読みかじりの記:市長のひとりごと 清水聖義 著 (2002年 上毛新聞社)
2011/9/30
昨日も秋晴れ。午前は相変わらず下草刈り。というより、ジャングルの開拓のような仕事。始める前に鎌と剪定ばさみを研いだ。気分転換と仕事の準備。畑に向かって太いシノが進入している。2~3年手入れ不足で、シノも栄養養分を貯金したから太いシノが出せる。シノは正直、人間の方がぐうたら。そんな事を思いつつ背丈以上のシノや雑草に向かう。鎌を研いだのが正解だった。太いシノでもなんとか切れた。切り口を踏むと危険なので、できるだけ切り口が地下で鈍角になるように切る。またリンゴ樹が倒れている。皮一枚、断面1平方センチ以下でつながっていたのでまだ生きている。とりあえず水に浸けておく。毛虫で丸坊主になったスモモの木が芽を吹いて、花まで咲き出した。夏頃から既に花芽形成が進んでいるのだろう。正常なら、まだ葉が残っているので、開花を抑制しているが、葉が無くなったことで、発芽、開花と進んでしまったのだろう。当然、そこには植物ホルモンが働いている筈だ。午後は面会で外出。色々雑談。琴奨菊の大関昇進を話題にしたが、「万理一空」が出てこない。「○○一空」だけ思い出したが、これでは話にならない。パソコンに頼りすぎている。
2011/9/29の天気
TAVE= | 19.8 |
TMAX= | 25.8 |
TMIN= | 14.1 |
DIFF= | 11.7 |
WMAX= | 3 |
SUNS= | 11.2 |
RAIN= | 0 |
最低気温(℃) 13.8 04:30
最高気温(℃) 26.2 14:54
読みかじりの記:市長のひとりごと 清水聖義 著 (2002年 上毛新聞社)
著者が太田市長に就任したのが平成7年と本書にある。本書出版が平成14年で、丁度市長就任後7年目である。市長選初出馬の時の争点が市庁舎の規模であったと記憶している。著者は対立候補のが進めた庁舎はでかすぎるとの主張して、それが市民の支持を受けたのだろう。本書を通読して、印象に残っているのが、農作業の手伝いをしたこと、父親の事など。市長としての実績は、本書全体が語っている。本書の最初の項に、「市長になったその時から「マーケッティング」というものを意識して仕事をしていた。」と書かれており、そうだったのかと何となく納得した。大学の商学部を出て、マーケッティングとは極当たり前なのだろうが、それを一つの体系として実践する事は大変だろう。自分が学生の頃、日本人は、セールス・プレゼンテーションが下手である、諸君は自分を売り出すことの重要性を覚らなければならないと教えてくれた先生がいた。畔上道雄教授で、先生は趣味の方面でも多彩であった。売り出すとは、独自性、自己表現にも通じる。セールス・プレゼンテーションの重要性を教えてくれた先生は他にはいなかったように思う。本書の著者も何をアピールするのか色々工夫、試行錯誤しているようにも見える。そういう点で知名度も高い。ところが、名前は何と読むのだろうかと思っていたが、本書を読んでそれが分かった。名前まで売り込むのは大変なようだ。本書にも「株式会社ブロードバンドシティ太田」のBBCO(ぶぶこ)が紹介されている。これは著者が市長として設立した三つの第三セクターの内の一つ。当時、低額のインターネットサービスが少なかったので、うらやましいとおもった記憶がある。BBCO(ぶぶこ)を調べると以下の記事が見つかった。
RBB TODAYは、「群馬県太田市がITタウンを構築。下り速度1.5MbpsのADSL接続サービスを8月より提供へ;url=http://www.rbbtoday.com/article/2001/05/21/3648.html(2001年5月21日(月) 12時57分 )」というタイトルで、「群馬県太田市が出資する第三セクタ「ブロードバンドシティ太田」が、8月1日よりADSL接続サービスを提供することが明らかになった。第1期サービスエリアは、太田局(22、25、26番)、宝泉局(31~33番)、九合局(45~49番)の3局。また、年内中に毛里田局と高林局の2局でのサービス開始を予定している。 同社のADSL接続サービス「BBCO(ぶぶこ)」は、下り速度1.5Mbps、上り512kbps、2個のメールアカウント(BBCOメールアカウントおよび上位ISPメールアカウント)、10Mバイトのホームページ容量を基本サービスとし、月額4,980円でサービス提供を予定している。バックボーンは明らかにされていないが、域内では1Gbps程度を予定しており、地域内高速コンテンツサービスの提供を目指しているという。 また、Web上での家族間、サークル間、企業内グループウェア機能などのアプリケーションの提供によって、登録利用者間ポータルサイト構築を予定しているとのこと。 ブロードバンドシティ太田は、太田市のITタウン構想の実現のために、4月25日、太田市と三洋電機、三洋電機ソフトウェア、スパルシステムサービス、両毛システムズの5社によって設立された。太田市のITタウン基本構想は最先端のインフラを構築することで、地元産業の活性化と生活環境の利便性を向上することを目的としたものである。現在は、次の2つの事業を計画している。
・高度情報通信ネットワークサービスおよび情報管理サービスセンターの構築
・高度情報通信ネットワークおよび機関インフラ敷設事業者の誘致
(このニュースは、読者からの情報を元に編集部で確認し執筆いたしました。情報を提供していただき、ありがとうございます) 」と報じた。
尚、ブロードバンドは急激に普及して、「BBCO(ぶぶこ)」の魅力は低下して、2009年中に解散したようだ。10年という年月は長いようで短い。世界も経済も刻々と変わっている。地方自治もこのような変化の波にさらされている。目先の流行に乗り、為政者としては成功でも、後々住民が塗炭の苦しみを味わうようでは困る。最近勝てば官軍というような風潮が地方自治にまで及んできたのは歓迎すべき事なのか。地方は自ら目覚めなければならない。地方自治体の首長も多彩な活動が要求される。住民を眠りから醒ますのも先覚的な首長の役割に違いない。市民が何を要求しているかを知るのにはマーケッティング手法も重要である。しかし、単にマーケッティングという一方的な手段による行政は必ずしも民意を反映しない可能性もある。太田市は太田市意見公募手続実施要綱を定め、この要綱を、平成18 年8 月1 日から施行している。今後、首長主導だけではなく、住民が参加しないと市政の充実は遠のくのではないか。
群馬県の都市名をGoogleで検索すると、ヒット数は以下の通りであった(2011/9/27)。
高崎市:約 16,100,000 件
前橋市:約 7,060,000 件
太田市:約 16,400,000 件
太田市はWB上の知名度も高い。都市名も一つのブランドだ。情報化時代で、首長が自分の地域を売り出す努力の有り無しで知名度が変わる。その知名度にもプラスとマイナスの要因がある。知名度と地域の価値をいかに高めるべきか、行政のベンチマークの対象としても本書は参考になるだろう。かつて、今も知名度が大切だと思っているが、最近はそんなものに惑わされるなという感じも生まれつつある。売り込みに負けた方が負けという社会は余りにも味気ない。地方には、そんな浮き名に惑わされない低力が欲しい。一朝一夕でできる業ではないが。