縁側の底を覗く
2009/5/28
縁側の底を覗く
幼少時のできるだけ初期の記憶をたどっていくと、縁側の底をよく覗いた事を思い出す。藁
葺きの民家で縁側が付いていた。廊下の表面は年輪が浮かび上がりざらざらしていた。板と
板の間に物が落ちてしまいそうなすき間が何カ所かあった。そこから下を時々覗いていた。
小銭やビー玉等を下に落としてしまいそれを棒で取り出した事も覚えているので、何かを探し
て覗いていたのかもしれない。何かを探すというと、戦後の物資不足で空き缶、屑鉄等の金
属片を拾い集めて廻ってきた古物屋に売った事も記憶にある。自分で小銭を稼ぐこともして
いたわけである。これは遊びの一つでもあり、友達とあちこち廻った。同様に兎を飼って小遣
い稼ぎをした。兎の餌取りも友達とかごを持って出かけた。遊びの中に小銭を稼ぐという労働
の勉強も含まれていたわけである。