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2013年2月 1日 (金)

技術 回顧と展望(老人の寝言):日の丸半導体は親方日の丸が救うのか

2013年2月1日金曜日
昨日は晴れ。最低気温(℃) -3.4 07:04 。ざっそう句:カラコロと 石の鳴る靴 俺の靴。用事外出。かつて業界内では、トランジスタや集積回路がシリコンでできているので、それらを石と呼んで読んでいた。この駄句の石は本当の小石だ。靴底の穴から潜り込んできた。旧暦の1月が睦月(むつき)。2月が「如月(きさらぎ)」。「更衣」、「衣更着」とも書くらしい。広辞苑によると、「着物を更に重ね着る意」は誤りとしていた。「生更ぎ:キサラギ」の意味で、「草木の更生することをいう。」とある。」立春が 2月4日との事だ。まだ寒いが春は確実に近づいてくる。1月31日の記事に第1次産業と第2次産業合計の従事者数が全体の約30%と書いた。東北地方太平洋沖地震の発生からまもなく23ヶ月、2年目になる。資材の納入体制で必要最小限しか在庫を持たないジャストインタイムで有名なトヨタの車生産が多くの間接的被害を受けたのを思い出した。

2013年1月31日の天気(AMEDAS)

TAVE= 2.5
TMAX= 8.4 最高気温(℃) 8.8 15:24 
TMIN= -2.9 最低気温(℃) -3.4 07:04 
DIFF= 11.3
WMAX= 3.6 最大瞬間風速(m/s)(風向(16方位)) 9.3(西北西) 00:05 
SUNS= 9.2
RAIN= 0

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技術 回顧と展望(老人の寝言):日の丸半導体は親方日の丸が救うのか

現在ではマイコンが自動車のキーパーツになっている。マイコンという小さな半導体部品がなければ、自動車は単なる金属等のかたまりに過ぎなくなってしまう。エンジンさえ回らない。そのマイコン供給を担ってきたのが半導体メーカーのルネサスエレクトロニクス。そのルネサスも経営不振で再建中。一時外資が買収を企てたが、日本の製造業への影響が非常に大きいので国が乗り出してきた。

Business Journalは、「2013年の経済界を展望する(5) 「経産省無責任体制」ルネサス支援で国民が払うツケ…革新機構とトヨタのすれ違いも。http://biz-journal.jp/2013/01/post_1319.html。(2013.01.15))」というタイトルで、「2012年12月10日、政府系ファンドの産業革新機構による半導体大手、ルネサスエレクトロニクスの買収が正式に決まった。 ルネサス13年2月から9月にかけて1株120円で12.5億株、1500億円の第三者割当増資を行う。このうち革新機構が1383.5億円を引き受ける。出資比率は69.2%で筆頭株主となる。 残りの116.5億円は企業連合、8社が出す。トヨタ自動車の出資額は50億円、日産自動車は30億円、デンソー、ケーヒンの2社が各10億円、パナソニック、キヤノン、ニコンの3社がそれぞれ5億円、安川電機は1.5億円だ。革新機構はさらに追加出資または融資を500億円を上限に行う予定だ。 ルネサスの経営再建は革新機構の手に委ねられた。 ルネサスの支援はトヨタ自動車が主導した。トヨタは12年8月末に米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)が総額1000億円でルネサスを買収したいと提案したのを受け、外資系ファンドの傘下に入った場合の影響を分析した。」と報じた。

上記記事は「買収資金の出所は国の金=税金だ。税金を投入して果してルネサスの再生は可能なのか。」と再生手法に疑問を投げかけている。「法的処理では企業(経営者)の責任、株主の責任、債権者の責任が一括して問われるが、実質国有化という美名に隠された救済なら経営責任、株主責任など、もろもろの責任は追及されずに済む。」の例として、前者では日本航空、後者では東京電力の例を述べている。

現在では、車はメカトロニクスの極致を極めている。それだけ技術が高度化している。車の部品もユニット化が進み、修理もそのユニット交換で行う場合が多くなったようだ。最近、我が愛車の軽トラのウインカーの点滅速度が倍位速くなった。車検の時、その旨伝えて修理をしてもらった。原因は、ランプが切れていたためであった。昔の車なら、原因と症状の対応がかなりハッキリしているので整備も楽だったようだ。自動車にマイコンや半導体が使われるようになり、車の異常発進が問題になった事もあった。最近では、アメリカ市場におけるトヨタ車にタイするクレーム事件が記憶に新しい。「技術断想:米運輸省によるトヨタ車急加速問題の調査結果(http://af06.kazelog.jp/itoshikimono/2011/02/post-28c0.html)。(2011年2月12日 (土))」。

現役時代、自分が開発に関与した電源関係の集積回路が車載用に使われると決まったと聞いた記憶がある。車載用としてパッケージ品ではなくチップ品として供給されたらしい。車関係は信頼性だけでなく、生産・購買関係の情報管理も厳しかったので、同じ社内であっても、詳細は知らされなかった。しかし、品質への要求は厳しい物があった。特に、走る・止まる・曲がるとかの走行系に使われる場合は大変だった。不良品が発生した場合は、その原因調査と対策が求められた。現在、どうなっているか知らないが、半導体も民生用以外では高品質が要求される事、その市場への対応としてQS9001システムの認証取得への動きも出てきた。

日本の半導体の凋落については、「読みかじりの記:「日の丸 半導体は 死なず 黄金の80年代の復活か?」 泉谷 渉 著(2007年 株式会社 光文社)(http://af06.kazelog.jp/itoshikimono/2012/08/802007-f8dd.html)。(2012年8月27日 (月))」という記事を書いた。今、振り返ると、日本の半導体は、専業体制ではなく、社内の道楽息子みたいな立場であった、いざという時は本体が支えてくれるという親方日の丸という甘えがあったようにも思われる。

一般社団法人半導体産業人協会 会報77号で技術ジャーナリスト・金沢大学講師 志村幸雄氏
(諮問委員会委員長)は、「日の丸半導体よ、お前もか!。http://www.ssis.or.jp/ssis/pdf/Encore77.pdf。(2012 年10 月))」というタイトルで、「だが、真理は永遠なりで、経済的な効果に限っても、GDP や雇用への寄与、生産性向上への貢献、新産業の創出など様々な効果が期待される。現に、わが国GDPへの半導体産業の寄与度は1%前後にとどまるが、製造業や通信サービスへの波及効果を含めると12%にも達する。当協会理事長の牧本次生氏の著書名を借りれば、まさに「一国の盛衰は半導体にあり」なのだ。~。国策によって投入された国費が、回り回って外国企業の事業活動に利し、しかも日の丸半導体の凋落を加速するとすれば何とも切なく、割り切れない気持ちである。産業政策の大胆な見直しを含めて、関係者には猛省を促したい。と同時に懸念されるのは、国産メーカーの身売りや再編によって生じる技術流出の問題である。」と述べている。

戦後の生活の豊かさを示してくれたのが電気(TV等の家電製品)と自動車ではなかろうか。そのインフラとしてあった企業が、電力会社と自動車会社ではなかった。財界総理も電力、自動車部門から生まれてきた。自動車もそのエネルギー源がガソリンから電気へと変わる時代が見えてきた。電力もスマートグリッド等々きめ細かな制御によりエネルギーの効率化が期待される時代になる。自動車のインテリジェント化は進み、既にアメリカでは無人走行の実験も始まっている。半導体は、情報・通信、交通、社会等々あらゆる分野に不可欠な部品である。

戦後の日本の豊かさの象徴であった半導体も原子力も今、曲がり角を迎えている。半導体も見方を変えれば技術の塊だ。そこには技術的な知的財やノウハウと共に技術者の体験・経験・思いも詰まっている。それが、二束三文の値段で外資にたたき売りされるのはなんとも哀れであり勿体なくもある。ただ、そのような姿に落ちぶれた原因は解明されるべきだろう。やはり、自分なりには国家や企業を指導する最高責任者の経営精神に問題があるのではないかと感じざるを得ない。

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  • 中村三夫: 13_NHK趣味の園芸:作業12ヶ月  カキ(NHK出版1996年)
    初心者向け柿栽培参考書(旧版)。新版と比較すると楽しい。
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    細胞はどんな部品からできているのか。そんな疑問に答えてくれる一冊。何事も形を見るのが第一歩。μからÅオーダーの世界で、細胞をメスで解剖するように、電子顕微鏡というメスで解剖して見せてくれるので興味が尽きない。
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    著者の専門は分子生物学、細胞生物学。普段生物を考えても細胞レベルで止まってしまう。その細胞の中で色々な分子が働いている。細胞こそ生命の基礎だが、その細胞の中の動きを知るのに最適な一冊。疑問の発端はなぜ発根剤が効くのかということ。薬剤が細胞膜を通過して細胞内で分子と分子が作用するイメージができた。本書でできた細胞のイメージは小さな無数の穴が空いた水分が充満したヨーヨーのようなもの。そのヨーヨーの中に分子部品が詰まっている。細胞自体もタライの中のヨーヨーのように浮かんでいる。細胞図面の空白部は真空でなく水分だ。細胞の内外に水がないと細胞は生きられない。水が生命のゆりかごだ!
  • 野口悠紀雄: 10_ホームページにオフィスを作る(2001年 光文社)
    ITが輝いた時代の作品。HPの活用法は参考になる。参考:url=http://www.noguchi.co.jp/(野口悠紀雄 ONLINE)
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    やや専門的であるが、実務専門化が分担執筆しており、その場で役に立つ一冊。
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