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2012年9月24日 (月)

愛しき古里:養蚕の先進地だった島村生まれの文化人「金井烏洲」記念碑を華蔵寺公園に見る。20120924。

2012年9月24日月曜日
昨日は夕方まで強弱を繰り返しつつ雨が降った。ざっそう句:お萩食い くつろぎ語る 農の慈雨。最高気温(℃) 21.8 00:08。最低気温(℃) 17.7 24:00 。雨量94.5㎜。夏日も脱して、肌寒い一日だった。クシャミ連発。午後彼岸の来客。たっぷりの雨でゆったりと雑談。この雨で、今度は秋の雑草が元気付く。多めの降雨は、「前線を伴った低気圧」が北東に向け通過したお陰らしい。昨日はひまに任せて「ツルよ 飛んでおくれ」というカテゴリーを作った。生物の歴史の中で、空中を飛ぶ、虫類と鳥類は、最大の傑作のように見える。並の努力ではその機能を実現できない。何億年、何千万年という試行錯誤の連続の末に今の姿がある。群馬県へ、いつ頃まで、ツルの飛来があったのかWEB調査したが手がかりなし。

2012年9月23日の天気(AMEDAS)

TAVE= 18.9  
TMAX= 20.1 最高気温(℃) 21.8 00:08
TMIN= 17.8 最低気温(℃) 17.7 24:00
DIFF= 2.3  
WMAX= 2.8 最大瞬間風速(m/s)(風向(16方位)) 5.6(西北西) 13:16
SUNS= 0  
RAIN= 94.5  

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愛しき古里:養蚕の先進地だった島村生まれの文化人「金井烏洲」記念碑を華蔵寺公園に見る

国が、富岡製糸場と絹産業遺産群をユネスコ世界遺産に推薦することが決まり、絹産業遺産群の一つである、田島弥平旧宅も脚光を浴びている(伊勢崎市ホームページhttp://www.city.isesaki.lg.jp/pcp_portal/PortalServlet?DISPLAY_ID=DIRECT&NEXT_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=12795)参照。

先日、たまたま用事外出のついでに華蔵寺公園に寄った。遊園地は開園前で、観覧車の試運転をしていた。散歩人がちらほら。華蔵寺丘陵部の中腹に、いくつかの碑や像が並ぶ、例えれば、記念碑ゾーンがある。碑を見るヒマ人はワレ一人。今まで、それらの碑の存在には気付いていたが、何の碑か余り興味がなかった。年のせいか、最近そういう古い物に興味がわいてきた。

記念碑ゾーンとは言え、余り手入れされておらず少なからず失望感が漂う。説明板も読む気がしないほどのものもある。自分のデジカメも10年前の代物。ともかく、金井烏洲の記念碑だと言うことは分かっていた。余りに碑の高さが高いので、篆額の部分が読めない。碑の上部をデジカメに納め、帰宅後画像処理すると「烏洲 金井先生碑」とあるらしい。「先生」とは尊称。現代の感覚では誤読になりかねな。この「烏洲 金井先生碑」こそ、島村に田島弥平が生まれ、蚕種産業が発達する先がけとしての金井烏洲の偉大さを伝えるものではないか。石碑も読まなきゃ只の石に過ぎない。

前橋の高浜公園にある、「前群馬県令楫取君功徳之碑」の書は金井烏洲の子息である金井 之恭(ゆきやす)が手がけている。あちこちに散在する碑をつないでみると意外な発見がある。その圧巻が、この碑の文と書を、日本の産業近代化に邁進した渋澤栄一が手がけていることである。

「渋沢栄一。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%8B%E6%B2%A2%E6%A0%84%E4%B8%80。(最終更新 2012年8月31日 (金) 04:26 )」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』(http://ja.wikipedia.org/)。の記事に「渋沢栄一(しぶさわ えいいち、天保11年2月13日(1840年3月16日) - 1931年(昭和6年)11月11日)は、幕末から大正初期に活躍した日本の武士(幕臣)、官僚、実業家。第一国立銀行や東京証券取引所などといった多種多様な企業の設立・経営に関わり、日本資本主義の父といわれる。正二位勲一等子爵。雅号に青淵(せいえん)。」とある。

「烏洲 金井先生碑」建碑後、渋沢栄一は91才の天寿を全うしているので、90才と記されているこの碑は、渋沢栄一最晩年に近い事業だったと思われる。その碑の裏面には、地域の発展にゆかりのある多数の協賛者の名前が記載されており、その人名を辿れば往事の地方の文化や産業のありさまが浮かんでくるだろう。

現役時代に、渋沢栄一の「論語と算盤」という本を古本で買って拾い読みした記憶がある。二松学舎から出ていた枕になるくらいの厚い本だった。本記事作成に際して、「二松学舎列伝 第3代舎長 渋沢 栄一 (http://www.nishogakusha-u.ac.jp/retuden.htm)」を読んで、なぜ二松学舎から出ていたのかその謎が解けた。

当時は、中国では毛沢東の衛兵を使った文化大革命(WIKIPEDIA。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%87%E5%8C%96%E5%A4%A7%E9%9D%A9%E5%91%BD)が起こり、「批孔批林」が叫ばれていた。林彪は政敵として論外だが、孔子や論語すら反革命の象徴になっていた。本書を読んだ印象は、「論語」とは人間としての行動規範、算盤とは経済規範(経済合理性)を象徴していると思った。当時は、北京週報等を購読して、文化革命もむべなるかなと思ったが、「論語と算盤」にも新鮮な印象をうけた。従来の日本の論語(儒学)には算盤が欠けていたのだから。この二つの規範を結ぶのが「と」であり、その重心に渋沢栄一が立ち、行動と経済を車の両輪の如くうまくバランスさせて、日本の近代化を推進したんだなと今になって思う。

バランス感覚が崩れ、どちらかに傾きすぎると、方向が狂ってしまう。いわば、この本は、天秤の重心に自分を置き、常にバランスをとれと教えているように思えるのだ。歴史の中で、中国も日本も天秤が揺れるが、その揺れ方は異なる。中国はいまだ文化大革命を集約しきっていない。文化大革命の影響は今も続いている。中国の歴史の揺れは、地震に例えれば、長周期成分のように、長くかつその振幅も大きいのだろう。

金井烏洲のような文化人が出るためには、それなりの生活や精神の豊かさとユトリ、地域の歴史・文化が必要になる。中でも経済的な基盤として養蚕があった事は疑いがない。渋沢栄一が金井烏洲の碑を華蔵寺公園に残した理由は、謎でもあるが、伊勢崎に養蚕が栄え、金井烏洲に関わる人脈が豊富にあった事を物語っているのではなかろうか。日本も近代化の歴史の中で、大きな揺れを体験しつつあるように感じる。近代化の成功と挫折。今、興味があるのは近代化の挫折からの回復だが、その切り札が見えない。石碑をかじって、先人達の苦労を偲ぶ中で少しでもその手がかりが掴めれば良いと思うのだが。
Kanai_ujyuu_sibusawa_eiichi_2pix
左:碑の上部を見上げる。右:文字強調(カラー反転:渋澤榮一撰并書と見える)。

************************
追記(2020/07/01):アクセスランキング2位に入っている。記事タイトルに投稿期日を追加。ついでに記事を再読した。気ままにアクセスランキングを記録しているが、アクセス数は数十回/日程度で、本日で累積アクセス数は34089となった。このカウンターは自分のアクセスも数えているので外部アクセス数はその半分程度と見ている。読者に感謝。多分、検索エンジン経由アクセスしていると思われる。この記事が読まれるのも渋沢栄一の万札効果なのだろうか。想像するに渋沢栄一も現在の日本の状況を見れば苦笑いする以外に無さそうだ。この碑の裏面には、当時の地方の有力者の名前が刻まれているがこれを書き出した資料はあるのか。

碑文やこの碑の解説はこちらを参照:Go!伊勢崎:

https://www.go-isesaki.com/hist/syosi/hibun/70geijut/72nihonga/72-1ujuu/72-ujuu.htm







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    細胞はどんな部品からできているのか。そんな疑問に答えてくれる一冊。何事も形を見るのが第一歩。μからÅオーダーの世界で、細胞をメスで解剖するように、電子顕微鏡というメスで解剖して見せてくれるので興味が尽きない。
  • 柳田充弘: 11_細胞から生命が見える
    著者の専門は分子生物学、細胞生物学。普段生物を考えても細胞レベルで止まってしまう。その細胞の中で色々な分子が働いている。細胞こそ生命の基礎だが、その細胞の中の動きを知るのに最適な一冊。疑問の発端はなぜ発根剤が効くのかということ。薬剤が細胞膜を通過して細胞内で分子と分子が作用するイメージができた。本書でできた細胞のイメージは小さな無数の穴が空いた水分が充満したヨーヨーのようなもの。そのヨーヨーの中に分子部品が詰まっている。細胞自体もタライの中のヨーヨーのように浮かんでいる。細胞図面の空白部は真空でなく水分だ。細胞の内外に水がないと細胞は生きられない。水が生命のゆりかごだ!
  • 野口悠紀雄: 10_ホームページにオフィスを作る(2001年 光文社)
    ITが輝いた時代の作品。HPの活用法は参考になる。参考:url=http://www.noguchi.co.jp/(野口悠紀雄 ONLINE)
  • 小池洋男 編著: 09_果樹の接ぎ木・さし木・とり木(農文協:2007/3/31第1刷)
    やや専門的であるが、実務専門化が分担執筆しており、その場で役に立つ一冊。
  • ノーバート・ウィーナー(鎮目恭夫訳): 08_サイバネティックスはいかにして生まれたか(みすず書房1956)
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