ブヨ:いとしきもの
2010/8/18
「私の脳科学講義」を拾い読みした。カバーの内側にある解説の最初の一行に「抗体の多様
性の謎を解明して一九八七年にノーベル賞を受賞した利根川博士は、いま世界の脳研究を
リードする。」とある。記憶を司る海馬の機能の解明等興味深く読んだ。その研究に遺伝子
の操作等最先端の技術が使われている。こういう研究には優秀な頭脳の他に多額な研究費
が必要だが、その成果は多くの分野で利用可能であろう。一方、一般人は無手勝流でも自
分の記憶や心情の再現に努めている。個々の人の脳に刻まれた記憶はまさに未開拓の宝
の山のようだ。問題はその宝を掘り出す手段である。今から30年前の記憶を取り戻す薬と
いうような便利な薬が出来たりすると困る事もありそうだが。時効という概念が成立するのも
記憶が徐々に消失するという事実が基礎にあるだろう。最近法令の改定により、殺人罪の時
効が無くなった。記憶も最終的にはDNAという物質の配列に帰着するのであろうか。個人を
特定するDNAという物証も徐々に劣化する。それを防止するには極低温で保管する必要が
ある。想像を進めると真夏の夜の夢になりそうだ。
雑草句録:ブヨ
■目のまわりブヨ飛びまわる畑仕事
子供の頃にはブヨに刺された記憶がある。最近はブヨも少なくなっているようだ。辞書を引い
たらブユを見よとあり、そちらにジャンプ。幼虫は清流に住むとあり、川の水質が変わったの
であろうか。川がコンクリート化されたので水流が早くなって幼虫が住みにくくなったのも一因
だろう。子供の頃は血を吸うアブもいたが、最近はアブも余り見かけない。牛馬等のほ乳類
家畜が少なくなった。生物の多様性の減少も過去と比べてみないと認識できない。今の人は
今の状況が当然と思っているのだから。