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2012年11月10日 (土)

科学ニュースに独り言:昆虫の飛翔能力の夏と冬の差は何が原因か

2012年11月10日土曜日
昨日は晴れ。最高気温(℃) 19.4 12:11 。ざっそう句:温もれば またよろけ飛ぶ 秋のハエ。買いおきのフリージアの球根をプランターに植えた。既に空中で発芽、発根をしていた。寒さと冬の乾燥に弱そうだ。庭の手入れ。リュウノヒゲ(奥へ)とタマリュウ(手前に)を移植。この3日ほど、気温が20℃程度と暖かかった。どこかに潜んでいたのか、ハエが飛び始めた。

以前昆虫の頭脳は専用マイコンのようだという趣旨の本を読んだ。昆虫の飛翔能力も素晴らしいが、冬が苦手に見える。その理由は、エンジンにあるのか、燃料にあるのか。Googleによる「昆虫 飛翔 筋肉 気温」の検索。

2012年11月9日の天気(AMEDAS)

TAVE= 14.3
TMAX= 19.1 最高気温(℃) 19.4 12:11
TMIN= 11 最低気温(℃) 10.5 05:32
DIFF= 8.1
WMAX= 7.2 最大瞬間風速(m/s)(風向(16方位)) 13.8(北北西) 13:52
SUNS= 7.7
RAIN= 0

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科学ニュースに独り言:昆虫の飛翔能力の夏と冬の差は何が原因か

上記Google検索で見つけたのが、「SPring-8 大型放射光施設」のWEB SITEの、「~SPring-8で昆虫の飛翔進化の秘密をさぐる~(SPring-8 News 30号/ No.30, 2007,1)(url=http://www.spring8.or.jp/ja/news_publications/publications/news/no_30/)」という記事。その記事は、「岩本グループは、SPring-8の設備と新たに生み出した技術を使って、昆虫が地球でもっとも成功した動物となった理由の一端を解明しました。昆虫が小型化していく際に、生体機能の効率を極限まで高めるために採用したシステムのひとつが「非同期型」飛翔筋であり、そのために筋肉を巨大結晶化したのだと考えられます。この自然の精緻な仕組みは、それ自体が驚くべきものであることはもちろん、今後ナノテクノロジーによってナノモーターなどの小型デバイスを設計していく時に、大いに参考になることでしょう。」と要約している。

その研究の目的:「昆虫飛翔筋の動作方式は2種類あります(図2)。一つは「同期型」と呼ばれ、バッタのように大型で原始的な有翅(ゆうし)昆虫に見られます。この方式では神経の興奮(インパルス)一回ごとに飛翔筋が収縮弛緩を行い、羽ばたきが一回起こります。この方式の利点は大きく羽を動かせることですが、一方で羽ばたきの頻度は、毎秒100回程度が限界になってしまう欠点があります。~ この「非同期型」方式では、飛翔筋を収縮状態に保ち、胸部外骨格との共鳴によって振動させることで高い羽ばたき頻度を実現します。この方式では筋肉の動きは小さくなりますが、少ないインパルス頻度で何回も羽ばたくことができます。この仕組みで筋の張力を正確にコントロールするには、筋節(図1)中のタンパク質が、筋節全体にわたって規則正しく並んでいる必要があると考えられます。実際、「非同期型」の飛翔筋の筋節を形作るタンパク質の並び方は、いわば「結晶的」な非常に規則性の高いものであることが、従来の研究から判っていました。  (財)高輝度光科学研究センターの岩本裕之主幹研究員らのグループがまず取り組んだのは、この昆虫の飛翔筋が筋原繊維の全長にわたって結晶的な構造を持っているかどうかという問題でした。」

飛翔筋もタンパク質の一種。昆虫が飛翔に使う筋肉のタンパク質も、巨大結晶化したものと、結晶化の程度が低く非晶質の物があるようだ。この記事で、「非同期型」方式は、バッタやチョウ、「非同期型」方式は、ハエやハチの例等が紹介されている。インパルスで飛翔筋を駆動するという方式は共通している訳だ。飛翔する昆虫も大型から小型へ進化して、飛翔方式も「同期型」方式から、「非同期型」方式へ進化したらしい。その進化の下層である物質レベルで、飛翔筋を構成するタンパク質も進化したということなのか。タンパク質はそもそも巨大な分子。生物はそのタンパク質の機能を使って実現される機械に過ぎないのか。タンパク質の性状は温度により大きく変わる。生物が冬の寒さを恐れ、色々な防御対策をしているのも、このタンパク質の動作適温から逃れられないからか。昆虫の飛翔能力の夏冬の差はエンジンにあるというより、タンパク質という燃料にあるのか。そもそも、生物はエンジンも燃料もタンパク質が素材なのだから切り離しは不可能だろうが。飛翔方式は完全に「同期型」方式と「非同期型」に分類できず、その中間段階もあるとの事で進化の道筋を探る手がかりにもなりそうだ。セミは中間の特徴をもつとか。

秋のハエが、活動に適した気温が続くと、どこからか姿を現し、力無く飛び始めるのも、まだまだ生存環境を克服しようとしている進化への努力の最中のように見えてきた。数億年後には冬でも活発に飛び回る昆虫が多数出現しているかもしれない。「同期型」方式のセミは、盛夏を過ぎれば姿を消してしまうが、「非同期型」方式のハエが、11月になっても飛ぼうとしている姿を見ると感慨深いものがある。

尚、上記サイトの放射光の解説:「放射光とは、相対論的な荷電粒子(電子や陽電子)が磁場で曲げられるとき、その進行方向に放射される電磁波です。放射光は明るく、指向性が高く、また光の偏光特性を自由に変えられるなどの優れた特徴を持っています。大型放射光施設(SPring-8)は、世界最高性能の放射光を利用することができる大型の実験施設であり、国内外の研究者に広く開かれた共同利用施設として、物質科学・地球科学・生命科学・環境科学・産業利用などの分野で優れた研究成果をあげています。」

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    初心者向け柿栽培参考書(旧版)。新版と比較すると楽しい。
  • 山科正平: 12_細胞を読む   電子顕微鏡で見る生命の姿
    細胞はどんな部品からできているのか。そんな疑問に答えてくれる一冊。何事も形を見るのが第一歩。μからÅオーダーの世界で、細胞をメスで解剖するように、電子顕微鏡というメスで解剖して見せてくれるので興味が尽きない。
  • 柳田充弘: 11_細胞から生命が見える
    著者の専門は分子生物学、細胞生物学。普段生物を考えても細胞レベルで止まってしまう。その細胞の中で色々な分子が働いている。細胞こそ生命の基礎だが、その細胞の中の動きを知るのに最適な一冊。疑問の発端はなぜ発根剤が効くのかということ。薬剤が細胞膜を通過して細胞内で分子と分子が作用するイメージができた。本書でできた細胞のイメージは小さな無数の穴が空いた水分が充満したヨーヨーのようなもの。そのヨーヨーの中に分子部品が詰まっている。細胞自体もタライの中のヨーヨーのように浮かんでいる。細胞図面の空白部は真空でなく水分だ。細胞の内外に水がないと細胞は生きられない。水が生命のゆりかごだ!
  • 野口悠紀雄: 10_ホームページにオフィスを作る(2001年 光文社)
    ITが輝いた時代の作品。HPの活用法は参考になる。参考:url=http://www.noguchi.co.jp/(野口悠紀雄 ONLINE)
  • 小池洋男 編著: 09_果樹の接ぎ木・さし木・とり木(農文協:2007/3/31第1刷)
    やや専門的であるが、実務専門化が分担執筆しており、その場で役に立つ一冊。
  • ノーバート・ウィーナー(鎮目恭夫訳): 08_サイバネティックスはいかにして生まれたか(みすず書房1956)
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    2010/8/4:MEMO等の表示に使える。 農作業で気になる自戒の言葉 ■畑の石ころはいつまで経ってもても石ころ(早く拾って片づけよという意味か)。 ■同じ石を二度拾うな(やってみると難しい)。 ■手ぶらで歩くな。 ■三つ先のことを読め。 ■適当な観察。 ■空を見よ(気分転換、休憩、天気を読む、腰曲がり防止)