は限定されているようだ。しかし、この対応には相変わらず万難を排して国家標準を維持するという意欲が見えない。

中部電力は浜岡原発停止を正式に決定した。首相の停止要請に法律的根拠がないとされる点が指摘されている。他の原発は停止させないとの事で一貫性がなく場当たり的に見える。

昨日の天気

TAVE= 19.4
TMAX= 25.3
TMIN= 12.7
DIFF= 12.6
WMAX= 5.5
SUNS= 8.7
RAIN= 0

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:硫黄島第十九回船便

歌題=硫黄島第十九回船便:

■五十年 すぎし墓参の 硫黄島 水背負ひゆく 玉砕の父に 102 山崎 喜與子

硫黄島は本土攻撃を遅らせる最後の要塞であった。玉砕した父を詠んだ歌が胸に響く。

2011年5月 9日 (月)

読みかじりの記:雑草のごとく 谷口浩美 著 月刊陸上競技 編集(出版芸術社 1992年)

2011/5/9
昨日は母の日。夏のような暑さであった。サンショウの挿し木をした。1本でも2本でも発根すれば良いだろうと思いつつ。母の残した一首を思い出した。ともかく、百パーセントの発根は夢のようである。
■夫の趣味は 密閉挿しにて 山査子と椿 それぞれ 百パーセント
父の「密閉挿し」の様子は見たことがないが、乾燥防止のために挿し床を密閉したのではないかと思う。それにならって、鉢には板ガラスを乗せて乾燥防止をした。

昨日の天気

TAVE= 20.5
TMAX= 28.9
TMIN= 13.5
DIFF= 15.4
WMAX= 7.4
SUNS= 10.4
RAIN= 0

asahi.comの記事「1号機原子炉建屋内、計13人が作業 換気用管を設置(2011年5月5日20時4分)」によれば、「東京電力は5日、福島第一原子力発電所の1号機(福島県大熊町)で、3月12日に原子炉建屋で水素爆発が起きて以来初めて、建屋内に作業員が入ったと発表した。午前11時32分に東電社員2人が放射線量を確認するために建屋に入った後、午後3時8分までに作業員が建屋の換気用の管を設置した。」との事だ。原発事故対策でようやく原発本体に迫る第一歩であると思う。福島原発の各原子炉の破損状態はそれぞれ異なるようだ。1号機は水棺として巡回冷却システムを稼働させる計画のようだが、今後も気が抜けない作業が必要だろう。なんとかやりとげてもらいたい。他の2~4号機はどうなるのか。こちらも気になる。

読みかじりの記:雑草のごとく 谷口浩美 著 月刊陸上競技 編集(出版芸術社 1992年)

「雑草のごとく」というタイトルが最初に目に付いた。自分にとって雑草とは避けて通れない代物だ。雑草との付き合いは終わる事はないだろう。雑草を敵と見るより味方としてつき合って行こうと思っている。本書の腰巻きと表紙の写真からマラソンの谷口選手の著書と分かった。腰巻きには『’91世界陸上マラソン金メダルの」谷口浩美選手が、バルセロナ五輪で「こけちゃいましたよ」の一言で全国民を感動の渦に巻き込んだ。飾らず、おごらず、常に自然体。不器用だが、真正面に精一杯頑張り抜いたマラソン人生を自らつづる。』とある。

本書により谷口選手は駅伝からマラソンにはいった事が分かる。駅伝はチーム競技だがマラソンは個人競技だ。個人競技は個人競技の奥行きの深さを感じる。小学校から、高校、大学社会人と競技人生も興味深く読んだ。競技は結果が全てであるが、その最高の結果である優勝に至るまでには多数のハードルがある。「マラソンは本当に性格そのものだと思う。」とマラソンという競技をさらりと述べている。「私はマラソンというのは要領の悪い人でないと走れないと思っている。」という言葉にも感心する。社会人マラソン選手になって、「そのころから私も心理学に興味を持った。」と書いている。なぜか。別のページでどういう人がマラソンに適しているかについて書いている。「私は、自分を客観的にみつめられる人、それとあきらめない人、の二点をあげたい。」と述べている。マラソンという競技も最終的には自分との戦いになるようだ。自分を冷静客観的に見て自分を制御するそのためには心理学も生理学も必要なのだろう。それから、性格も根本的には変えられないが、ある部分は変えられると書いている部分には共感を受けた。自分も幼少時は内向的と言われ自分もそう思い悩んでいた時もあった。その傾向は今も変わらないが、それも気にならなくなった。性格と言っても頑固な習慣みたいなものでその部分は意識的に矯正すれば変わる事ではないか。いわば望ましいイメージを作ってそれに向かって努力することがあらゆる仕事や競技にも通用するのではないか。この部分は参考になった。

そもそも、自分も体操と音楽は苦手と思っていた。それは一面正しいのかもしれない。ただ、小学生の時、子供駅伝で優勝した経験は今も記憶に残っている(「子供駅伝大会で優勝」:http://af06.kazelog.jp/itoshikimono/2009/01/post-d713.html)。やはり、一度でもトップに立つという経験は人生でも重要に違いない。子供駅伝では早かったのは自分以外の選手で、自分はたすきをつなげただけという気持はあった。それはそれで良かったのだと思う。

本書出版時32歳の著者は「引退より自然消滅の道」と述べている。ここで、この本のカバー範囲は終わっている。その後はどうしたのか。「谷口浩美url=http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B0%B7%E5%8F%A3%E6%B5%A9%E7%BE%8E;最終更新 2011年3月22日 (火) 15:42 」:『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(http://ja.wikipedia.org/)。によれば、「2008年4月より、東京電力 長距離・駅伝チーム監督に就任。2009年には同チームを全日本実業団対抗駅伝競走大会(ニューイヤー駅伝)初出場に導いた。2010年9月末をもって、同チームの監督を退任した[2]。現在は講演の傍ら、指導などで全国を回っている。」とある。

人生はマラソンに例えれる事も多い。それがレースとなると必ず順位がつきまとう。順位はレース参加者をある基準で一次元座標に投影して並べたものに過ぎないかもしれない。参加者には参加者なりの基準があっても良いであろう。参加者の持つ、ハンディ、経験、能力等々の色々な特性を考慮するとその順位の向こうに色々な物が見えてくるだろう。いわば、レースの敗者は雑草のような存在に見えるが、それをはねのけて努力の末に、誰も見ようともしない小さな実を付ける事ができるだけでも上々ではないか。雑草のような生き方は好まれないかもしれない。だが、それを避けることも出来ないのが現実だ。足元をしっかり見て、地面に根を張ることが勝負のスタートかもしれない。

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:永久の思ひ出

歌題=永久の思ひ出:

■温泉を 好みし夫と 折折に 旅に行きしは 永久の思い出 86 福島 春江

夫唱婦随で折々の温泉旅行をした思い出が甦ってくるような歌だ。

2011年5月 8日 (日)

読みかじりの記:野戦の指揮官 中坊公平 (著者:NHK「住専」プロジェクト 発行:日本放送出版協会 1997年11月30日 第1刷発行)

2011/5/8
アサクラサンショウの枝を貰った。棘がない。香りが良いので挿し木にしてくれと言われた。サンショウはミカンと同じ種類との事だが、ミカンの挿し木は難しいのは失敗続きで実証済み。緑枝挿しになるので挑戦することにして下準備中。

東日本大震災の被災者に何かしてやりたいと大抵の人は思っているだろう。その中で最も一般的なのが寄付、義援金を託すという事だろう。その物や額や方法も多様であって良いと思う。そんな事を思っていると貧者の一灯という言葉が浮かんできた。調べてみると「阿闇世王(あじゃせおう)受決経」、「賢愚経」がその出典のようだ。さらに「長者の万灯より貧者の一灯」ということばがあった。広辞苑によると、「貧者の真心によるわずかな寄進は虚栄による多くの寄進よりもまさっている。物の多少よりもまごころが大切である。」と解説している。更に検索するとurl=http://www.kannon-in.or.jp/kanji/bu-dangi/bu0405.htmに参考になる記事があった。経とは一種の説話である。非常に具体的でもある。和英で「貧者の一灯」をあたると「the widows' mite」と出てきた。意訳すると未亡人の小銭と言うことで、金にも事欠く未亡人が喜捨する小銭を意味するようだ。東日本大震災では長者の万灯に類する寄付もあったようだ。しかし、自分には貧者の一灯の方が何となくしっくりする。喜捨する人の気持ちは分かる。被災地に向けられた衣類等は必要以上が集まり、廃棄されたり被災者以外(リサイクル業者)に引き取られる例が出ているようだ。保存スペースがなければ仕方ないのかもしれないが、送った人々の気持ちはどうなるのか気になる。

昨日の天気

TAVE= 15.9
TMAX= 18.1
TMIN= 13.7
DIFF= 4.4
WMAX= 2.7
SUNS= 0
RAIN= 0

読みかじりの記:野戦の指揮官 中坊公平 (著者:NHK「住専」プロジェクト 発行:日本放送出版協会 1997年11月30日 第1刷発行)

この本は、NHKが放送した番組の反響を受けて、ドキュメンタリー番組を補完する形で、新たな取材を加味して記したものである。本の腰巻きには、『正義と信頼。こんな弁護士がいたか!奮戦奮闘する「野戦指揮官。」森永砒素ミルク事件、豊田商事事件、豊島住民訴訟、住専6兆8000億円の債権回収の先頭に立つ姿に肉薄。』とある。異色または正義派弁護士中坊公平の「森永砒素ミルク事件、豊田商事事件、豊島住民訴訟」における活躍は既に神話の領域に近づいていた。自分も何冊か関連書籍を読んだ記憶がある。弁護士業をビジネスと見るならば、当然中坊公平が弁護士として扱った「森永砒素ミルク事件、豊田商事事件、豊島住民訴訟」事件はビジネスの側面を持つだろう。
従って、そこには被告・原告とその代理人である弁護士という構造関係が想像できる。従って、中坊公平にとって、戦場は自分の専門領域であったろう。しかし、「住専6兆8000億円の債権回収の先頭に立つ姿」の部分は、「株式会社住宅金融債権管理機構(住菅機構)」の社長としての活動であり、戦場が違うのである。「野戦の指揮官」というタイトルは住菅機構での活躍に相応しいのではないかと思った。功なり名遂げた老弁護士(「第6章 野戦の第一線に立つ」に68歳の大将とある)がなぜこの戦場に身を投じる事になったのか。当初、中坊公平は名誉職的な住菅機構の会長就任を打診されていたらしい。住専問題は護送船団方式の金融界ひいては日本の経済の屋台骨を揺るがす大事件であった。問題がここまで大きくなると野戦と言えども本当の敵が見えなくなってしまう。
ここで思い出されるのがリーマンショック。「リーマン・ショック(url=http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%82%AF);最終更新 2011年4月19日 (火) 03:51 」:『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(http://ja.wikipedia.org/)。によると、「概要
2007年のサブプライムローン(サブプライム住宅ローン危機)問題に端を発した米国住宅バブル崩壊を切っ掛けに多分野の資産価格の暴落が起こっていた。リーマン・ブラザーズも例外ではなく多大な損失を抱えており、2008年9月15日 リーマン・ブラザーズは連邦破産法第11章の適用を連邦裁判所に申請するに至る。これを切っ掛けにリーマン・ブラザーズが発行している社債や投信を保有している企業への影響、取引先への波及と連鎖などの恐れから、アメリカ経済に対する不安が広がり、世界的な金融危機へと連鎖した。日経平均株価も大暴落を起こし6000円台にまで下落した。」また「負債総額、約64兆円という史上最大の倒産劇へと至り、リーマンショックとして世界的な金融危機を招いた。」とある。

中坊公平が晩年にさしかかり、住菅機構として、債権回収のために残された時間はわずかしかないという緊迫感が「第6章 野戦の第一線に立つ」から伝わってくる。その中坊公平をかりたてたのが「弱きを助け、強きをくじく」という正義感のようである。
「中坊公平(url=http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%9D%8A%E5%85%AC%E5%B9%B3;最終更新 2011年2月24日 (木) 21:32 )」:『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(http://ja.wikipedia.org/)。によると、「中坊 公平(なかぼう こうへい、1929年8月2日 - )は、日本の元弁護士(廃業前は大阪弁護士会に所属)。元日弁連会長。新しい日本をつくる国民会議(21世紀臨調)特別顧問。 「平成の鬼平」と呼ばれたが、住宅金融債権管理機構の債権回収で不適切な回収が行われたことが公になり、この責任をとる形で弁護士を廃業。」とある。

中坊公平が弁護士資格まで投げ捨てざるを得なかった野戦とは何であったか。この本で中坊公平は、「15年もたったら、事件そのものが風化してしまうでしょう。この回収は時との戦い。」と言っている。確かに住専問題は既に記憶のかなたに消えようとしている。しかし、同じような構造の問題が既に生まれている。東京電力の東日本大震災を発端とする原発事故の損害賠償による経営危機の問題がやがて大きな姿を現してくる。場合によれば、損害賠償訴訟の多発の可能性もある。責任をあいまいにして国が東京電力に資金を注入する事の是非等の問題もやがて出てくるだろう。東京電力も建前では日本の一私企業にすぎない。一度破綻処理してから再建すべきであるという意見も出ている。「野戦の指揮官 中坊公平」は、中坊公平が弁護士としての豊富な経験を生かして国・国民のために戦ったドキュメンタリー作品だ。住専の不良債権回収と東京電力の原発事故の損害賠償がどうしても重なって見えてしまう。今後、中坊公平のような人物が出て来るのだろうか。

尚、WIKIPEDIAで調べてみると、
「整理回収機構(url=http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%95%B4%E7%90%86%E5%9B%9E%E5%8F%8E%E6%A9%9F%E6%A7%8B;最終更新 2010年11月14日 (日) 01:19 )」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(http://ja.wikipedia.org/)。によれば、「機構の問題点
名弁護士として知られた中坊公平を社長に迎え、マスメディアを中心に「正義の味方」扱いされた整理回収機構だが、中小企業に対して過酷な債権回収を行っていることが批判された。また、中坊は破綻した朝日住建の債権回収の際にその債権者を騙して15億円を詐取した件を朝日住建子会社の元社長増田修造から内部告発され、2002年10月に東京地検特捜部へ詐欺罪で告発された。起訴の可能性が極めて高いとされたが、中坊が弁護士を廃業すると約束した事で情状され、起訴猶予処分となった。
整理回収銀行勘定の不良債権の多くは中小企業に対する債権である一方、住専勘定の債権は暴力団が入り込んだ先やすでに先順位の担保がついた回収が難しい債権が多い。帳尻を合わせるために、中小企業向けの債権を強引に回収しているという実態についてはマスコミ各社が報道を行なっている。その一方で、一部の債権回収においては、回収できる債権を裏取引により放棄したとの疑惑を持たれたものもある。」とある。

中坊公平は現場主義を貫いたと本書に書かれていたが、債権回収の現場はそれこそ、戦場であったようだ。そこには、知略や合法・非合法すれすれの危うさもあるようだ。庶民は常に、「弱きを助け、強きをくじく」という正義の味方を待ち望んでいるのだが。

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:花の風韻

歌題=花の風韻:

■太ぶとと 山鳩啼けり 朝霧に こゑこもりゐて 霧晴るるまで 59 高橋 あぐり

耳をそばだて朝霧の中に啼く山鳩をとらえ、よどみない的確な歌調で詠んでいる。

2011年5月 7日 (土)

老人の寝言:余りにも余りにも唐突な美談の裏に何があるのか

2011/5/7
先日、引き出しの上段と下段の中身を入れ替えた。上段には赤、下段には黒ののし袋を入れていたのだが、近頃よく使うのは黒、赤はほとんど使っていない。別れも種々様々だ。最近も全く予期しない突然の別れがあった。ユッケを食べたことが原因と見られる腸管出血性大腸菌O(オー)111に感染して集団食中毒で死亡者が出た事件が発生した。楽しい食事の後に悲惨な結果が待っていた。誰も積極的に死にたいとは思わない。生肉を食べる(本人)・食べさせる(業者)には相当の注意が必要なようだ。当然食の安全を確保する行政の役割も重要だ。迅速な原因解明と再発防止対策が必要だろう。

昨日の天気:曇りの寒い天気であった。

TAVE= 14.8
TMAX= 18.1
TMIN= 12.1
DIFF= 6
WMAX= 2.7
SUNS= 0.1
RAIN= 0

老人の寝言:余りにも余りにも唐突な美談の裏に何があるのか

東日本大震災も発生以来2ヶ月になるのを控えて、地道で確実な対策の実行が必要な段階にさしかかっている。ここ数日、震災や原発事故をしり目に、集団食中毒のニュースが話題をさらった。そこに、降って湧いたように浜岡原発停止というニュースが走った。asahi.comは、「浜岡原発の全原子炉停止へ 首相の要請受け入れ(url=http://www.asahi.com/politics/update/0506/TKY201105060230.html;2011年5月7日3時10分)」というタイトルで、「菅直人首相は6日、東海地震の想定震源域である静岡県御前崎市にある中部電力の浜岡原子力発電所について、定期検査中の3号機や稼働中の4、5号機も含めてすべての原子炉を停止するよう中部電に要請した。中部電は受け入れる方向。停止期間は、中部電が2~3年後の完成を目指す防潮堤新設までとなる見通しだ。」と報じた。

この総理大臣の行動に対する判断は安易に評価すべきではないかもしれないが、余りにも唐突に感じる。地震、津波、原発事故で日本が、精神的にも経済的にも瀕死の状態になっている。それを救う任務をもつ最高指揮官が総理大臣ではないか。地震・津波等の天災や事故等の発生は確率事象でもある。全ての発生可能性に対して万全な対策をしたら、いくら金や時間をかけてもその対策は終わらないだろう。物事には順序がある。もぐらタタキで有限の時間を失ってはならない。何を最優先にするのか、それを最終的に決めるのが政治判断ではなかろうか。今回の総理の一つの行動に対して、何故今更というという何千何万もの疑問があらゆる方面から上がるのではないか。今となっては、地震、津波、原発事故という三重苦で瀕死の重体である日本を救う道筋を着けるのが総理大臣唯一の任務ではないのか。総理大臣の権力をおもちゃのように自分の延命や名声のために使っては歴史が泣くだろう。

asahi.comは、「首相は停止要請の理由に東海地震を挙げ、「30年以内にマグニチュード(M)8程度の地震が発生する可能性が87%という数字も示されている」と説明。」とも述べている。確率論的に表現に従えば、東海地震が今後1000年以内に発生する確率は99.9%程度の確実性はあるかもしれない。しかし、99.9%程度の確実性が大きいから即時停止という理由にならないのは自明である。要するに期間を限定すれば確率は変わる。同じ理由により、「今後3年以内にマグニチュード(M)8程度の地震が発生する可能性がX%」というならば、このX%は87%より小さくなるのが当然ではなかろうか。もし、今回の東北地方太平洋沖地震を教訓に、浜岡原子力発電所の耐震補強対策工事を行うために浜岡原発を一時停止させるのであれば、このX%を具体的な数値で示すべきでったのではないか。ここに最大の説明責任があると思う。総理大臣がオオカミ少年にならない事を願うばかりだ。統計で嘘をつく方法とかいう本があった思う。説明にも一貫性が必要だ。責任となることは他人に、手柄になることは自分にではどんなチームワークも機能しない。すべてが個人プレーで終わってしまう。

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:合わせ鏡

歌題=合わせ鏡:

■朝々を 髪梳く時の 長くなり 合わせ鏡に 薄き毛寄せ合う 29 狩野 輝子

分かっていても歌にできない事を見事に歌にしている。

2011年5月 6日 (金)

かみつけ女流歌人 雅:戦没者追悼式

2011/5/6
昨日はこどもの日。久しぶりに紅白の豆が入った赤飯が出てきた。残念だが、子供がいることを示す鯉のぼりはまれにしか見えない。隣組には子供がいない地区もある。少子化社会が忍び寄ってきている。昨日は肌寒い天気であったが、庭先で土いじり。屋根から雀の雛が餌をねだる声が聞こえてきた。一斉に鳴くので何か元気がでる。昔にかえったようなような気持になった。

昨日の天気

TAVE= 14.2
TMAX= 17.2
TMIN= 10.9
DIFF= 6.3
WMAX= 3.8
SUNS= 1.2
RAIN= 0

照緑ざっそう句:雀の子

■雀の子餌をねだれよ子の如く    

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:戦没者追悼式

歌題=戦没者追悼式:

■青春の 日のよみがえりて 聞く軍歌に 征きし友等の つぎつぎ浮ぶ 20 上田 時子

戦争当時の少女等の記憶は決して明るいものでは無かったと教えている歌。

2011年5月 5日 (木)

読みかじりの記:「良い指揮官 良くない指揮官」(吉田俊雄著、光人社NF文庫 1999年)

2011/4/5
苗床の小さな雑草を手で除去している。かなり前からツバメの鳴く声を聞いているのだが、まだその姿を見ていない。しばらくぶりに東京電力のホームページを開いてみると、かなり原発事故の写真が公開されている。原発建屋の爆発の凄さが鮮明に撮影されていた。撮影時点でこれらの映像が公開されていれば、避難の理由も一目瞭然であろう。これを今まで隠してきたのだから、何を今更という感じもする。隠し通せない現実がある。その現実が当局の不誠実さを証明している。

昨日の天気

TAVE= 17.5
TMAX= 24.3
TMIN= 11.5
DIFF= 12.8
WMAX= 7
SUNS= 10.2
RAIN= 0.5

読みかじりの記:「良い指揮官 良くない指揮官」(吉田俊雄著、光人社NF文庫 1999年)

東日本大震災への当局の対応がはかばかしくないのを気にしつつ書店で本探しをしていた時に出会った一冊であった。著者吉田俊雄氏は元大本営海軍参謀と表紙に記されていた。表題のキャッチフレーズには「14人の海軍トップを斬る!」とある。著者は明治42年佐世保生まれ。海軍兵学校に入り、生粋の海軍軍人で、終戦時は大佐であったと経歴が内表紙に記されている。単行本は平成8年に出版されている。著者も後期高齢者と言おうか、人生の四住期の遊行期に入って書かれた本ではないかと思った。海軍に所属してその上官である指揮者を評価する事は非常な困難を伴うだろう。しかし、その困難があっても、この年齢となり自分でなければそんな仕事はできまいという責任感がこの本の出版の動機ではなかったかと推測させる。後世に書き残した貴重な一冊という意識もあったのではないか。執筆の動機と結論は序章と終章に要約されていると思う。序章で指揮官の職務は「むごい職務」であると述べている。「要するに、指揮官は、下級者の上にいて、「指図」をしなければならぬ職務である。だから、前提として、いつも、「もっとも正しい判断」をしなければならない。その点からすれば、もっとも正しい判断ができ、「目的を達成すること」の出来る指揮官が「良い指揮官」であり、それができない指揮官は、「良くない指揮官」ということになる。」と書かれている。目的を達成するためのあらゆる要素が評価の対象になりそこにむごさの本質があるようだ。著者は「心の問題」という節で昭和2年から軍学校のカリキュラムが変わり、「精神科学が加わり、論理学、心理学、哲学、倫理学、軍隊教育学、統率学を勉強した。」と記している。残念だが、これらの人材育成を受けた軍人が軍の要職に着ける年齢に達しない内に日本は敗戦に至ってしまった。軍も国家も企業も詰まるところその組織は人材の優劣で勝負が決まるのではないか。そこには科学的な組織論も必要になる。しかし、あまり組織が完全になりすぎると人材の活力がそがれてしまう。日本はどんな状況にあるのか。時代で言えば戦国時代のような混沌とした時代を抜け出せていないように感じてしまう。著者が掲げた評価の基準は、
(1)目的達成度:満足度
(2)コスト:失ったもの、所用兵力、所要時間、味方被害
(3)手際:リーダーシップ、情の統率、時代認識など
(4)成果:獲たもの
(5)心の問題:自分の仕事に普遍的意義、価値を見いだし育てているかどうか
である。この評価基準はかなり近代的な基準に見える。
文庫版のあとがきではJCOの臨界事故、談合問題等当時の世相にさらりと触れている。自分がこの本を手にしたのは、国難に直面したときの指導力の問題についてなにか参考になる手がかりはないかとおもったからである。東日本大震災は国難だと大合唱になっているが、一向に事態は改善していないようにもみえる。もはや、信頼のできない一部の自称リーダーに頼っている時代は過ぎたのかもしれない。意識しているか否かは定かではないが、被災民も国民も自分が自分自身のリーダーであるという感覚がありそれが成長しているから、日本は崩壊せずに耐えているのではないか。東日本大震災の初動に関して、上からの号令が届かなくても現場は少ない情報を頼りにできるだけの事をしてきたのではないか。それだけに、迅速的確な情報が欠けていたことの問題点は今後厳密に検証される必要があるのでなかろうか。それは、国、自治体、企業等々の組織に共通することであろう。ともかく、軍という組織はその目的が明快である。軍と他の組織の相違を見ることも参考になると思う。

追記:「吉田俊雄」:『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(http://ja.wikipedia.org/;最終更新 2011年3月23日 (水) 11:35 )によると「戦後は防衛庁事務官、小松製作所勤務のほか、旧日本海軍に関して数々の著作を残す。長寿を保ち晩年まで健筆を誇ったが、100歳を目前にして2006年に死去。享年97。
その著作は軍令部に長く勤務し、永野らの側近に仕えた吉田ならではの着眼と達意の文章で広く親しまれた。」とある。
遊行期云々と書いたが、長寿で多数の著作を残している事が分かった。なお、WIKIPEDIAの記事には「良い指揮官 良くない指揮官」という本は記載されていなかった。

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:姑逝く

歌題=姑逝く:

■朝なさな 鳩のくぐもる 声に覚め 姑に呼ばるる 思いしじなり 19 稲葉 明子

近しい人が死んだ時、誰しも、何事につけてもまだ生きているような思いがする。

2011年5月 4日 (水)

かみつけ女流歌人 雅:泡沫(うたかた)の

2011/5/4
5月3日は晴れの特異日と思っていたが、WIKIPEDIAの記事ではそれに該当していなかった。天気予報では夕方から雨とあり、天気予報の方が当たった。それでも、予定の行事は無事終了。ポポーの花が咲き出した。初めて見る花だ。下向きに咲いているので花弁の中が見えない。花が咲くのと芽が伸びるのが一緒である。WEB情報では、確実に実をならせるには人工受粉させれば良いとの事。今年は花を楽しむだけで良いのかも。写真は04/30/2011 (土)のもの。
Popoo_f

節電で思い付いたこと。蛍光灯の常夜灯ナツメ球(定格5W)を同じ形状のLEDランプ(定格0.5W)に1個だけ変更している。ナツメ球は二個で105円。LEDランプは@298円。LEDは1個のもの。3個のものもあった。明るく値段はやや高い。価格はナツメ球の約5.7倍だが、節電より電球交換の省力化を期待している。LED1個の物を選んだ理由は、LED3個のものはLEDを直列に接続していると故障の確率が高くなるのではないかという点にもあった。実験的に使用してみたいという気持もある。常夜灯としてぎりぎりの明るさだが、万一の時の行動の安心安全の確保のために常夜灯は心強い。一層のこと、停電の時点灯する電灯も欲しいが、このような市販品は無いようで見かけていない。問題は充電池の信頼性・寿命にあると思う。もう一つがセンサーライト。屋外用を室内の廊下の暗い部分に設置している。多分これは待機電力を消費していると思うが、電灯の消し忘れ、省電力化で有効だと思う。

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:泡沫(うたかた)の

歌題=泡沫(うたかた)の:

■無知ゆえに 泡沫の恋に 命かけ 悲しき涙 流せり若き日 11 飯田 三子

若い時に盲目の恋に走っても、今ではそれはそれで良かったのだと言外で詠っているようだ。

2011年5月 3日 (火)

技術 回顧と展望:パソコンやテレビの待機電力はどこまで下げられるか

2011/5/3
昨日はやや強い風が吹いた。東北地方はかなりの強風だったようだ。灌水のため水道の蛇口にホースを付けた。安いジョーロを使っているので1~2年で壊れてしまう。プラスティック製品は紫外線が当たると早く劣化してもろくなってしまう。何か良い方法はないか。

昨晩、米国がアルカイダ指導者のビンラディンを殺害したとのニュースが走った。なぜ逮捕して裁判にかけないのかとふと思った。ナチスのアドルフ・アイヒマン(WIKIPEDIA:url=http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%89%E3%83%AB%E3%83%95%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%92%E3%83%9E%E3%83%B3#.E3.82.A2.E3.82.A4.E3.83.92.E3.83.9E.E3.83.B3.E8.A3.81.E5.88.A4)の裁判の事を思い出した。米国は人権を最大の外交ツールとして使っている。人命は神聖にして犯すべからずというのが人権思想の公理ではないか。その公理の適用の除外として裁判が行われるのではないか。いくら極悪非道の人物でも自己の弁明をゆるすべきであるというのが人権のもう一つの側面ではないか。米国大統領は迫り来る大統領選挙に目が眩んだのか。今後世界はどのように動くのか。世界が不安定になる先駆けにならない事を望む以外にない。

昨日の天気
(最大瞬間風速(m/s):15.9(北北西) 13:07 )
最大瞬間風速は目安として平均風速の2倍程度のようだ。

TAVE= 18.2
TMAX= 21.9
TMIN= 13.4
DIFF= 8.5
WMAX= 7.9
SUNS= 7.4
RAIN= 0

技術 回顧と展望:パソコンやテレビの待機電力はどこまで下げられるか

電力供給量と電気料の上昇に懸念がある。現在使用中のデスクトップパソコンの消費電力を調べると以下のようであった。

動作状態での最大:約50W
動作状態での最小(内蔵FDD/HDDのモータが「オフ」の状態):30W 以下
電源オフ時(、電源スイッチを切った状態):約2.5W

パソコンの動作状態では大体平均で30W程度と推定できる。モーター類が動作すると消費電力が上昇する。ここで、HDDのモータが「オフ」の状態とは一種のスリープ状態も含んでいるのかもしれない。電子機器は起動を早めたり、ソフトスタートさせるためにスタンバイ状態を作っている場合が多い。特にマイコンを使用した電子機器ではその傾向が大きいのではないか。上記の電源オフ時の約2.5Wがこれに相当するのかもしれない。トランジスタは真空管にない動作の立ち上がりの速さが自慢であった。しかし、かつての真空管カラーテレビは、動作が始まるまで、時間がかかった。この立ち上がり時間を減らすため、ヒーターを予熱しておく方式をとった。ちょっとのイライラを解消する裏側で無駄な電力を使っていた。

マイコン内蔵の電子機器の場合は少し事情が異なるだろう。セットに最初に電源を投入する時と電子機器を利用するときに押すスイッチが別に機能する場合が多い。電子機器をリモコン動作させるためには常時動作させておく回路が必要なのではないか。即ち、マイコンを動作させるために何らかの回路を動作状態に置いている。コンセントが給電ラインに接続されていると、電子機器を使用していなくても待機電力を使用している。これは、マイコンで利便性を向上させた見返りの負担ともとれるが、電子機器メーカーも電力会社もこのグレーゾーンの存在を明確に説明してきていないと思う。

最近では、メモリー等の半導体製品の消費電力が小さくなり、待機電力も小さくなっていると思うが、この待機電力は古い製品ほど大きい傾向があると思う。インターネット接続に使うMODEM等も製造時期により消費電力は違っていると思う。多分パソコンの電源はATX仕様になってからソフト起動が可能になったものと思う。ともかく、待機電力を消費している機器はたくさんある。パソコン周辺機器は一括して外部スイッチを付けて節電をしたい。

計画停電の時は、AC電源が一度切れた状態になるので、我が家のビデオも最初の設定画面が出てきてとまどった。節電のためには、コンセントからプラグを抜いて電源を入れ直す必要がある電子機器がまだ多数あると思う。ともかく、常時待機電力を消費している機器の消費電力総量も非常に大きいのではないか。しかし、その種明かしは本格的にされていないようだ。常時待機電力を消費している機器等に関しては、業界で統一的に消費電力を低減する努力が必要なのではないか。

追記:パソコンの消費電力低減に関しては米国の団体が規格制定を推進して来たとおもう。東京電力福島原発事故を受けて、電力使用の削減、電力効率的な利用が国家的課題となったと思う。それを単に民間に任せるだけでは事態は改善せずに、節電意識もやがてなまってしまうだろう。
国は日本の環境技術は売り物になると自画自賛しているがそれだけでは世界をリードできない。世界に通用するハードとソフトを含む節電システムを世界に先駆けて実現した時のみ世界をリードできる。ISO並の節電に関する日本発の世界標準を提案するという意気込みで頑張って欲しい。

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:花の寺

歌題=花の寺:

■青磁の壺に 山吹活くる たまゆらを ひそけき部屋に 亡夫の声聞く 22 江原 フミ

鎌倉の花の寺の歌の後段に添えられた一首で、この一首に重心がある。

2011年5月 2日 (月)

かみつけ女流歌人 雅:木漏れ日

2011/5/2
藤の花が咲き出した。今年は1株だけ。樹高は1m前後に抑えている。蔓の手入れが大変でついつい蔓を切り捨ててしまったのが、今年咲かない原因かもしれない。不意の用事で外出。帰路、古本屋に寄るが、探していた本は見つからず。思わず手を出した本にどこかで会ったような記憶のある人名を発見してしまった。サラリーマンは自腹で買った専門書も仕事が変われば無用になってしまう。こんな場所で出会うなんてなんという偶然か。昨日はメーデー。上毛新聞の2面に小さな記事があっただけ。かつては労働者の祭典と言うことで盛り上がった時期があった。行楽のためか車は多かった。スイスイ追い抜かれ、時には危険を感じる時もある。高齢者マークを貼りたい気分になった。

昨日の天気

TAVE= 17.1
TMAX= 22.5
TMIN= 13.2
DIFF= 9.3
WMAX= 4.1
SUNS= 0.7
RAIN= 0.5

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:木漏れ日

歌題=木漏れ日:

■忍冬の 花の秘めもつ 甘き香の 路過ぎてより 赭(あか)き造成区 4 朝岡 雪子

都市開発で風景が一変する新旧の対立を情感豊に詠いきった。

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  • 橋本 英文: 刃物雑学事典 図解・刃物のすべて(1986年 株式会社 講談社 ブルーバックス B-659)
    刃物という視点で多くの事例が取り上げられている。刃のある道具の理解にも役立つ。類書が少なく貴重な一冊。「すべり変形が切断の原理」という考え方で説明している。
  • 沼田 真   : 植物たちの生( 1972年 岩波新書(青版 833))
    「ご要望にお応えしてアンコール復刊(1988年岩波新書50年記念復刊) 地球生態系の中で自然を見直す」(腰巻きのフレーズ)。植物の知恵と戦略に人類は勝てるのか。
  • 出町 誠: 14_NHK趣味の園芸:よく分かる栽培12ヶ月  カキ(NHK出版2007年)
    初心者向け柿栽培参考書(新版)。旧版と比較すると楽しい。
  • 中村三夫: 13_NHK趣味の園芸:作業12ヶ月  カキ(NHK出版1996年)
    初心者向け柿栽培参考書(旧版)。新版と比較すると楽しい。
  • 山科正平: 12_細胞を読む   電子顕微鏡で見る生命の姿
    細胞はどんな部品からできているのか。そんな疑問に答えてくれる一冊。何事も形を見るのが第一歩。μからÅオーダーの世界で、細胞をメスで解剖するように、電子顕微鏡というメスで解剖して見せてくれるので興味が尽きない。
  • 柳田充弘: 11_細胞から生命が見える
    著者の専門は分子生物学、細胞生物学。普段生物を考えても細胞レベルで止まってしまう。その細胞の中で色々な分子が働いている。細胞こそ生命の基礎だが、その細胞の中の動きを知るのに最適な一冊。疑問の発端はなぜ発根剤が効くのかということ。薬剤が細胞膜を通過して細胞内で分子と分子が作用するイメージができた。本書でできた細胞のイメージは小さな無数の穴が空いた水分が充満したヨーヨーのようなもの。そのヨーヨーの中に分子部品が詰まっている。細胞自体もタライの中のヨーヨーのように浮かんでいる。細胞図面の空白部は真空でなく水分だ。細胞の内外に水がないと細胞は生きられない。水が生命のゆりかごだ!
  • 野口悠紀雄: 10_ホームページにオフィスを作る(2001年 光文社)
    ITが輝いた時代の作品。HPの活用法は参考になる。参考:url=http://www.noguchi.co.jp/(野口悠紀雄 ONLINE)
  • 小池洋男 編著: 09_果樹の接ぎ木・さし木・とり木(農文協:2007/3/31第1刷)
    やや専門的であるが、実務専門化が分担執筆しており、その場で役に立つ一冊。
  • ノーバート・ウィーナー(鎮目恭夫訳): 08_サイバネティックスはいかにして生まれたか(みすず書房1956)
    情報と通信という現代社会に不可欠の基礎的な学問を作った著者の自伝とそれを通した科学史
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