複眼視
2009/6/3
複眼視
物事を片目で見るのと両目で見るのは違いがある。その違いは大した違いではなさそうだが
立体感や広がり観等で単眼視より両眼視の方がメリットが大きい。同様に一つの物を複数
の人で見ると更に効果は大きくなる。要するに光は直進するため物の片面しか見えない。物
の裏側にいる人がそこを見れば一目瞭然である。しかし、別人が見るので見え方、感じ方に
差違が出てしまう。人事組織は通常目的がはっきりしている。目的にはっきりした組織に所
属してその組織の目的にかなった仕事をするのが色々な点で好ましい事が多いだろう。とこ
ろが、ある組織に属する人が他の組織の仕事をする場合は事情が複雑になる。要するにス
ーパーの食肉部門に所属するが野菜部門の仕事をさせられるような場合である。自分も会
社生活の一時期そのような境遇にあった。組織への帰属意識の強い日本人としては辛い思
いもした。しかし、物事を複眼的にみる習性も身についてくる。なぜそういう組織が生まれた
のかも考えざるを得なくなる。どっぷりとある組織の歯車の一員として働く人が多数かもしれ
ない。しかし、当面はその組織が必要であり、そこに配置される人材も必要であるという理由
による人事もあり得る。そんな場合、自分の存在理由に自信をなくすよりも、自分の存在理
由を確認するチャンスと意識した方が良いと割り切った。少し違った分野の技術者とつきあう
機会をもらっただけでも無駄ではなかったと思う。当然、業務だけではなく、人事や心理まで
複眼的に見る機会にも恵まれた訳である。