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2010年2月 4日 (木)

捨てる技術

2010/2/4

捨てる技術

物余りの時代に入って、有限のスペースが一杯になれば、それ以上の物を入れるためには

何かを押し出さなければならない。これは、自明のように感じる。しかし、地球的規模で見れ

ば、あるところの物が他の場所に移っただけで増減はない。終戦後の物不足の時代に育っ

た自分にとっては、形があるものは何らかの価値があるように見えてそれを捨てるにはとま

どいがあるのは事実である。マニアの中には捨てられて残りにくい物を収集している人もいる

ようだ。ともかく、人間が作った物でも人間に見放されてしまうと消滅の運命に直面する。そ

のなかで、一番哀れなのは自分の寿命の一部を裂いて作った物(情報も含まれる)であろ

う。これは大抵同じ物が二つとない。そんな訳で子供の作った工作や絵はできるだけ残して

おこうとしている。その作った本人がそんな物は残さないでくれと言われるとジレンマに陥る。

作られた作品は単なる物ではなく、貴重な時間を費やしている証拠物件でもある。物を大切

にする事はそれに要したエネルギーX時間の価値を認識する事に結びつくと思うのである。

大量に作られる工業製品も農産物も芸術作品もすべてエネルギーX時間という価値を背負っ

ているのである。人間の寿命の上限が120才位とすると、約100万時間に相当する。有効に

使える時間はその1/3程度で約30万時間が上限ではないか。自分が作った資料を入れた

USBメモリーを紛失してそれが時間の缶詰のような感じがして残念に思った。しかし、片づけ

物をしている時に、散らばっているがらくたの中から出てきた。これにはホッとした。がらくた

と一緒にくず箱に直行していた可能性もあった。幸い、そのスペースは自分の聖域で捨てる

技術も貧弱であった。捨てる技術より、探す技術、使い回す技術の方が自分の性分に合って

いるような気がする。それにも限度があるのだが。ともかく捨てる技術云々という本が脚光を

あびるのは、一種の文明の病理現象のようにも思える。そもそも一部の物を除いて、使用済

みのものの行き先が決められないまま先に作った者勝ちの世界が現在も続いているのであ

る。残念だが、不要になり排出された物の処分にもエネルギーX時間というコストがかかる事

である。

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  • 中村三夫: 13_NHK趣味の園芸:作業12ヶ月  カキ(NHK出版1996年)
    初心者向け柿栽培参考書(旧版)。新版と比較すると楽しい。
  • 山科正平: 12_細胞を読む   電子顕微鏡で見る生命の姿
    細胞はどんな部品からできているのか。そんな疑問に答えてくれる一冊。何事も形を見るのが第一歩。μからÅオーダーの世界で、細胞をメスで解剖するように、電子顕微鏡というメスで解剖して見せてくれるので興味が尽きない。
  • 柳田充弘: 11_細胞から生命が見える
    著者の専門は分子生物学、細胞生物学。普段生物を考えても細胞レベルで止まってしまう。その細胞の中で色々な分子が働いている。細胞こそ生命の基礎だが、その細胞の中の動きを知るのに最適な一冊。疑問の発端はなぜ発根剤が効くのかということ。薬剤が細胞膜を通過して細胞内で分子と分子が作用するイメージができた。本書でできた細胞のイメージは小さな無数の穴が空いた水分が充満したヨーヨーのようなもの。そのヨーヨーの中に分子部品が詰まっている。細胞自体もタライの中のヨーヨーのように浮かんでいる。細胞図面の空白部は真空でなく水分だ。細胞の内外に水がないと細胞は生きられない。水が生命のゆりかごだ!
  • 野口悠紀雄: 10_ホームページにオフィスを作る(2001年 光文社)
    ITが輝いた時代の作品。HPの活用法は参考になる。参考:url=http://www.noguchi.co.jp/(野口悠紀雄 ONLINE)
  • 小池洋男 編著: 09_果樹の接ぎ木・さし木・とり木(農文協:2007/3/31第1刷)
    やや専門的であるが、実務専門化が分担執筆しており、その場で役に立つ一冊。
  • ノーバート・ウィーナー(鎮目恭夫訳): 08_サイバネティックスはいかにして生まれたか(みすず書房1956)
    情報と通信という現代社会に不可欠の基礎的な学問を作った著者の自伝とそれを通した科学史
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