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2010年10月17日 (日)

日本語耳:科学ニュースに独り言

2010/10/17

日本語耳:科学ニュースに独り言

「日本語耳」の獲得
最近の上毛新聞に、日本人の外国語下手の要因と考えられる「日本語耳」という特性が生後14ヶ月以内に獲得されているという注目すべき記事があった。詳細が分からないので検索したら理研の「外国語に母音を挿入して聞く「日本語耳」は生後14カ月から獲得-日本人乳幼児とフランス人乳幼児の子音連続の知覚は発達で変わる-」というプレスリリースがあった。言葉の深層に迫る事は脳の、ひいては言語や文化、俳句、短歌等の文学の深層に迫る事に通じるのではないかと思う。

理研脳科学総合研究センター(利根川進センター長)との共同研究との事で、人間の脳研究が言語という高等な精神領域まで及んできた恐怖を感じる。しかし、まだ実験心理学的な部分もあり、その結果が脳細胞レベルで解明されないことに一抹の楽観が許される。最近、女性プロ棋士がコンピュータに負けたというニュースがあった。コンピュータ側は相手の手を読んでどんな手を検討したか全て記録し読み出せるだろう。言語の取得がコンピュータでシミュレーションできる時代がくるのだろうか。利根川博士の「私の脳科学講義」を古本で読んだ直後であり、同書出版からほぼ十年後のこのニュースで氏が「理研脳科学総合研究センター(利根川進センター長)」で継続して研究をされている事を初めて知った。氏が「私の脳科学講義」で後続の研究者にノーベル賞を取って貰いたいと述べていた事を思い出した。脳科学が科学の最先端であり、ここにノーベル賞級の科学の鉱脈があるだろうと素人的に予想している。

このニュースに関する自分の印象等はこのWEB PAGE(09C_日本語耳)参照:http://af06.kazelog.jp/itoshikimono/09c_NIHONGO_MIMI.html

発表の抜粋を以下に掲載するhttp://www.riken.go.jp/r-world/info/release/press/2010/101012/detail.htmlより:
『独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)は、日本人は生後14カ月までに「abna」のような子音の連続が含まれる単語と「abuna」のような子音連続が含まれない単語の音を区別して聞き取れなくなっていることを発見しました。これは、理研脳科学総合研究センター(利根川進センター長)言語発達研究チームの馬塚れい子チームリーダー、イボンヌ・カオ(Yvonne Cao)テクニカルスタッフ、フランスの国立科学研究センター(CNRS)のE・デュプー教授(Emmanuel Dupoux)、A・クリストフ教授(Anne Christophe)らの共同研究による成果です。

言語には、母音や子音の組み合わせ方や音節※1についての規則があります。日本語の音節は「ku」や「do」のように子音と母音からなるのが原則で、日本人はそれに合わない外国単語に「u」や「o」の母音を挿入して日本語の規則に合うように修正して発音したり、聞いたりしてしまいます。このような、外国語の音を母語の音の体系に合わせて発音したり知覚したりしてしまうことを「修復」といいます。例えば、ハンバーガーチェーンの名前で世界に知られている「McDonald」は、英語では3音節ですが、日本語では母音を挿入して「ma.ku.do.na.ru.do」と修復して発音するため、英語話者にこれが英語の「McDonald」と絶対に通じない単語として有名です。

研究グループは、生後約8カ月と生後約14カ月の日本人の乳幼児とフランス人の乳幼児各24人(合計96人)に「abna」、「ebzo」などの連続した子音が含まれる単語と「abuna」、「ebuzo」のように母音を挿入した単語を聞かせ、乳幼児が弁別※2して聞いているかどうかを調べる実験を行いました。その結果、生後8カ月では、どちらの乳幼児も弁別ができていたにもかかわらず、生後14カ月になると日本人の乳幼児だけが弁別できなくなっていることを突き止めました。これまで修復は、たくさんの語い(彙)を獲得したり、文字を学んだりした結果起こるものだと考えられていました。しかし今回の実験から、この修復が、実は語彙も数少なく文字も知らない乳幼児期からすでに始まっていることが分かりました。これは、個別の母音や子音だけでなく、音の並びの規則(音韻体系)についても乳幼児期からすでに獲得が進んでいることを示す重要な発見で、日本人が外国語の音をうまく聞き分けられない原因の解明にもつながる成果です。本研究成果は、米国の科学雑誌『Developmental Science』に近く掲載されます。』

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    初心者向け柿栽培参考書(旧版)。新版と比較すると楽しい。
  • 山科正平: 12_細胞を読む   電子顕微鏡で見る生命の姿
    細胞はどんな部品からできているのか。そんな疑問に答えてくれる一冊。何事も形を見るのが第一歩。μからÅオーダーの世界で、細胞をメスで解剖するように、電子顕微鏡というメスで解剖して見せてくれるので興味が尽きない。
  • 柳田充弘: 11_細胞から生命が見える
    著者の専門は分子生物学、細胞生物学。普段生物を考えても細胞レベルで止まってしまう。その細胞の中で色々な分子が働いている。細胞こそ生命の基礎だが、その細胞の中の動きを知るのに最適な一冊。疑問の発端はなぜ発根剤が効くのかということ。薬剤が細胞膜を通過して細胞内で分子と分子が作用するイメージができた。本書でできた細胞のイメージは小さな無数の穴が空いた水分が充満したヨーヨーのようなもの。そのヨーヨーの中に分子部品が詰まっている。細胞自体もタライの中のヨーヨーのように浮かんでいる。細胞図面の空白部は真空でなく水分だ。細胞の内外に水がないと細胞は生きられない。水が生命のゆりかごだ!
  • 野口悠紀雄: 10_ホームページにオフィスを作る(2001年 光文社)
    ITが輝いた時代の作品。HPの活用法は参考になる。参考:url=http://www.noguchi.co.jp/(野口悠紀雄 ONLINE)
  • 小池洋男 編著: 09_果樹の接ぎ木・さし木・とり木(農文協:2007/3/31第1刷)
    やや専門的であるが、実務専門化が分担執筆しており、その場で役に立つ一冊。
  • ノーバート・ウィーナー(鎮目恭夫訳): 08_サイバネティックスはいかにして生まれたか(みすず書房1956)
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