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2011年5月

2011年5月21日 (土)

老人の寝言:日本の名門企業がオオカミ少年であっては泣くに泣けない

2011/5/21
昨日の気温は30℃以上と真夏の暑さ。夏の電力不足が心配だ。野菜苗を植えた。灌水は夕方になってから。サツマの蔓は水挿しで発根してから植える予定。東京電力の決算と役員人事が発表となった。平成22年度の損失は1兆2,473億円。原発事故の損害賠償は含まれていないようだ。

一方、人事では(2)退任予定者
     清水 正孝 (取締役社長福島原子力被災者支援対策本部長)
     藤原万喜夫 (取締役副社長販売営業本部長)
     武藤  栄 (取締役副社長原子力・立地本部長)
     森田富治郎 (取締役)
とホームページに掲載されていた。武藤氏は東大卒の原子力が専門の技術系役員らしい。この人事はどういう意味をもつのか。居残った会長に火の粉が飛ぶのを率先して除洗したようにも見える。新任取締役社長は西澤 俊夫(常務取締役)とあった。平成20年4月30日東京電力発表資料によると西澤氏は京大卒で企画畑の人のようだ。東京電力を崩壊させようとしている旧経営層の大半が居残り、株主総会までしか見通していない日和見人事にみえる。これでは経営再建の絵が描けないのではないか。まさに、経営危機の最中で、経営判断に一刻の猶予もない緊急事態なのだが。

昨日の天気

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老人の寝言:日本の名門企業がオオカミ少年であっては泣くに泣けない

スポニチは、「東電また隠ぺい…2号機ベント2度失敗していた ;url=http://www.sponichi.co.jp/society/news/2011/05/19/kiji/K20110519000846960.html([ 2011年5月19日 06:00 ]))」というタイトルで、「福島第1原発事故で2号機の原子炉格納容器の圧力が上昇した際、東京電力が内部の蒸気を外部へ放出して圧力を下げる「ベント」作業を事故発生直後に2回試みたが、失敗していたことが18日分かった。また、内閣官房参与で劇作家の平田オリザ氏(48)が、放射性物質を含む比較的低濃度の汚染水を海に放出した理由は「米国からの強い要請」と“暴露”した。」と報じた。東京電力のWEBサイトには政府に提出した記録が掲載されている。これを丹念に読み解けば東京電力が発信した情報と事実の相関が明らかになる。もはや、証拠資料を出した以上嘘は通せないと言うことでこのような発表になったのか。上記きじは、「東電が公表した原発の運転データに関する資料にも圧力が低下しなかったことが記録されている。資料で東電はベントされたかどうかは不明と断定を避けているが、東電関係者は2回とも失敗と判断していると明かした。」とも述べている。このような、上下二層に色彩の違う情報が流れると一般人はどちらの情報が正しいか迷う。会社は本当の事を言わず、本当の事は関係者が言うというような事では会社自体が信用を失う。トヨタ自動車も信頼性という経営危機に直面したが、トヨタと東電の差はどこにあるのか。トヨタは社長直々に訪米し自社の対応を説明し、社長がリーダーシップを示す事により世界の正しい評価を勝ち取った。訴訟社会で、世論が強いアメリカでそれを成し遂げたのである。トヨタは損害賠償で一時的には巨額の負担を迫られるが、トヨタが示した対応は、それ以上に金額では評価できない大きな資産になるのではなかろうか。トヨタは自己責任云々と言う前に自ら責任を明らかにしたのである。トヨタには、やはり企業体として蓄積されてきたDNAが今でも生きているのではないか。その点東京電力はどうなのであろう。損害賠償も国への脅しやたかりの体質が見え隠れしている。経済界総理を出したトヨタが築いた世界的信用は日本への信用でもあろう。それを食いつぶしてはならない。東電は先ずDNAから除洗する必要があるのではないか。

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:冬至の夕べ

歌題=冬至の夕べ:

■柚の実を 風呂に浮かせて 浸るとき 遠き日偲ぶ 冬至の夕べ 49 島田 久子

冬至のありふれた光景のようだが、柚風呂に入り幼い頃を偲べるのは最高の贅沢だろう。

2011年5月20日 (金)

老人の寝言:福島原発事故をコップの中の日本から世界の中の日本として情報発信せよ

2011/5/20
昨日は夏のような暑さ。用事のついでにホームセンターにより野菜の苗探し。苗半作という言葉は農業の実習校で学んだ。良い苗が出来れば作物の半分は出来たに等しいということのようだ。近所のおばさんに、まだ苗は売っているよと言われて行ったくらいなので、もう良い苗は少なかった。ひょろひょろの苗を数種。今年は中玉トマトの苗も買った。収穫の手間を省きたいので試してみる。サツマのつるは10本だけ。大量に収穫しても例年冬に腐らせていた。

YOMIURI ONLINEは、「東電格付け、7段階以上引き下げの可能性も;url=http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20110520-OYT1T00078.htm?from=top((2011年5月19日21時20分  読売新聞)))」というタイトルで、「格付け会社ムーディーズ・ジャパンは19日、記者説明会を開き、金融機関が東京電力向けの融資の債権放棄をした場合、現在「Baa3」となっている東電の長期格付けを7段階以上引き下げる可能性があることを明らかにした。」と報じた。同じく別記事で、「東電社長に築舘氏…赤字1・5兆、清水氏引責
;url=http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20110520-OYT1T00078.htm?from=top((2011年5月20日03時04分  読売新聞)))」というタイトルで、「原発事故の当面の対策費や福島第一原発1~4号機の廃炉費用などで1兆円超の特別損失を計上することが確実となったためだ。原発事故の責任を取って清水正孝社長(66)が辞任し、後任に築舘勝利常任監査役(69)を充てる人事も固めた。勝俣恒久会長(71)は原発事故が収束するまで当面、会長職を続ける。」と報じた。

格付け会社が、今後の格付けに関して、このような記者説明会を開くのは異例ではないかと思う。自由主義経済は自己責任の上に成り立つ。その原点をしめす意味もあるのだろう。債権放棄や公的資金の注入も当然法令や原理原則が優先すべき事であろう。法令も原理原則も、透明性を確保するための知恵である。そこに政治が介入して法令や原理原則をねじ曲げるようでは日本の政治の透明性にも傷が付く。東京電力は先ず、経営責任を明確にする必要がある。現社長が責任をとって辞任し、会長が居座るとは、トカゲの尻尾切りに過ぎず院政が罷り通っている事を公然と示すだけで、経営刷新の姿は全く見えない。経営の自己復興能力が無いこと自体が最大の経営危機ではないか。

昨日の天気

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老人の寝言:福島原発事故をコップの中の日本から世界の中の日本として情報発信せよ

インターネットへ入る玄関は色々だろう。自分は「検索デスク」を良く使用する。そのニュースのページ(url=http://www.searchdesk.com/news.htm)を開くと英語ニュースへのリンクがあった。たまたま開いたのが、NYTimes。そこに「Words and phrases most frequently searched by NYTimes.com readers.」という項目(url=http://www.nytimes.com/gst/mostsearched.html?period=30)があり、この30日の間に検索されて日本関係のキーワードを探すと、以下の「1. japan」と「22. fukushima」が上位50項目にリストアップされていた。日本がアメリカのランキングでトップになる事は極めて少ない事であろう。そして読者の関心が、日本の地震、津波、原発事故であった事も明らかになる。これだけ、関心が集まっていたのに、適時適正な情報が開示されなかった事に、外国からもいらだちの声が上がっていた。やはり、当局は世界の中の日本という立場を常に意識して情報発信をすべきではないか。「fukushima」の関連キーワードの中には、「fukushima daiichi nuclear plant」、「fukushima workers」、「fukushima level 7 」というキーワードがあり、福島原発事故をもっと知りたいという読者の気持ちが読みとれる。「fukushima workers」というキーワードには福島原発事故現場で作業をしている作業員への共感も感じる。日本は福島原発事故現場で作業をしている作業員の姿を世界にどれだけ発信したのだろうか。

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尚、2011/5/19時点の検索:
Google(英語)検索:fukushima workers(About 10,900,000 results)。
Google(日本語)検索:福島作業員(約 7,080,000 件)。
Google(日本語)検索:福島原発作業員(約 4,950,000 件)。
Google(日本語)検索:福島原発労働者(約 1,650,000 件)。

英語でworkersと言えば日本語では労働者という事になるだろうが、「fukushima workers」と「福島原発労働者」のヒット数に5倍以上の差がある。

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:淡き昼月

歌題=淡き昼月:

■家事か短歌か 優先順位を 問はれゐて まこと農婦の 我の戸惑い 26 岡田 徳江

生活の中で歌を詠める事は、ともあれ心の豊かさを実証している。

2011年5月19日 (木)

技術 回顧と展望:新しいエネルギー政策は新しいコンセプトで取り組め

2011/5/19
昨日は適度のかぜがあり、みどりのそよかぜ~を感じる好天であった。道路脇の生け垣と公共スペースの草刈をした。その刈りゴミは定植したミカン樹のマルチ材に利用した。ゴミも資材と考えるともう少し余計あればと欲が出る。使用したのはタナカの刈払機(ここに、その記事を以下に書いてあった。:http://af06.kazelog.jp/itoshikimono/2010/09/post-b0c1.html)。タナカは定評がある小型エンジンの技術を持っていたとの事だ。しばらくぶりでエンジンをかけたが、一発スターターを引いただけでかかったので気持が良かった。

昨日の天気

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朝日新聞は、「発送電分離、首相が検討意向 保安院分離も言及;url=http://www.asahi.com/politics/update/0518/TKY201105180464.html(2011年5月18日20時59分))」というタイトルで、「菅直人首相は18日、首相官邸で記者会見し、昨年6月に策定した政府のエネルギー基本計画を見直す中で、電力会社から送電部門を切り離す発送電分離を検討すべきだとの考えを示した。また、原子力行政の見直しに言及し、具体的な課題として経済産業省から原子力安全・保安院を分離することを挙げた。」と報じた。この朝日の記事は本日の「技術 回顧と展望」で書いた事に関係するので興味を持って読んだ。しかし、どうもその場しのぎの人気取りの放言に終わってしまいそうに聞こえてしまう。物事には5W1Hという条件が伴う。東日本大震災の地震、津波、原発事故の事後処理という喫緊の政策課題の解決が山場を越えて、政権が信任されてから言い出したらいかがか。

技術 回顧と展望:新しいエネルギー政策は新しいコンセプトで取り組め

計画停電は3月中から3月末までの約2週間実施された。その大義名分は大規模な停電による社会の混乱を防止することであったように見えるが、自分としては東京電力福島第一原子力発電所の原子炉事故から世間の目をそらすために強行されたようにも思われてしかたがない。要するに、計画停電をする必然性を証明するデータはその当時国民に目の通る形では公表されていないのである。また、計画停電を実施せずともこの夏場は乗り切れそうだという現状もある。結果から見ても、東京電力は社会に原発事故で社会に大混乱を起こしただけでなく、その顧客にも計画停電で大混乱を起こしたという二重の責任を負わなければならないのだと思う。電力供給が危機的状態になるという正確な情報が適時開示されれば、それに対応するだけの能力は国民にある事が、今回の計画停電でも実証されたと思う。問題は、安定な電力供給を唯一の任務とすべき東京電力が、自分が起こした原発事故をしり目に、自分が支配している電源スイッチを勝手に使い給電を断ってしまったという法治国家にあってはならない事をしてしまった事である。電気供給約款に完全に違反した行為であった。電気供給約款では給電を停止する時はそれを十分周知しなければならないと規定しているのである。浜岡原発の停止が決定して、日本の電力事情も激変しつつある。電力の安定供給はその生産と消費の整合にある。いわば余っている電力を不足している地域に融通することで、蓄えることができない電力を有効に使うことができる。ところが、東日本が50ヘルツ、西日本が60ヘルツと周波数が二分している事が電力の融通を妨げている。周波数が異なると使えない電気製品を作り分けするという産業上の無駄も生じている。これは、日本の電力技術が未発展であった時代の技術導入の先見性の無さを示す負の遺産でもある。政府も電力会社も、国家の基本的な問題ではあるが、電力周波数問題には積極的には手をつけようとしていない。しかし、クールビズというような浮かれた対策より日本のエネルギー政策の根幹にある問題がこの電力融通の問題ではないか。縦に長い日本はそれに応じた気候・気温の変動をする。この変動も電力供給に生かす事が可能だろう。綿密な電力融通体制が整えば発電設備の利用効率も向上し、大規模な天変地異による一部の地域の発電停止の場合でも電力を確保できる危機管理システムとしても機能する。電力事業の地域独占から発電と給電に会社を分割して各事業分野への第三者事業者の参入を認めるような大改革が必要な時期になってきたと考えられる。その第一歩が東西地域の電力の融通ではないか。すでに超伝導リニア新幹線も実用間近である。エネルギー政策を見直すのなら、電力損失の少ない超伝導送配電システム等夢のある事業も進めて貰いたい。

ざっそう句:雑草と共生

祖母が常々、百姓は次の仕事が見えないようではだめだと小言を言っていたのを思い出す。草退治はその気になれば無限にある仕事だ。雑草の無い田畑は農家の誇りでもあった。また、母の草かきの歌を思い出す。

■若き日は 跣足のままに 桑園を 駆け巡るごと 草削りにき

稲も、田の草取りと言って、たんぼの中に四つ這いになって害草を除去する仕事があった。その後は八反取りとか手押し水中車のような器具を使った仕事がそれに代わった。子供の頃は手作業と八反取りを手伝った記憶がある。その後は除草剤の使用に変わってきたと思う。退職後は雑草対策に悩んでいる。しかし、それだけでは精神衛生に良くない。一方では、トラクターで雑草をうなえば良いと忠言してくれる人も多い。雑草対策だけでトラクターを使うのも割り切れない。結局、雑草とは征服すべき敵ではなく支障のない範囲で共生しなければならないのではないかと思っているのが今の心境だ。かつて作った以下の句はそんな揺れる気分を反映しているようだ。

■雑草に追われて伸びる無精ヒゲ
■雑草も育てる慈雨に泣き笑い
■雑草よ一年たったらまた伸びよ

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:「糸尻」より

歌題=「糸尻」より:

■川底まで 透きて流るる この水の どの辺りにて 濁りそむるか 69 田村 朝子

澄んだ水と濁った水を対比して、川の水が流れ行く先までも想像しようとする視点の斬新さを感じる。

2011年5月18日 (水)

老人の寝言:出番無きマニュアルでも出番が必要になる時がある

2011/5/18
昨日はXPパソコンにADBE ACROBAT READER 9.4.0をインストールした。ようやく東京電力サイトのPDF文書が読めるようになった。セキュリティがガチガチと強固に設定されていて、テキストの抽出も不可能な設定となっていた。仕方なく出す文書だ。読ませてやるが、再利用はさせないぞと言っているように感じてしまう。会社の契約交渉の場面では機密保持の確保等からワードやPDFでセキュリティ設定を使用したことがあるが、不特定多数が読むことを想定する文書でそこまでのセキュリティ設定が必要なのか。ともかく、白紙のパソコンを現用機と同じレベルにチューニングするのも大変だが、予備機が動くようになったので安心ではある。

今朝、机上の電波時計にEのマークが出ていた。NICT:独立行政法人 情報通信研究機構のホームページの標準電波の項目に以下の通りでていた。停波に関しては何度か苦言を呈したが、昔JJYの電波を受信機の目盛り確認に使った事を思い出した。電波の灯台のようで今でもJJYはなつかしく感じる。昔は郵政省電波研究所?の管轄だったのだろか。現在は独立行政法人 情報通信研究機構が管轄しているようだ。この組織名が直ぐに思い出せない。ホームページ訪問のついでに覗くと、標準時刻を知らせるサーバーも運用していた。パソコンのクロックの標準時刻とのずれを表示してくれる。数分の遅れがあったので修正した。灯台守のような地味な仕事は大変と思うが、電波時計の正確さという安心を提供してくれている。原発事故警戒区域内の業務を黙々と遂行されている事に改めて感謝したい。
40kHz標準電波
正常送信中
天候等により停波となることがあります
更新: 2011/05/17 09:09:17 JST

昨日の天気

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福島原発事故以来2ヶ月以上過ぎて開示資料も多くなっている。東京電力は工程表第二版を発表したがどの程度の実現性があるのか理解できない。単なる努力目標に過ぎないようにも見える。初版工程表は楽観的な時間稼ぎのような位置付けで、その裏で検討していた対策が工程表第二版のようにも見える。工程表第二版の発表前に、メルトダウンが発表になった。そのメルトダウンが工程表第二版に反映されているのか疑問だ。従って、第二版が本命のように見えるが、これも実現性という観点からは楽観・期待感を持たせて時間稼ぎをするのが目的のように見えてしまう。海外の格付け機関が東京電力の評価を下げているのはそのような状況を反映しているかのようだ。情報操作だけで、物事をうまく運べればそれに越したことはない。しかし、信頼に値する情報を出し、その情報と合致した行動を示さない限り信頼は得られない。企業の社会的な責任、その最低限のコンプライアンスも問われている。工程表第二版には、大量に存在する高濃度放射能汚染水の処理をどうするかという点だけでも具体的な工程が見えない。全ての原子炉のメルトダウンが現実性を帯びている事すら工程表第二版には反映されていないのではないか。メルトダウンが全ての炉で起こっていれば、高放射能状態での作業を迫られ、かつ同時に3兎も4兎も追わねばならなくなる。結局工程表第二版は政府の工程表に寄り切られた拙速の内容で終わる懸念も無くはないだろう。工程表第三版の頃は、政府も東電も役者が変わっているかも知れない。それからが本番なのだろうか。

老人の寝言:出番無きマニュアルでも出番が必要になる時がある

東京電力の福島第一原子力発電所の原発事故に関して、東京電力はどんなマニュアルを作成して、どんな対策をして、どんな訓練をしていたか気になった。もしマニュアルがあって、マニュアル通り事が進んでいれば原発事故は避けられたのではないか。マニュアル通りに出来ない外部的な介入があったのか。こういう点も検証の課題だ。WEBで拙速に調べると、原発事故避難マニュアルのような被害者側のマニュアルはあるようだが、いわば加害者側になりうる側のマニュアルはなさそうであった。残念ながら原発事故に関しては、原発運転者側の作成マニュアルはどんな内容か不明のままだ。当然、全部公開すれば機密事項も開示することになり不都合も生じるだろう。しかし、原発事故の再発防止をするためにはマニュアルの見直し等は絶対必要だろう。東京電力でも不祥事が発覚した事を契機に柏崎刈羽原子力発電所ではISO9001の認証取得はしているようだ。その教訓は生かせなかったのか。原発事故の検証自体が先ず必要だが、マニュアルで実行可能な形にまとめて、常に定期的なレビューや訓練を実施する事が重要だろう。

東亜日報は、「元日本原子力委員長「原子炉の電力供給が断たれても、自然冷却可能な設計を」 url=http://japan.donga.com/srv/service.php3?biid=2011042139708APRIL 21, 2011 07:01 ))」というタイトルで、「――事故対処のマニュアルは効果があったのか。」という質問に対して、

「日本はマニュアルが発達しているが、津波のような事態は予測できなかった。しかも、日本のマニュアルは、事後対処よりも事故防止に重点を置いている。今後、地震以上の状況を仮定したマニュアルを開発しなければならない。さらに、マニュアルにない状況が発生した時、迅速で合理的な決定を下すことができるリーダーシップも必要だ。リーダーシップを持った人材を育成し、教育しなければならない 」と元日本原子力委員長へのインタビュー記事を報じた(本文の一部)。

東京電力福島第一原子力発電所の事故による放射能物質の拡散に関して、なにかもやもやした疑問が消えない。当初、当局の説明は、原子炉は五つの壁に守られているという事で、原発事故は津波による電源の喪失が主たる原因としていた。地震の震動に対しては原子炉は安全だったという論理がその裏にある。しかし、地震直後に既に原子炉建屋の放射能は危険なほど高く、作業員はすぐに退却したとの情報もどこかで読んだ。今回公表された東京電力の資料を読むとベントの前に高濃度の放射能があった事が分かる。原子炉の五重の壁の幾つかは地震の震動で破られていたのではないか。メルトダウンが起こったと報じられた東京電力福島第一原子力発電所の第1号機は既に運転40年を迎えたいた。信頼性工学の基本原理の部分には全ての物質は劣化するという自然の法則が横たわっている。そうして、巨大な構築物でも金属疲労のような微少な劣化が常に進んでいる。最終的にはそのシステムの一番弱いところからシステムが崩壊に至る。それは集積回路の開発という仕事を通しても実感した。原子炉もそれを構造物としてみると経年劣化を逃れることはできないだろう。

それを示す文書(46ページ)があった。原子力安全保安院が作成した「東京電力() 福島第一原子力発電所1号炉高経年化技術評価書等に係る審査結果について「url=http://www.pref.fukushima.jp/nuclear/info/pdf_files/110225-2.pdf」」である。その中で、「高経年化対策に関する基本的な考え方について」として「プラントの一定の安全水準を確保するため、長期供用に伴う経年劣化の特徴を把握して、これに対応した適切な保守管理を行うことが重要。」と述べている。そして、「高経年化技術評価」として、「運転開始後30年に至る前に、プラントの機器・構造物の健全
性について評価を行い、この評価に基づき長期保守管理方針(現状の保全に追加すべき、今後10年間の保全策)を策定する。30年以降も10年ごとに健全性評価等を同様に実施する。」と述べている。

この文書が時も時、東北地方太平洋沖地震が発生する直前の2月に作成されていたのである。原発事故直後の記者会見等で、原子力安全保安院は原子炉の「健全性」を連発していた。水素爆発に関しても何らかの原因で水素が発生して空中の酸素と反応して起こったという程度の説明に終始していたと記憶している。圧力容器も格納容器も発生した水素ガスで破裂してはいないようだ。それは素人でも、水を注入して原子炉を冷却している事実から推定できる。そうすると、地震直後から水素爆発が起こる間に既に放射能が出ていたという情報と合わせると原子炉は地震の震動で亀裂等が発生して放射能が漏れだしていたのではないかと推定される。全ての原子炉は使い続ければ高経年原子炉になるという現実を迎える。それは上記の、原子力安全保安院の文書を見れば明らかだ。高経年原子炉はその年齢と共にメンテナンス経費が増大するとともに故障リスクも増大する。当局は、原子炉の経年劣化という信頼性の問題に関しても情報を国民に開示すべきである。廃炉を怖れて原子炉への注水が遅れたという指摘もある。安全を優先するのか利益を優先するのかの選択は地域住民や国民を無視してはナンセンスである。国家も企業も国民の下に存在するべきものだから。

雑木の歌:休漁

以下の歌は2008年の燃料高で漁業者が一斉休漁した時に作ったものに手入れをした。農林漁業を取り巻く環境は常に厳しい。東日本大震災では、漁業者に巨大な災難が降りかかった。津波や放射能事故で漁業や農業が受けた被害は大きい。自然を相手にする仕事は常に予期できない転変地変の脅威を前にしている。それに対して国も当事者も国民も余りにも無防備すぎる。時が過ぎ、世代が変われば昔の事も忘れてしまう。確か、水俣病患者のスローガンは怨念の怨ではなかったかと思う。そのような潔い執念がなければ最後まで主張は貫けないのかも知れない。
   
■漁業者は 燃料高で 休漁する 魚価は変わらず 赤字に発憤
■我が民は 金に任せて 保険無し 気付いた時は 既に手遅れ
■油断あり 農林漁業 皆同じ 休むは一時 必死の覚悟
■忘るまじ 命守るを 基本とす 美食を絶てば 道既にあり

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:通はぬ心

歌題=通はぬ心:

■衣更着の 月かうかうと 照らしをり 女一人の 生きてゆく道 105 和佐田 康子

束縛となるものを振り払って女一人で生きてく道を照らす月で自己の覚悟を詠ったようだ。

2011年5月17日 (火)

老人の寝言:あらゆる所に蔓延している情報隠蔽は弱さの裏返しなのか

2011/5/17
昨日は苗床の草むしり。苗と雑草の競争だ。苗は発芽中でこれから展葉する。弱小という言葉を思い出す。生き物は小さい時は弱いという点で共通する所が多い。根を張った小さなスギナ等を引き抜くのに百円ショップのキウイフルーツ用皮むきナイフを使ってみた。ノコギリ状の歯が両面に付いているので根がきりやすい。台所用具を農作業用の小物として転用するのも楽しみの一つだ。近所のおばさんがふらりとやってきてしばらく雑談。サツマや野菜の苗を植えたとの事だ。年齢は自分より二回り位高いらしいが元気だ。百姓仕事が身についている。その点足元にも及ばない。

昨日の天気

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老人の寝言:あらゆる所に蔓延している情報隠蔽は弱さの裏返しなのか

読売新聞は、「メルトダウンは3月11日…初動の遅れ裏付け(url=http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866921/news/20110515-OYT1T00527.htm;(2011年5月16日08時58分  読売新聞))」というタイトルで、「東京電力は15日、福島第一原子力発電所1号機で起きた「メルトダウン(炉心溶融)」は最近起きたものではなく、同原発が津波に襲われた約4時間後の3月11日夜に始まったとする分析結果を公表した。
 東電が注水を開始したのは、炉心溶融が始まってから10時間以上後の翌12日朝で、事故に対する東電の初動が遅れたことがデータからも裏付けられた。」と報じた。原発事故収束への工程表発表後1ヶ月で、5月17日にその改訂版が出るとの事だ。そう言うイベントの前に隠蔽された情報がお化粧をされて出てくる。改訂版の内容によっては最初の工程表の信頼性も試されるのである。

ラジオ中継で聞いていた昨日の衆議院予算委員会の審議で、地震直後に内閣総理大臣が放射能被曝という危険な状況を認識しながら無防備で福島第一原子力発電所を視察した件についての議論があったが、すれ違いで終わったように見えた。国家の危機管理という重責を担う職務にある公人のドンキホーテ的な振る舞いは余りにも不適切ではなかったかというのが質問者の問いかけではなかったか。権力がおもちゃのように弄ばれて、少しばかりうまくいくとそれに悪酔いしてくせになり、挙げ句の果てに大失態されるのでは国民にとっての最大の国難になるのではなかろうかという懸念に通じるのだろうか。人知を越える自然災害にはあきらめもつくが、人災はあきらめるか否かではなく許すか否かの問題になってしまう。最近の世論調査にも行き場のない国民の心情が現れているように感じた。

雑木の歌:花粉症

花粉症は国民病とまで言われて、2011年は前年の5倍程度大量に飛散すると予想されていた。ところがその花粉症の時期と東京電力福島原発事故の放射能物質の飛散時期が完全に重なってしまった。ニュースバリューでは、放射能物質の飛散が花粉症の飛散を圧倒して、花粉症もすっ飛んでしまった。これは個人的な感覚なのだが、疫学的には花粉の飛散と放射能物質の飛散の効果を分離できるのだろうか。放射能物質の飛散対策が結果的に花粉の飛散対策になっていた可能性があるが、自分の場合は花粉症の症状は例年以下のような印象であった。以下の作品は2010年のもの。文語調にするとどうしても叙情的になってしまう。そこで口語調で作ってみた試作品だ。福島原発事故でまき散らされた放射能物質で、今後癌が多発するか懸念される事だ。チェルノブイリ原発事故では甲状腺癌が有意的に多発していると伝えられている。先楽後憂は結果的には、原発事故以降に当局が取った態度である。花粉症なら笑い飛ばせるが、放射能被害は重く長い後遺症を残す。

■花粉症 クシャミ百発 目が痒い おごりと怠慢の 文明病だ
■真因は 花粉じゃない 副作用に ごまかされるな 立派な病気だ
■遅発病 癌も同じだ 先楽後憂 曲がって生きよ 生身の人間

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:風暖かし

歌題=風暖かし:

■枯れ芝の 明るき庭に 布団干し 陽のぬくもりを 母に敷きやる 93 峯岸 千恵子

冬の光景だが、母を思う気持ちと行動が明るくテンポ良く詠われている。

2011年5月16日 (月)

老人の寝言:嘘を言わなければ許されると言う倫理観不在の幻想が日本を沈没させる

2011/5/16
昨日は汗が出るような暑さ。打合せ後、同乗者と粕川のほとりでコンビニのおむすびとパンで昼飯。一昨日は黄砂が飛んでどんよりした晴天。昨日は赤城山がよく見えて、木々の新緑が赤城山の中腹まで登っているのが見えた。こういう様子はどういう言葉で表しているのだろうか。桜の咲く時期は桜前線などと言っているが。新緑の登山高度というところか。WEB記事『がれき使って「津波堤防」構想…宮城・岩沼(url=http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110515-OYT1T00798.htm?from=main2;(2011年5月16日03時02分  読売新聞))』が「宮城県岩沼市は、がれきを利用し、高さ10メートル以上の丘を沿岸部に築く方針を固めた。津波の破壊力を弱めるのが狙いで、16日の市震災復興本部会議に提示する。」とあった。処分に困るがれきであるが、このような記事を読むと、この世に不要なものは無いのではないかという感じもする。無用の用の例であろう。いや、無用のものを積極的に有用な物に転換するのだから更に結構だろう。震災のモニュメントにもなるだろう。

昨日の天気

TAVE= 19.7
TMAX= 27.4
TMIN= 11.1
DIFF= 16.3
WMAX= 5
SUNS= 12.1
RAIN= 0

老人の寝言:嘘を言わなければ許されると言う倫理観不在の幻想が日本を沈没させる

一方、『福島第1原発:空だき状態10時間以上 燃料の溶融速く(url=http://mainichi.jp/select/weathernews/20110311/news/20110516k0000m040116000c.html;毎日新聞 2011年5月15日 22時15分(最終更新 5月15日 23時47分))』は「東京電力福島第1原発1号機で、地震からわずか16時間後の3月12日早朝には、燃料の大部分が溶け落ちていた可能性が強まった。東電の解析によると、燃料の溶融は従来考えられていた以上の速度で進行。外部から冷却水を入れるため、弁を開いて炉内の圧力を下げる「ベント」作業を始めた時には、炉内は既に水位が燃料の下端を下回る「空だき」状態で、燃料の大部分が溶融していたことになる。今後、ベントの作業や外からの注水のタイミングが適切だったかが問われることになりそうだ。」と伝えた。

東京電力の今回の発表は各マスコミが伝えたが、東京電力の情報開示対応には、その都度後味の悪さを感じる。マスコミも東京電力の流した情報の垂れ流しだけでなく、もう少し切り込んでもらいたい。要するに原発自体素手で扱えない。原発でメルトダウンの実験は現実的には不可能なのだ。従って、原発の中で何が起こっているかは間接的にしか分からない。そういう技術の積み重ねの上に原発の運転が成り立っている。原発が地震で停止したら次ぎに何が起こり何をすべきかは当然マニュアルで規定されているだろう。マニュアルが完全に実行されていたかは絶対に検証から外されてはならない。残念だが「出番無きマニュアル」で終わっていたのではないか。東京電力福島第一原子力発電所の原発事故では、地震から水素爆発までの極短い期間の情報が完全に隠蔽されて、今でも情報のブラックホールが横たわっている。当初の水素爆発の原因でもメルトダウンは否定されていたと思う。当然、メルトダウンのシミュレーション等は地震前にされていただろう。当局が、遅れて発表する事実は責任逃れの目的だけに過ぎないのではないか。そのような重要な情報を隠蔽する事により、いかに大きな二次的被害が発生してきたことか。現在は、情報開示も巨大な組織として対応している。個々の当事者は真実を知っていてもそれをどうする事もできない。真実の情報も誤り情報とならないぎりぎりまで加工されて流される。そうして、組織の中では倫理観も責任感も希薄化が進む。正常な倫理観や責任感を持った組織人は組織の中に沈んで行く。日本に流れる情報は縦横斜上下裏表から読まなければならないのか。日本は巨大な泥船に乗っているのではないか。倫理観のメルトダウンは絶対に許されない。

ざっそう句:ヒバリ

幼少の頃は二期作で、コメの裏作に麦を作った。麦刈りをするときに、麦の株間にヒバリの巣がよくあった。ヒバリと麦畑が記憶の中で一体化している。最近も、外に出るとヒバリの声を良く聞くが、何となく物憂い響きを感じてしまう。そうして家に帰るとヒバリのことなど忘れている。自作のヒバリを詠んだ句を探したらいくつか出てきた。空高く、点のようになってたださえずり声がきこえてくるような光景が浮かんでくるがそれを句にするといつも中途半端なようだ。穿った見方をすれば、まだまだヒバリの句を作る余地がありそうだ。

■朝ヒバリ声知らぬ間に消えゆけり
■麦秋や一羽のヒバリ鳴き果てり
■ヒバリ鳴く空を見上げりゃ飛蚊症
■ヒバリ鳴くいつ聞く時も遠い空

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:所作台

歌題=所作台:

■早生栗を むきつつ思ふ 提灯を 持ち栗拾いたり 里の裏山 76 鳥羽 芳江

提灯は暗くなっても人より先に拾うためか、栗拾いの思い出も懐かしい。

2011年5月15日 (日)

老人の寝言:カラスの恩返しは期待していないが鳥達とも仲良く暮らしたい

2011/5/15
昨日も暑いくらいの天気。のこぎり鎌で草刈。昔羊の毛を刈ったように草の生えている根際に鎌を沿わせて草を巻き込むように刈ると楽に刈れた。

asahi.com(url=http://www.asahi.com/national/update/0514/TKY201105140387.html;2011年5月15日1時5分)の「1号機建屋たまり水3千トン 冠水計画、事実上断念」という記事によると、「東日本大震災に被災してメルトダウン事故を起こした福島第一原発1号機で、東京電力は14日、原子炉建屋地階に大量のたまり水があると発表した。原子炉を冷やすために注いだ水が汚染されて漏れ出しているとみられ、東電は格納容器に水をためて冠水させる作業を事実上断念し、漏れ出した水を再循環させて原子炉を冷やす検討を始めた。事故収束に向けた工程表の大幅な見直しが迫られる。」との事である。

注入した水は1万トンとの事だが、残りの7000トンはどうなっているのだろうか。水蒸気になり放射能を振りまいているのか、地下に漏れているのか。最終的には大量の放射能汚染水を外部環境に流出させているのではないか。この部分に関してほおかむりしているだけなのは、いかにも対応がのんびりしすぎているのではないか。情報は、計画的に忘れられた頃小出しに出しているのが当局の常套手段だ。メルトダウンも早期に分かっていたことだろう。二ヶ月も情報を隠蔽する事により、原発事故現場で働く作業員等を結果としては虫けらの如く扱ったことになり、それは限りなく犯罪的行為に近く見えてしまうのである。注入した水には当然、全量は一定であるという保存則が成り立つ。当局は残りの高放射能を帯びた汚染水7000トンの水がどこに流出しているか即刻発表すべきではないか。結局、当局が水棺にするという工程表は、予定通り絵に描いた餅のような目眩ましに過ぎなかったのではないか。INES評価レベルが7であったと言うのが嘘ではなかった。という事は当局はINESレベル7を発表するまで嘘をついてきた事にならないか。日本の国際的な信用が問われる。善良な日本人が当局の巻き添えを食らうのはご免だ。

昨日の天気

TAVE= 18.1
TMAX= 25.1
TMIN= 10.6
DIFF= 14.5
WMAX= 5.8
SUNS= 7.6
RAIN= 0

老人の寝言:カラスの恩返しは期待していないが鳥達とも仲良く暮らしたい

今朝は我が家の畑からギョギョというよしきりの鳴き声が聞こえてきた。水辺のよし原の中で鳴くのなら風情があるが、どういう風の吹き回しか理解できない。昨日の怪我をした子カラスの引き渡しにはかみさんも同行した。引き取りに来た時間が役所の時間よりずっと早かったので、来たのは役所の人ではないらしいとかみさんは言う。鳥に詳しそうで、聞いた話では、鳥インフルではばたばた多数が死ぬとの事で、今回の場合は何らかの事故ではないかとの事だ。鳥を捕らえるのはくちばしが出せる程度の網を使うのが良いそうだ。そう言えば、夜にカラスが鳴いたのは間違って巣から落下した時の交信の悲鳴であった可能性もありそうだ。あのギャアギャアと鳴き交わす声は親カラスと子カラスの呼びかけだったのかもしれない。我が家のケヤキの木の上部にカラスの巣があるのは承知している。鳥が巣を作るのも安全地帯に限られる。夜間の巣の下はまさに奈落である。しかし、そこで毎年どのような子育てが行われているのか余り関心がなかった。ヒナから若鳥になり独立するまでもいろいろなリスクがありそうだ。たしか、春の若葉の季節に多数のカラスが集まって行動する様子は何回も見ている。ひょっとすると、それがカラスの若鳥の成人式のような意味があるのかもしれないと思った。十分に飛べない若鳥をギャアギャア集団で鳴いて敵を寄せ付けまいとしているのではないかと解釈できる。かみさんは良く飛べない飛翔訓練中のヒナに猫等が近づいた時に親カラスが威嚇して飛んでくるのを何回か見たと言った。今年はその集団訓練の前の落下事故で一羽は死んで、他の一羽は怪我をして保護された。カラスも自分の運命は選べない。調べてみると群馬県では野鳥病院が怪我をした野鳥等を保護し、自活できるようになれば放鳥するようだ。「群馬県林業試験場(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%BE%A4%E9%A6%AC%E7%9C%8C%E6%9E%97%E6%A5%AD%E8%A9%A6%E9%A8%93%E5%A0%B4)(最終更新 2011年5月9日 (月) 01:17 )」:『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(http://ja.wikipedia.org/)によると、管轄の野鳥病院では、「年間収容数約350~400羽。県内各地で保護された野鳥が収容されている。 」とある。世間では余り歓迎されないカラスではあるが、我が家ではなんとか棲み分けや共存をしているのかもしれない。勝手にそう思っているだけかもしれないが、カラスの外敵となる野良犬や野良猫に対しては人間はカラスにとって頼りになる存在かもしれない。調べてみるとカラスも威嚇⇒攻撃と進む。子育て中は親カラスも神経が過敏になるようだ。巣や子カラスに近寄らない、無関心を装う等と、先ずは君子危うきに近寄らずを徹底するのが基本のようだ。

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:星の雫

歌題=星の雫:

■果敢さを 知る古稀となり 赤城嶺に あと幾年の 櫻にあわむ 66 田尻 深雪

果敢さを知る古稀とは最早後退は無く、前進在るのみとする心意気のようだ。

2011年5月14日 (土)

読みかじりの記:会社人間だった父と偽装請負だった僕 赤澤 竜也 著 (ダイヤモンド社 2009年)

2011/5/14
地面が湿っているので苗を定植。堀上げた苗から土が落ちにくいので、灌水無しで活着すると思う。これも手抜き手法の一つ。一昨夜の夜8時頃、カラスが泣き叫んだ。翌朝、庭にカラスの死骸があった。鳥インフルかと思って届けをしようと後で見たら姿がない。40~50m離れたところにカラスの翼があり、蟻が群がっていた。野良犬か猫の仕業か。これは埋葬。もう一羽子カラスを保護した。こちらは、今朝野鳥保護施設に引き取ってもらった。東京電力の損害賠償を補う政府の原発事故補償の支援策が決定されと報道されている。最終的には原発事故の損害事故に対して何の責任もない電気利用者に尻拭いさせる図式である。電気利用者には税金と同じように総額で多分数兆円単位の追加負担が生じるだろう。こんな理不尽な事はない。東電社長は参議院予算委員会の参考人として従業員の年金には手を着けないと証言している。東電幹部役員の責任も明確にされていない段階でなぜ、気前よく支援策なのか。結局利権の先取りにすぎないのか。上毛新聞によると追加徴収額も10年間では10~20万円程度になりそうだ。これほどの額をただ取りするのか。対価として株式を交付する事等を考えるべきではないか。

昨日の天気

TAVE= 19.3
TMAX= 26.4
TMIN= 14.4
DIFF= 12
WMAX= 5.8
SUNS= 9.1
RAIN= 0

読みかじりの記:会社人間だった父と偽装請負だった僕 赤澤 竜也 著 (ダイヤモンド社 2009年)

この本のタイトルの見出しには「さようならニッポン株式会社」と書かれている。自分をとらえたのは「会社人間だった父」と「さようならニッポン株式会社」であった。この部分に自分の社会人であった時期が重なるためだ。男にとって父を乗り越える作業は困難であり、そう簡単に済ませる事は不可能だ。そんな事を通読して改めて感じる。父も息子も時代も刻々と変わる。お互いに本当の姿を見せ合うのは両者の人生の一瞬にすぎないのかもしれない。そんな事はもともと無理なのかもしれない。父も息子もその生まれた時代の宿命を背負う。更に、家庭と社会における役割も背負う。現代においては、ほとんどの父が自分の仕事や働きぶりを息子に見せられるような仕組みがない。本書は著者の父が倒れるところから始まる。これは著者にとって人生を振り返るビッグバンのような位置付けになるようだ。そうして、父を理解するためには祖父も知らねばならない。三代を振り返ることによりようやく自分の位置が定まる。時代が時代ならばとつい甘えてしまい勝ちだが、その時代の変化の影響を受ける程度も人さまざまではあろう。著者も父に反発して出奔するが、父と同じような職業にも就いた。父を理解する事は自分を理解する事でもあろう。そのような気持がつのる頃には父はいない場合が多い。この本は、著者の家族のありさまを通して時代に迫ろうとするノンフィクション作品であると思う。そこには、心理的ハードルだけではく、克服しなければならない多くのハードルがあったようだ。そのような流れから、後半の「偽装請負だった僕」に繋がってくる。この部分は一種の潜入レポートのように感じる。時代の歯車に巻き込まれていないように感じたのは幸せだったかもしれない。むしろその冷酷さに迫ろうとした様子が窺われる。「二〇〇五年夏、僕はトラック運転手に転職した。どうしても肉体労働をしたかった。」ここでは、実態は派遣だが扱いは請負とされて、過酷な条件がトラック運転手に課せられている様子を自分の体験を通して描いている。「会社人間だった父」と「偽装請負だった僕」は社会体制や価値観でも断絶している。社会体制や価値観さえゆらいでいるのが現代社会ではある。「さようならニッポン株式会社」の後に情報化社会が到来している。甘い言葉で財布の紐はこじ開けられ、中身は知らぬ間に吸い取られる。報道は正社員、派遣社員、パート社員、アルバイト等身分差別的用語を堂々と使っている。流動化は金どころか文化や価値観や人格にまで及んでいるようではある。アイデンティティ、自己同一性を喪失するなかれと教えてくれる一書ではないかと感じた。父に逆らい、世に逆らうのも自己同一性確立の第一歩ではなかろうか。

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:石榴花コース

歌題=石榴花コース:

■手をつなぎ 二歳の孫も 登りゆく 初秋の風の 清し白根山 50 島田 みより

二歳の孫と手をつないで白根山を登った様子がリズム感よく詠われている。

2011年5月13日 (金)

老人の寝言:メルトダウンは起こっていないとうような情報は嘘だったのか

2011/5/13
昨日は午前曇り。夕方より雨。一昨日も雨だったので、雨間に苗を植えた。セレロン1Gの予備用買い置きの中古XPパソコンの起動の調子が悪い。最初はうまく起動したが、その後がだめだった。初めからこんな調子のものだったのか。リカバリーを試みたがうまく起動しない。何回かいじり回してようやく起動した。その手順を記録していないので、次回にこの経験が生かせるのか。次ぎにXPのサービスパック2を導入。ファイルサイズで200M以上ある。次ぎにSP3へNET上でUPDATEしたが不調であきらめる。アクロバットリーダーも現用のV6から8.2にVERSION UP。最新はVERSION 10のようだが軽い方を選択。しかし、これでも東京電力の「プラントの水位・圧力データ pdf 」は読めなかった。

昨日の天気

TAVE= 15.6
TMAX= 18.4
TMIN= 13.6
DIFF= 4.8
WMAX= 2.2
SUNS= 0
RAIN= 7


老人の寝言:メルトダウンは起こっていないとうような情報は嘘だったのか

今朝の上毛新聞とNHKのニュースによると福島第一原子力発電所の1号機の原子炉水位が上がらない問題で、原子炉格納容器底部に穴が空き燃料棒が完全に露出して溶融してたと報道された。福島原発事故から2ヶ月経てようやく事実が公表されたという感じで、原発事故の検証がこれから行われようとする段階になっての余りにも遅い発表と思う。調べて見ると、関東大震災の時は震災と社会的状況を反映して大きな事件も生じた。東日本大震災の場合は、社会が進歩したのか二次的な社会的大事件はまだ惹起していないと思う。しかし、情報不足がそのような社会的大事件を引き起こしたという歴史も改めて学び直す必要があるように感じる。社会心理学の領域の問題とも思うが、今回の東日本大震災に際しては社会心理学の専門家は出る幕がなかったのか。しかし、今回の東日本大震災の原発事故では、被災者だけでなく国民の大多数が情報不足によるフラストレーションのボルテージを極限にまで上昇させて、爆発寸前まで至っていたのではないか。これで、今後に福島原発事故の処理がうまく行かず、更なる二次的な大事故が起こった場合はどうなるのか気になる。

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:追憶

歌題=追憶:

■また一つ 老舗閉ぢたる 我が町を 挽歌のごとく 木枯らし募る 31 神尾 みゆき

老舗とはその地域で長い間の信用と実績を認められた店。それがまた一つ閉店したという寒々しい現実を詠った。

2011年5月12日 (木)

かみつけ女流歌人 雅:二筋の雪しろ

2011/5/12
昨日で東日本大震災発生より2ヶ月目となった。中部電力の浜岡原発停止が決定して、この夏の電力不足は更に混沌としてきた。産業への影響も懸念される。昨日は雨で気温は下がった。現用のパソコンがWIN MEで、しばしばフリーズしてしまうのでその予備としてWIN XPパソコンの稼働準備をした。雨なのでゆっくり出来ると思っていたが、起動毎に動作が不安定になりお手上げとなってしまった。WIN XPは自分にとっては最新のOSだ。

昨日の天気

TAVE= 14.5
TMAX= 18.2
TMIN= 13.7
DIFF= 4.5
WMAX= 3.3
SUNS= 0
RAIN= 39

以下本題。

かみつけ女流歌人 雅:二筋の雪しろ

歌題=二筋の雪しろ:

■舞踊にと 白く塗らるる わが顔を 鏡の中に 他人のごと見ゆ 30 狩野 光子

鏡では自分自身を冷静に見ることはできないと覚っているようだ。

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嗚呼 伊勢崎 非情

BOOKS

  • 橋本 英文: 刃物雑学事典 図解・刃物のすべて(1986年 株式会社 講談社 ブルーバックス B-659)
    刃物という視点で多くの事例が取り上げられている。刃のある道具の理解にも役立つ。類書が少なく貴重な一冊。「すべり変形が切断の原理」という考え方で説明している。
  • 沼田 真   : 植物たちの生( 1972年 岩波新書(青版 833))
    「ご要望にお応えしてアンコール復刊(1988年岩波新書50年記念復刊) 地球生態系の中で自然を見直す」(腰巻きのフレーズ)。植物の知恵と戦略に人類は勝てるのか。
  • 出町 誠: 14_NHK趣味の園芸:よく分かる栽培12ヶ月  カキ(NHK出版2007年)
    初心者向け柿栽培参考書(新版)。旧版と比較すると楽しい。
  • 中村三夫: 13_NHK趣味の園芸:作業12ヶ月  カキ(NHK出版1996年)
    初心者向け柿栽培参考書(旧版)。新版と比較すると楽しい。
  • 山科正平: 12_細胞を読む   電子顕微鏡で見る生命の姿
    細胞はどんな部品からできているのか。そんな疑問に答えてくれる一冊。何事も形を見るのが第一歩。μからÅオーダーの世界で、細胞をメスで解剖するように、電子顕微鏡というメスで解剖して見せてくれるので興味が尽きない。
  • 柳田充弘: 11_細胞から生命が見える
    著者の専門は分子生物学、細胞生物学。普段生物を考えても細胞レベルで止まってしまう。その細胞の中で色々な分子が働いている。細胞こそ生命の基礎だが、その細胞の中の動きを知るのに最適な一冊。疑問の発端はなぜ発根剤が効くのかということ。薬剤が細胞膜を通過して細胞内で分子と分子が作用するイメージができた。本書でできた細胞のイメージは小さな無数の穴が空いた水分が充満したヨーヨーのようなもの。そのヨーヨーの中に分子部品が詰まっている。細胞自体もタライの中のヨーヨーのように浮かんでいる。細胞図面の空白部は真空でなく水分だ。細胞の内外に水がないと細胞は生きられない。水が生命のゆりかごだ!
  • 野口悠紀雄: 10_ホームページにオフィスを作る(2001年 光文社)
    ITが輝いた時代の作品。HPの活用法は参考になる。参考:url=http://www.noguchi.co.jp/(野口悠紀雄 ONLINE)
  • 小池洋男 編著: 09_果樹の接ぎ木・さし木・とり木(農文協:2007/3/31第1刷)
    やや専門的であるが、実務専門化が分担執筆しており、その場で役に立つ一冊。
  • ノーバート・ウィーナー(鎮目恭夫訳): 08_サイバネティックスはいかにして生まれたか(みすず書房1956)
    情報と通信という現代社会に不可欠の基礎的な学問を作った著者の自伝とそれを通した科学史
  • 沼田 真(編): 07_雑草の科学(研成社1979)
    雑草を多面的に解説し防除の基礎も述べる

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    2010/8/4:MEMO等の表示に使える。 農作業で気になる自戒の言葉 ■畑の石ころはいつまで経ってもても石ころ(早く拾って片づけよという意味か)。 ■同じ石を二度拾うな(やってみると難しい)。 ■手ぶらで歩くな。 ■三つ先のことを読め。 ■適当な観察。 ■空を見よ(気分転換、休憩、天気を読む、腰曲がり防止)