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2013年10月24日 (木)

読みかじりの記:夏草や兵どもの夢の後 ――バブルと貪欲経済のなせる技―― エンジェル インベスター 平強氏の記事をBLOG(http://tsuyoshitaira.com/)で読む。

2013年10月24日(水)
昨日は曇り。最高気温(℃) 18.0 12:11。最低気温(℃) 14.9 04:24。ざっそう句:ブービーが トップと並ぶ 俺の畑。終日曇りの肌寒い一日。宅内閑居。一昨日の続き。空き家の取り壊しを見る。取り壊しが終わって廃材をトラックに積んでいた。更地になり、終戦後の畑の姿になろうとしている。気分転換に少し農作業。一回目に移植したブロッコリーのほとんどが枯れた。おかしいなと思い引き抜いて見ると根元に虫穴や虫が舐めた跡があった。農薬を使っていれば助かったかも知れない。くず苗は残していたのでそれが育っていた。何とか枯れた苗の後釜になった。まさに敗者復活ができた。捨てるなその苗。昔は、田植えが終わって残った苗を田圃の片隅に仮置きしていた。これも、一種のバックアップ。苗になって見れば敗者復活のチャンスなのだ。現役時代に、半導体部門で一緒に仕事をした事がある、エンジェル インベスター 平強氏のBLOGが更新されていたので、感慨深く読ませていただいた。

2013年10月23日の天気(AMEDAS)

TAVE= 16.0 NO DATA
TMAX= 17.4 最高気温(℃) 18.0 12:11
TMIN= 15 最低気温(℃) 14.9 04:24
DIFF= 2.4
WMAX= 2.8 最大瞬間風速(m/s)(風向(16方位)) 5.2(東南東) 13:00
SUNS= 0 NO DATA
RAIN= 0 NO DATA

Q
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読みかじりの記:夏草や兵どもの夢の後 ――バブルと貪欲経済のなせる技―― エンジェル インベスター 平強氏の記事をBLOG(http://tsuyoshitaira.com/)で読む。

あるものを取り囲む種々の条件を環境は環境と呼ばれる。「三つの環境(http://af06.kazelog.jp/itoshikimono/2008/10/post-3d94.html)。(2008/10/22)」。その環境は、刻々と変わっている。自分も、職場も、社会も常に変わっている。もう30年以上も前の話だが、平強氏は、音響関係の回路技術者で、自分はテレビ関係の回路技術者であった。同じ、開発部門という大きなフロアにいたが、ほとんど交流が無かった。

平氏はその後、営業部門へ転出。アメリカ、北米で半導体の販売、市場開拓をしていた。自分は部下が付いたが、その部下を置いて一人第三の開発部門へ転出した。同じ転出でも、望んだものか、さもないかは様々。日本が家電で実力を付けて来ると、アメリカの家電メーカーは壊滅的打撃を受けて、日本が得意としている家電用の半導体の売り先がほとんどなかったのが実情だったようだ。そこで、アメリカで売れる半導体を開発して売り込もうと言う戦略を立てたようだ。

いまでは、日本のコンピュータゲームは世界を席巻しているが、当時はアメリカも元気であった。そこで平氏が持ち込んだ企画がバックアップ機能付きというレギュレータ。自分も、他部署に異動となり、実績を上げるため未開拓の分野に挑戦せざるを得なかった。「初期のテレビゲーム(http://af06.kazelog.jp/itoshikimono/2009/02/post-c6ec.html)。(2006/2/18)」。この製品は汎用品として開発したが、幻のレギュレータで終わった。しかし、5ピンのTO-220外形というパッケージ資産を残した。トランジスタ外形の集積回路しか開発できない部署にいた時で、3ピンから5ピンとピン数が増えた時の自由度の広がりが有難かった。このパッケージに入れた、リセット機能付きのレギュレータレータは市場に迎えられ大量に出荷された。

もう一つ、記憶に残るチャレンジがある。当時のアメリカの半導体市場は、民生品は少なく、自動車用、産業用、軍用等が占める市場が大きかった。この傾向は現在も大差ないと思う。第三の開発部署に異動になり数ヶ月後頃だったか、正月が明けて出勤になった時、上司の部長によばれ、こういう品目の開発企画書が出ているから担当して欲しいと言われた。内容はMIL規格の製品に使う集積回路であった。企画はしばらくたなざらしになっていたようだ。さすがに、この指示には即答できなかった。企画のセールストークは、MIL規格製品を開発してその実績で、自動車市場を攻めるというようなものだったと思う。当時、自分の異動は花形部署から去るので、敗北感を味わっていた。今になって、考えるとこれは抜擢だったのか?

ともかく、部下二人だけで、新製品の開発に挑戦。要求仕様で一番厳しいのが、動作温度で、-50~+150℃であった。試作品の評価だけでも難儀した。恒温槽は低温では凍結し、恒温では焦げ臭いニオイを発した。悪戦苦闘の末、何とか完成できた。この技術を使って、自動車の表示デバイスを開発するという壮大な夢もあった。当時、液晶の信頼性に不安があり、車載用のキーデバイスとして採用される事はなかったと思う。従って、表示デバイスとしてはLEDのドットマトリックス方式を想定していたのである。社内にはLED部門もあり、これを契機にLED部門との関係も生まれた。今日では、自動車運行でもっとも重要な機能を持つカーナビが当たり前になっており、隔世の感がある。

平氏は本BLOGでS.Jobsが示した液晶パネルの仕様と数量が記されたメモを掲載している。確かに、「buy lots!」と書かれている。数量と価格は、企画時点で必須項目ではある。しかし、開発を取り巻く環境は刻々と変わっている。企画書が当たるという保証もないのが現実の世界だ。一歩先に出るだけで未知の世界が広がる。石橋を叩いても渡らないようでは進歩がない。誰かが、リスクをとらねば進まない事も多い。当然、そのリスクに対するリターンも重要だ。

やはり、ベンチャーを育てるには単にバブルの金をつぎ込むだけでは成功しないという事をこのBLOGは語っているように感じる。そうして、ベンチャーを資金面で支援するのが、エンジェル インベスター。この仕事にも平氏が、技術者、セールスエンジニア・マネジャーとして、製品開発や市場開拓に従事した経験とノウハウが生かされているように感じる。それとともに、夢を描いて見せる能力も必要だ。その夢を信じるかけなすか。けなすでけでは夢は実現しない。新しい事業に挑戦して、失敗し、再チャレンジで成功する。成功しなければ、以前の失敗は勲章にならない。その夢を追って、新しい挑戦が生まれる。それにしても、本BLOGの末尾にある多数の兵どもの墓標がまぶしい。

この記事は、技術の歴史でもあり、アメリカの開拓精神を伝える内容も豊富に含んでいる。技術者だけでなく、色々な分野の先頭に立つ人々にもぜひ読んでもらいたい記事である。

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  • 出町 誠: 14_NHK趣味の園芸:よく分かる栽培12ヶ月  カキ(NHK出版2007年)
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  • 山科正平: 12_細胞を読む   電子顕微鏡で見る生命の姿
    細胞はどんな部品からできているのか。そんな疑問に答えてくれる一冊。何事も形を見るのが第一歩。μからÅオーダーの世界で、細胞をメスで解剖するように、電子顕微鏡というメスで解剖して見せてくれるので興味が尽きない。
  • 柳田充弘: 11_細胞から生命が見える
    著者の専門は分子生物学、細胞生物学。普段生物を考えても細胞レベルで止まってしまう。その細胞の中で色々な分子が働いている。細胞こそ生命の基礎だが、その細胞の中の動きを知るのに最適な一冊。疑問の発端はなぜ発根剤が効くのかということ。薬剤が細胞膜を通過して細胞内で分子と分子が作用するイメージができた。本書でできた細胞のイメージは小さな無数の穴が空いた水分が充満したヨーヨーのようなもの。そのヨーヨーの中に分子部品が詰まっている。細胞自体もタライの中のヨーヨーのように浮かんでいる。細胞図面の空白部は真空でなく水分だ。細胞の内外に水がないと細胞は生きられない。水が生命のゆりかごだ!
  • 野口悠紀雄: 10_ホームページにオフィスを作る(2001年 光文社)
    ITが輝いた時代の作品。HPの活用法は参考になる。参考:url=http://www.noguchi.co.jp/(野口悠紀雄 ONLINE)
  • 小池洋男 編著: 09_果樹の接ぎ木・さし木・とり木(農文協:2007/3/31第1刷)
    やや専門的であるが、実務専門化が分担執筆しており、その場で役に立つ一冊。
  • ノーバート・ウィーナー(鎮目恭夫訳): 08_サイバネティックスはいかにして生まれたか(みすず書房1956)
    情報と通信という現代社会に不可欠の基礎的な学問を作った著者の自伝とそれを通した科学史
  • 沼田 真(編): 07_雑草の科学(研成社1979)
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    2010/8/4:MEMO等の表示に使える。 農作業で気になる自戒の言葉 ■畑の石ころはいつまで経ってもても石ころ(早く拾って片づけよという意味か)。 ■同じ石を二度拾うな(やってみると難しい)。 ■手ぶらで歩くな。 ■三つ先のことを読め。 ■適当な観察。 ■空を見よ(気分転換、休憩、天気を読む、腰曲がり防止)