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2009年6月

2009年6月10日 (水)

桑の実で思い出すこと

2009/6/10

桑の実で思い出すこと

養蚕地帯で幼少期を過ごした人にとっては桑の実をとって食べたことが記憶に残っているだ

ろう。とって食べるのが遊びであり、おやつでもあった。鮮明に記憶に残っているという事は

遊びの部分が多くを占めているためなのだろうか。特別なおやつといえば母がミソをつけた

おむすびを作ってくれた程度であろう。ともかく、桑の実をとって食べることにより親からも先

生からも指示されることが無く自由勝手にできるスリルと面白さを体験出来たと思う。時に

は、ウリやトマトを畑から失敬する輩もいた。これは明らかに農作物であり、子供にも罪の

意識が生じた。しかし、農家のおやじにコラーと追いかけられるスリルを予期しつつ及ぶとい

う節もあった。当時はこういうきわどい遊びも大目にみる雰囲気があった。農家のおやじもう

ちのせがれもどこかで同じ様な事をしているかも知れないと思うとお互い様という気持ちもあ

ったかもしれない。見て見ぬふりをするより教育のために一発叱ってやるかと思ってそうした

のかもしれない。その点、桑の実をとって食べられる分にはほとんど実害が無いので子供達

は安心して桑の実を食べられた。そんな、桑の実も最早食べられない。もう一度食べてみた

いと思い、マルベリーの苗を数種類購入して、今年はかなり実を付けている。当然の事では

あるが、果実の香りは桑の香りと重なり、養蚕の手伝いの記憶に引き込まれてしまった。数

個食べてみた。完熟ではないので何とも言いようがない。その後は鳥の楽園になっている。

果樹としてはまだまだ改良の余地はある。六月に熟するので端境期の果樹として利用できれ

ば面白いであろう。

2009年6月 9日 (火)

アネモネ

2009/6/9

アネモネ

何となく親しみのある花の名前である。幼少時に育てた記憶があるのが、アネモネとデージ

ーであった。種袋に印刷された花のように上手に咲かす事はできなかった。やはり手間を掛

けて管理を徹底することがきれいな花を咲かせるための条件だったかも知れない。もう一度

チャレンジしたい気もするし、無駄な時間を費やすのは止めようという気もする。記憶の片隅

でひっそりと咲いていてくれればよいのかもしれない。

2009年6月 8日 (月)

タイサンボク

2009/6/8

タイサンボク

父が安行あたりで買ってきた庭木にタイサンボクがある。名前が気に入っていたのであろう。

既に庭の一角に確とした位置を占めている。白い大きな花を付けたのを数回見た。ともかく

大きな葉が障害になって樹木の頂部まで視線が移る事が少ないので咲いた花も見過ごされ

ているようだ。一度、この木の枝にスズメバチが巣を作った。大きな風船が枝につかえている

ような感じがして、思わず手を出そうとした所であった。樹高1~2メートルで花を咲かせる事

が出来ればもっと親しみの持てる庭木になるのではないかと思う。しかし、人を寄せ付けず、

咲く花を誇るででもなく、悠々としているからこそタイサンボクにふさわしいのか。

2009年6月 7日 (日)

変貌した半導体工場

2009/6/7

変貌した半導体工場

自分が手作りの自動測定器を半導体組立工場に導入した頃は半導体工場は活気に満ちて

いた。官営の富岡製糸工場で女工さんが働いている写真を見るとその工場の当時の雰囲気

が偲ばれる。その時代の先端産業の労働の現場の姿がそこにある。富岡製糸工場が稼働

していた明治時代から一世紀余を経た昭和の時代は半導体工場で大勢の若い女工さんが

働いていた時代でもあった。自分がそのような工場に行ったのは、測定器の校正、修理、歩

留まり調査等の目的のためで、極限られた機会であった。しかし、そこで白衣を着て、てきぱ

きと仕事に励む女工さんの姿をみるとまさに天国と錯覚するようでさえあった。更に、その十

数年後、当時の仕事からは離れたが、何かの機会に工場を訪れた時は、工場は静まり返

り、十数台の測定器を管理する係りの男性が、工場内を巡回しているだけであった。あの白

衣の女工さん達はどこへいったのか。それから更に十数年後、工場自体が海外に出ていっ

た。これは、あの富岡製糸工場が辿ってきた歴史と同じ事なのだろうか。ともかく、富岡製糸

工場で働いた女工さん、半導体工場で働いた女工さんも当時の最先端の技術を学び、誇り

をもって自分の仕事に従事したことであろう。日本の最先端の産業もこのような女工さんの

働きに支えられていた事を忘れてはならないであろう。

2009年6月 6日 (土)

半導体農業論

2009/6/6

半導体農業論

今日の半導体はタバコの煙等を寄せ付けないどころか、人間の直接作業さえ寄せ付けない

超クリーンな環境が必要とされている。マイクロメータの世界からナノメータの世界に入りつ

つある。しかし、初期の半導体製造は全て人手を介して行われていた。製造する環境も十分

に管理されていなかった。従って、良品がとれる歩留まりは常に大きく変動した。それも、ゼ

ロ%から数十%が常態に近く、90~100%等は夢のまた夢であった。極端な場合はその日の

天気により歩留まりが変化する事を受けて、農業と同じ状況であるとして、半導体農業論が

ささやかれた。今日の歩留まりの水準は定かではないが、99%は十分に確保されていると

推定している。しかし、完全な100%は到らないであろう。常にぎりぎりまでの微細化が要求さ

れており、微細化が進めば、それだけ小さな欠陥が問題となってくる。ともかく、半導体農業

論は完全に過去の話になり、忘れ去られようとしている。しかし、1%の歩留まりを上げるた

めになされた膨大な努力があったことは記憶に留めておきたい。集積回路の開発技術者とし

ても、当然に歩留まりの向上に配慮して設計したことは言うまでもない。農業に片足を突っ込

んで、種子の蒔き方で発芽時期がばらつく事などを学んだ。これも、収穫時期をある期間に

納められる割合を歩留まりと考えるならば半導体と同じ様な考え方が適用できそうだ。

2009年6月 4日 (木)

技術者セールスマン

2009/6/4

技術者セールスマン

自分で作ったものは自分で売れと入社直後から上長から叱咤激励された。高機能の集積回

路は用途が限定されるため、売り込み先はその集積回路を使うメーカーだけにになる。新製

品を開発しても直ぐに使ってくれるような状況ではなかった。自分が上司の鞄持ちのような立

場であるメーカーを訪問したときは門前払いに近いような雰囲気であった。お宅が、どんな良

い物を、どんなに安くもってきてもウチは検討できませんというような具合であった。セットメー

カーが自社部品を使うという方針が崩れない限りこの壁は破れない。しかし、現実はこういう

純血路線の維持は行き詰まる事が少なくない。要するに一社で全部の部品をまかなうほど

のゆとりは無くなってくる。ハードディスクやパソコンの基板等に実装されている部品をじっくり

みて感慨にふけることがある。上司も技術者その鞄持ちも技術者。セットメーカーにサンプル

を持って売り歩く。何回も無駄足を運んだように思ったが、最終的にはその努力が報われ

た。顧客も異分子を取り入れて何らかのメリットを受けた筈である。場合によればそれは社

内部品との競合を招いたかもしれない。しかし、部品は生き残れなくても製品が生き残れな

ければ本も子もなくなる。技術の厳しい競争が製品競争の活力の一因であったのも事実であ

ろう。

2009年6月 3日 (水)

複眼視

2009/6/3

複眼視

物事を片目で見るのと両目で見るのは違いがある。その違いは大した違いではなさそうだが

立体感や広がり観等で単眼視より両眼視の方がメリットが大きい。同様に一つの物を複数

の人で見ると更に効果は大きくなる。要するに光は直進するため物の片面しか見えない。物

の裏側にいる人がそこを見れば一目瞭然である。しかし、別人が見るので見え方、感じ方に

差違が出てしまう。人事組織は通常目的がはっきりしている。目的にはっきりした組織に所

属してその組織の目的にかなった仕事をするのが色々な点で好ましい事が多いだろう。とこ

ろが、ある組織に属する人が他の組織の仕事をする場合は事情が複雑になる。要するにス

ーパーの食肉部門に所属するが野菜部門の仕事をさせられるような場合である。自分も会

社生活の一時期そのような境遇にあった。組織への帰属意識の強い日本人としては辛い思

いもした。しかし、物事を複眼的にみる習性も身についてくる。なぜそういう組織が生まれた

のかも考えざるを得なくなる。どっぷりとある組織の歯車の一員として働く人が多数かもしれ

ない。しかし、当面はその組織が必要であり、そこに配置される人材も必要であるという理由

による人事もあり得る。そんな場合、自分の存在理由に自信をなくすよりも、自分の存在理

由を確認するチャンスと意識した方が良いと割り切った。少し違った分野の技術者とつきあう

機会をもらっただけでも無駄ではなかったと思う。当然、業務だけではなく、人事や心理まで

複眼的に見る機会にも恵まれた訳である。

2009年6月 2日 (火)

にわ鳥が先か卵が先か

2009/6/2

にわ鳥が先か卵が先か

会社で技術研究発表会というものが毎年開催されていた。当年の技術開発成果を集めて発

表し優秀な技術を表彰する。自分の担当する集積回路開発グループの成果が発表テーマに

選ばれた。当時は表現手段としてスライド写真を使用した。作成は写真屋さんに頼むので手

間がかかる。これを何枚も作り、シナリオに従って発表の練習をする。改善点が出てくるとス

ライドの作り直しを何回もする。これで、プレゼンの大切さを学んだ。自分の上司がプレゼン

の重要性を認識しており、プレゼンの優れた実践者でもあった。優れた成果でも、それを認

めさせなければその努力は報われない。これは、学校の発表会からノーベル賞にまで通じる

ことかもしれない。製品開発が成功したのは優れた回路技術とプロセス技術を開発したこと

によるというシナリオを作った。個別製品には個別の技術が要る。しかし、それを可能にする

共通のインフラ技術も必要になる。農作物で例えれば、優れた農産品とそれを作り出す畑の

関係である。優れた農産品は優れた技術の集積である。しかし、それを作り出すのはそれに

合った畑が必要である。発表が終わって、審査員の質疑に移った。発表の趣旨は分かった。

それならば、回路技術とプロセス技術のどちらが重要であったのかという質問であった。この

質問への回答にはたじたじした。回路技術も一つのチーム、プロセス技術も一つのチームで

あり、こちらが重要であると言うのははばかられた。現実的にも甲乙付けがたい。自分は回

路技術のチームに属していたが。一つの製品開発には、これ以外の色々なチームが関与し

ており、それがオーケストラのようにうまく自分のパートを演奏しなければ成功しないのであ

る。それは大変難しい質問で、例えてみればにわ鳥が先か卵が先かという質問への回答の

ようにならざるを得ませんというような回答をした事を覚えている。質問者は会社の技術部門

の要職に居られた人であったと思う。いま思うと回答が難しいのを先刻承知した上での質問

であったようだ。この発表は該当部門の最優秀賞に選ばれた。自分としてやりがいを感じて

いるのは、この仕事で作った畑を色々改良して多くの作物が作られていることである。にわ

鳥も卵も両方大切なのである。しかし、卵から育てたにわ鳥に次の卵を産ませるまでには息

の長い努力が要る。これは農業で言えば育種に通じる。工業から足を洗い、農業に足を突っ

込んでいるが、どうも魅力を感じるのは同じ様な所である。

2009年6月 1日 (月)

いもりの迷信

2009/6/1

いもりの迷信

幼少の頃はよく魚獲りをした。魚ではないが当時は細い流れの緩い水路にいもりが棲息して

いた。動きは緩慢であるが腹が赤いので気味が悪い。いもりに咬まれると雷が鳴るまで離さ

ないという迷信らしい話が子供達の間にあった。このような迷信は、ある種の蛇を指差すと指

が腐るとか、ミミズに小便をかけると云々というように思い出すといろいろあった。これも、何

かの記憶と関係しているのであろうが迷信自体が消えかけているので絶滅危惧文化と言え

なくはないだろう。ともかくこのような迷信も無用な殺生を抑制させたり、生物をいといおしむ

気持ちを育てる効果はあったと思う。

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みかん栽培関係情報

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嗚呼 伊勢崎 非情

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  • 橋本 英文: 刃物雑学事典 図解・刃物のすべて(1986年 株式会社 講談社 ブルーバックス B-659)
    刃物という視点で多くの事例が取り上げられている。刃のある道具の理解にも役立つ。類書が少なく貴重な一冊。「すべり変形が切断の原理」という考え方で説明している。
  • 沼田 真   : 植物たちの生( 1972年 岩波新書(青版 833))
    「ご要望にお応えしてアンコール復刊(1988年岩波新書50年記念復刊) 地球生態系の中で自然を見直す」(腰巻きのフレーズ)。植物の知恵と戦略に人類は勝てるのか。
  • 出町 誠: 14_NHK趣味の園芸:よく分かる栽培12ヶ月  カキ(NHK出版2007年)
    初心者向け柿栽培参考書(新版)。旧版と比較すると楽しい。
  • 中村三夫: 13_NHK趣味の園芸:作業12ヶ月  カキ(NHK出版1996年)
    初心者向け柿栽培参考書(旧版)。新版と比較すると楽しい。
  • 山科正平: 12_細胞を読む   電子顕微鏡で見る生命の姿
    細胞はどんな部品からできているのか。そんな疑問に答えてくれる一冊。何事も形を見るのが第一歩。μからÅオーダーの世界で、細胞をメスで解剖するように、電子顕微鏡というメスで解剖して見せてくれるので興味が尽きない。
  • 柳田充弘: 11_細胞から生命が見える
    著者の専門は分子生物学、細胞生物学。普段生物を考えても細胞レベルで止まってしまう。その細胞の中で色々な分子が働いている。細胞こそ生命の基礎だが、その細胞の中の動きを知るのに最適な一冊。疑問の発端はなぜ発根剤が効くのかということ。薬剤が細胞膜を通過して細胞内で分子と分子が作用するイメージができた。本書でできた細胞のイメージは小さな無数の穴が空いた水分が充満したヨーヨーのようなもの。そのヨーヨーの中に分子部品が詰まっている。細胞自体もタライの中のヨーヨーのように浮かんでいる。細胞図面の空白部は真空でなく水分だ。細胞の内外に水がないと細胞は生きられない。水が生命のゆりかごだ!
  • 野口悠紀雄: 10_ホームページにオフィスを作る(2001年 光文社)
    ITが輝いた時代の作品。HPの活用法は参考になる。参考:url=http://www.noguchi.co.jp/(野口悠紀雄 ONLINE)
  • 小池洋男 編著: 09_果樹の接ぎ木・さし木・とり木(農文協:2007/3/31第1刷)
    やや専門的であるが、実務専門化が分担執筆しており、その場で役に立つ一冊。
  • ノーバート・ウィーナー(鎮目恭夫訳): 08_サイバネティックスはいかにして生まれたか(みすず書房1956)
    情報と通信という現代社会に不可欠の基礎的な学問を作った著者の自伝とそれを通した科学史
  • 沼田 真(編): 07_雑草の科学(研成社1979)
    雑草を多面的に解説し防除の基礎も述べる

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    POST IT :ブログ画面への張り紙に使える。
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    2010/8/4:MEMO等の表示に使える。 農作業で気になる自戒の言葉 ■畑の石ころはいつまで経ってもても石ころ(早く拾って片づけよという意味か)。 ■同じ石を二度拾うな(やってみると難しい)。 ■手ぶらで歩くな。 ■三つ先のことを読め。 ■適当な観察。 ■空を見よ(気分転換、休憩、天気を読む、腰曲がり防止)