技術 回顧と展望:原子力発電所のストレステストの信頼性は誰が保証する?
2012/1/29(日)
昨日は晴れ。27日に続いて寒い日。自家水道が凍結していた。日向で手仕事。剪定ばさみを研いだ。一昨日、浄化槽の水質検査員が来た。今度はこちらから寒くないかと聞いた。さすが屋外作業の専門家、防寒対策はしているとの事。そんな話をしたら、こういうのがあると、くるぶしまで届くモモヒキを出してくれた。早速着用。今までは膝下までのものを着用。群馬県でもインフルエンザは増加している(インフルエンザについて;url=http://www.pref.gunma.jp/02/p07110015.html)。要注意だ。
2012/1/28(土)の天気
TAVE= | 0.4 | |
TMAX= | 3.8 | 最高気温(℃) 4.4 12:58 |
TMIN= | -3.4 | 最低気温(℃) -6.2 04:55 |
DIFF= | 7.2 | |
WMAX= | 7.5 | 最大瞬間風速(m/s) 13.3(北北西) 13:24 |
SUNS= | 9 | |
RAIN= | 0 |
技術 回顧と展望:原子力発電所のストレステストの信頼性は誰が保証する?
原発のストレステストが関心を集めている。「ストレステスト;http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%B9%E3%83%88;(最終更新 2012年1月23日 (月) 10:12)」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(http://ja.wikipedia.org/)。の記事に「ストレス・テスト(英: stress test)とは、システムに通常以上の負荷をかけて正常に動作するか、つまり隠れた欠陥がないか調べるリスク管理手法のひとつである。耐久試験。」、「原子力発電所:実際の作業としては、原発の施設の設計に基づき、想定以上の地震や津波が来た場合、テロリストによる攻撃を受けた場合、飛行機が墜落した場合などに、どのくらいの事故になるかをコンピュータシミュレーションにより予想するもの。」とある。
コンピュータシミュレーションでどこまで原子力発電所の信頼性の評価が出来るか疑問がある。コンピュータシミュレーションが適用できるのは、コンピュータ上に構築したモデルが現実の評価対象を正確に反映していなければならない。そのためには、破壊や劣化のメカニズムがシミュレーションモデルに乗らなければならない。破壊や劣化は、非線形現象、確率現象も含む。原子力発電所を正確に記述するシミュレータが不可欠だろうが、それは可能か?極論するとコンピュータご託宣に過ぎないのではないか。なぜなら、コンピュータ上で加えられるストレスはあくまで仮想のストレスに過ぎないのだ。半導体製品のように単価の安い工業製品ならば実際に、各種のストレスを印可してその信頼性を評価できるが、原子力発電所は破壊テストは許されない。原子力発電所の設計審査にはトラック何台分程の資料があると聞いたことがあるが、そのような設計審査をしたとしても東京電力福島原発事故が起きている。その事故原因が徹底的に解明されない限り、原子力発電所ストレスは絵に描いた餅のように見える。
日本経済新聞は、「IAEA調査団が大飯原発視察;url=http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819490E0E4E2E2938DE0E4E2E3E0E2E3E09790E3E2E2E2;at=DGXZZO0195583008122009000000(2012/1/26 10:40)」というタイトルで、「国際原子力機関(IAEA)の調査団は26日、経済産業省原子力安全・保安院がストレステスト(耐性調査)の1次評価結果を妥当とした、関西電力大飯原子力発電所3、4号機(福井県おおい町)を視察した。団長を務めるIAEAのジェームズ・E・ライオンズ原子力施設安全部長は「既存の原発に対して行われている取り組みと手法を評価する」と語った。 調査団は東京電力福島第1原発の事故後に緊急安全対策の一環として配備された、空冷式非常用発電装置の接続・起動訓練などの作業を確認。31日までに、ストレステストが的確に実施されているかどうかの評価書を保安院に提出する見通し。」と報じた。
毎日新聞は、「EU:原発、4カ国で改善要求 安全性強化を--ストレステスト;url=http://mainichi.jp/select/world/news/20120108ddm002030107000c.html( 2012年1月8日)」というタイトルで、「【ブリュッセル斎藤義彦】原発の耐震性などを調べる欧州連合(EU)の安全評価(ストレステスト)で、ドイツ、オランダ、ハンガリー、ブルガリアの4カ国の原子力規制当局が電力事業者などに対して安全性を強化するための改善措置や追加調査を要求していることがわかった。特定の災害を想定していなかったり、調査の時間が足りなかったりしたことなどが理由。EUは福島第1原発事故を受け他国・地域に先駆けて安全評価を実施したが、限られた時間で安全性を評価し切れなかった実態が明らかになった。」と報じた。
ストレステストの実態は、原子力発電所を知る、原発メーカーや事業者が行っている自己評価に近いようだ。どうしても自分には甘くなる。日本のストレステストの場合、IAEAの視察の役割は何か。原子力安全保安院の評価にお墨付きを与えるだけで終わるのか。残念ながら、原子力発電所のストレステストの信頼性を保証する機関はありそうにない。