雑草句録:水切り
2010/10/9
雑草句録:水切り
■稲穂垂れ用水堰の水を切る
水利の水当番もこれで一年の仕事は終わったように感じる時である。各水田毎に、取り入れる水を調整する小さな堰があり、これは各農家が管理する。水利当番は上位の水路から取水する個人では利害が相反する堰の管理をする。いわば、各農家の調整弁という役柄でもある。
このような取水経路を全体的に眺めると、利根川⇒大正用水⇒各支流用水⇒更にその支流⇒⇒各水田というようにネットワークが成り立っている。主要な水田は主に平坦地にあるので、水を流す勾配は小さい。各水田に水を導くだけでも相当の努力と技術が要る。小さな水路でも数百mから1km程度上流から延々と水を導いている例もある。稲作をする水田に最適に水を配分するだけでも相当な基盤整備が必要であると感じた。
この水田のための水の循環は丁度人間の血液循環器系の動脈部に相当し、自然界の水の循環だけではなく、緑のダムとして雨水を蓄え、洪水の防止にも一役買っているのである。こういう事も水利当番をして改めて知った事であった。