05C_技術 回顧と展望

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2009年4月 4日 (土)

タバコ代と学会誌

2009/4/4

タバコ代と学会誌

未成年時代に酒やタバコを興味本位で大抵誰もが経験することであろう。酒は少年時代に

何かの祝い事の時に大人にからかわれて飲まされた。以来、つきあい程度には飲むが、酒

類の違いは分かる程度でそれ以上詳しい事は分からない。金を出して飲みたくなる程のもの

でない。タバコはすすめられて興味本位で吸ってみたが直ぐにむせてしまいそれ以来ほとん

ど口にしていない。酒もタバコも嗜好上と社交上の効用はありそうだ。しかし、嫌いな人もい

れば好きな人もいるのでこの世が面白いのであろう。タバコ代位ならといくつかの学会に所

属して学会誌を購読した。商業雑誌では得られない情報を得るためであった。退職して、最

新の技術や研究動向とは無縁になりつつある。生物物理学会の学会誌はかって市販されて

おり会員以外でも書店で購入できた。書店での市販がなくなり会員になった。この学会は生

命現象を物理学から解明することを趣旨としていたようだ。当時の高校や大学では生物学と

物理学は最も無縁な学問の対極にあったと思う。生物物理というような分野を切り開いた先

覚者には頭が下がる。学問も社会もその枠組みが固定すると徐々に活力を失ってしまう。バ

イオテクノロジーの発展はその見本であろう。学問の進歩と発展は早い。これは高学歴社会

が後押ししたためか。学会がその成果を一般人向けにやさしく解説する安価な雑誌を発行し

てくれると有り難い。ともかくこれからの社会は頭脳が勝負だ。無知な大人より、まともな子供

の方が理解力は高い。尻を叩かれて動くより、自分から飛びつく方がましだ。

2009年3月28日 (土)

残された磁気テープ

2009/3/28

残された磁気テープ

オープンリール用の磁気テープが2,3巻残っている。多分カッセットテレコが普及する前に買

ったオープンリール用録音機の物であろう。どんな音が記録されているのかいないのか録音

機が無いので分からない。思い出すと、結婚式を記録した8㎜映画フィルムもある筈だが、映

写機が無い。子供を撮したした8mmムービーも残っている筈だ。機材は動くのか。現像を忘

れたフィルムはがらくた箱の中にあった。あれもこれも一種のタイムカプセルだがその蓋を開

けることが年とともに難しくなってきている。しかし、このようなタイムカプセルは今なら何とか

開ける鍵がある。一千年後の人類は今日の文明を何で知るようになるのであろうかと思う

事もある。ともかく、技術は情報量を増大させるためその密度を上げる微細化の方向を選ん

でいる。情報の媒体はゴミや埃、温度や湿度に弱いと思う。今日のインターネット上の膨大な

データもハードディスクをガラガラ回すことにより維持されている。常にいつ消えるかも知れな

いという不安が伴う。手元に残っているガラクタが最大最強の記憶装置なのかも知れない。

2009年3月26日 (木)

マルチメディアの進歩

2009/3/26

マルチメディアの進歩

電子機器も基本的な単機能から複合的な機能の機器に進化している。振り返って見ると音と

映像を合体することで大きな可能性が開かれた。更に、その信号を運ぶメディアも統合され

るようになった。情報が色々な媒体の上をスムースに流れるようになった技術進歩はめざま

しい。その技術の大きな波毎にマルチメディアが話題になった。FM-TOWNSというパソコン

はCD-ROMを積んでマルチメディア対応として注目された。CD-ROMはマイクロソフトがその

ドライバーをサポートした事によりパソコンに標準装備されるようになった。マイクロソフトも

OSを供給するのに十数枚のFDより、スタンピングで製造できるCD-ROMの方が遙かに低コ

スト化になったと思う。しかし、マルチメディアが普及しそれが当たり前という事になると感激

もありがたさも余り感じなくなってしまいそうだ。

2009年2月28日 (土)

創造性の開発

2009/2/28

創造性の開発

企業の開発部門に在籍していると、新製品の開発が最大の課題となる。そこで、創造性の開

発に関する書物等も探し求める。創造性の開発がブームになった頃もあったと思う。川喜田

二郎著『パーティー学』という本もかなり読まれたようだ。KJ法も脚光を浴びた。社会全体が

上げ潮の勢いがあった。現在、開発部門に所属する人は、いつまでこの職に留まれるのか

心配している人もあろう。先ず、体力が必要だ。贅肉はいらない。経営の厳しさが貫徹され

る。しかし、よく考えると体力も知力も泥縄でまかなうことはできない。長年の蓄積が必要であ

る。かって半導体産業にはシリコンサイクルというオリンピックに合わせて4年ごとに好況不

況を繰り返すというパターンがあった。生産力が過大になると直ぐに作りすぎてしまう。時に

は、従業員も工場を休ませたこともあった。これも創造性とまでは言えないが、問題解決の

知恵の一つであったろう。この休んだ期間に従業員も工場も体力・知力のメンテナンスがで

きた。技術的な課題に関してはそれを束縛する条件がかなり厳しいので思いつきでうまくいく

ことは少ない。それでも創造性の開発等に取り組むのはなぜか。やはり、課題の所在を認識

するからであろう。壁にぶち当たったてやっと壁の存在が分かれば第一歩が踏み出せる。か

っての電子技術の中心であった真空管は機械的な部品を集めて組み立てられたデバイスで

あった。真空という空間が絶対必要条件であった。これは利点でも欠点でもあった。この欠

点が認識されて固体デバイスの開発が行われた。今日の電子技術はこの固体デバイスの上

に成り立っている。問題解決の独創的な方法が期待される。しかし、方法云々は後からつい

てくるもので問題を発見することが独創の原点にあるのかもしれない。

2009年2月27日 (金)

計数放電管

2009/2/27

計数放電管

あなたはデジタル派かアナログ派?などアナログとデジタルが生活に浸透している。身近な

例ではアナログは計量、デジタルは計数、物差しとそろばんを連想すればよい。測定器がデ

ジタル化され始めた頃、真空管の中で光の点がくるくる回っているのを不思議に思った。調

べてみると計数放電管、デカトロンというらしい。計数放電管も既に歴史的存在になってしま

っているが、それが使われた時は、それが最善の選択であったという経済的・技術的な合理

性があったろう。それが滅びたことも同様な理由があるだろう。目的は変わらなくても役者は

どんどん変わって行く。どんな世界にも通じる盛者必滅の理なのだろう。

2009年2月20日 (金)

インスタントテレビのポンパ(改題):05C_技術 回顧と展望 テレビの時代は終わったのか?090220&171221。

2009/2/20
2009年2月20日 (金):元判
2017年12月21日(木):改版

インスタントテレビのポンパ(改題):05C_技術 回顧と展望 テレビの時代は終わったのか?

人間は待たされるのが大嫌いらしい。しかし、待つことを覚えることが本当の成長に不可欠でもあるとも言われる。昭和40年代の前半、カラーテレビが技術革新を迎えた。スイッチをポンと入れると画面がパッと出るポンパというカラーテレビが発売された。

当時のテレビはほとんど真空管が使われていた。真空管を働かせるためには、フィラメントに電気を通して熱電子が放出されるまで加熱する必要がある。電気コンロが暖まるまで時間がかかるようにテレビもスイッチを入れてから画像が出るまでいくらか時間がかかる。これが、イライラの原因であった。

追記(2017/12/20):最近、真空管の規格を見たら、動作まで10秒近く時間がかかるとあった。

そこに、真空管の代用品となるトランジスタが登場する。トランジスタにはフィラメント(ヒーター)が無い。スイッチを入れれば直ぐに働き出す。当然フィラメントにあらかじめ電流を流して置いて予熱しておけば直ぐに画像は出せる。しかし、アイドリングで使っていないときに電力を消費するので、追加の金をかけてイライラを解消する事は実用的でなかった。

真空管からトランジスタへの移行は電子機器の省エネルギー化をもたらした画期的技術革新であった。どんなトランジスタがポンパに使えるか。駆け出しの技術者として差し替えという泥臭い仕事からテレビ回路の学習を始めた。

カラーテレビは電子技術の集大成でもあり、その中でもアナログ技術が占める比重が高かった。画像を出すブラウン管は最後の最後まで残った真空管であったが、これも風前の灯火である。

環境の時代となって省エネと創エネが価値を生むようになった。しかし、まだまだ待機の為にかなりのエネルギーが使われている。機械に待たせるより人間が待ったらどうなるか。ちょっと待つゆとりも捨てたものではないと思う。

真空管とトランジスタが動作する原理は異なるが、機能や使い方は、共通している点が多く、真空管で発展した技術は、トランジスタにも使えた。

追記(2017/12/21):記事整形、過去BLOG再読、印象・コメント等:

たまたま、WEB検索でポンパを検索すると日立評論の「美しい映像を求めて 日立テレビ半世紀の歩み(http://www.hitachihyoron.com/jp/pdf/2009/03/2009_03_00_pioneers.pdf)」(このサイトへのリンク)という記事に遭遇した。丁度、自分が就職をして、差し替えという単調な仕事に従事していた頃を思い出す。その記事にポンパの写真が掲載されていたので以下に引用する。このテレビに使われているトランジスタを調べ、自社のトランジスタに挿し替えて、支障なく使えるか検討したのだ。使えそうだと分かると、自社や他社のテレビ部門へサンプル持参で訪問して、拡販した。表向きは、セールスエンジニアと呼ばれていたが、泥臭い・地味な仕事から我が技術屋人生が始まったのだ。

Iob_2017_ponpa_hitach_hyouron
原ファイル名=「IOB_2017_PONPA_HITACH_HYOURON日立評論のポンパ関連記事.jpg」
IOB=IMAGES ON Beloved Ones

2017年東芝はテレビ事業を中国のハイセンスに売却すると発表した。液晶テレビに会社の運命を託したシャープは経営不振で、ついに台湾企業鴻海の軍門に降り、東証二部へ降格したが、今年ようやく一部へ復帰した。パナソニックの経営不振を招いたのも、時代遅れとなったプラズマテレビへ加重投資という経営判断誤りが原因と言われている。下記の日立評論記事によると、プラズマテレビは当時の最先端技術であったのだが...。ソニーもトリニトロンブラウン管で業界の優位を保ったのも昔の語りぐさになり、その後続技術が生まれず、テレビ部門は赤字に悩まされてきた。最近は収支改善が進んだようだが、先行きは楽観できるのか。

思うに、人類に共通する商品は、必然的に国際商品となり、そこに巨大な資本や技術が投入されて、苛烈な競争が起こる。絹製品、綿製品、穀物・農産物、石油、自動車、カラーテレビ等々国際商品を列挙すると多数あった。特に、生産革命により、生産能力は飛躍的に高まり、短期間に供給過剰、価格競争、利益低減に追い込まれるのが最近の傾向だろう。従って、国際商品のメーカーや産出国は時代と共に変わってきた・変わらざるを得ないのが実情であろう。日本の絹製品もかつては、国際商品として輸出され、外貨獲得に寄与したが、現在では過去の産業遺産に位置づけされているのが実情であろう。

テレビは一家に一台(据え置き型)という時代が、花形だったのかも知れない。茶の間の一家に一台というテレビは今後も消滅する事はないだろうが、一家に一台が一人に一台の日用品になって、その発展型がスマホ(移動型万能機器)なのであろう。

テレビは視聴覚に訴える機器であるが、まだ視聴覚情報の発信はそれほど普及していない。ただ、これからの若者は、動画の受信・発信は当たり前に扱えるようになるだろう。そうなると、テレビはそのシステム全体が見直しされる必要があるだろう。

NHKのテレビ受信料に対する初めての最高裁判決が出た。現在、NHKのラジオ放送の受信料は無料である。NHKのテレビ受信料のあり方も、当然見直しが必要であろう。

最高裁判例(最高裁判所大法廷):受信契約締結承諾等請求事件(裁判年月日:平成29年12月6日)(http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=87281)(このサイトへのリンク)

「判示事項
 1 放送法64条1項は,受信設備設置者に対し受信契約の締結を強制する旨を定めた規定であり,日本放送協会からの受信契約の申込みに対して受信設備設置者が承諾をしない場合には,その者に対して承諾の意思表示を命ずる判決の確定によって受信契約が成立する
 2 放送法64条1項は,同法に定められた日本放送協会の目的にかなう適正・公平な受信料徴収のために必要な内容の受信契約の締結を強制する旨を定めたものとして,憲法13条,21条,29条に違反しない
 3 受信契約の申込みに対する承諾の意思表示を命ずる判決の確定により受信契約が成立した場合,同契約に基づき,受信設備の設置の月以降の分の受信料債権が発生する
 4 受信契約に基づき発生する受信設備の設置の月以降の分の受信料債権の消滅時効は,受信契約成立時から進行する」

テレビの時代は終わったのか?と言う問いに対して、テレビ単独でその機能を果たす時代は曲がり角に来ている言えると時代になってきたのは疑いない事実だろう。だが、人間の基本的感覚である視聴覚に根ざすテレビに関係して蓄積された膨大なハード・ソフトや知識・情報は人類発展の基礎として守るべき人類的財産である筈だ。そう考えると、上記最高裁判決も、時代の流れの一断面を切り取った物に過ぎず、テレビは、総合的なICT技術に即して国民の国民のための情報通信システムとして、今後も発展させなければならないのだろう。その改革をお上に任せてたら、またも暗黒時代が来るだろう。

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2009/2/20

インスタントテレビのポンパ

人間は待たされるのが大嫌いらしい。しかし、待つことを覚えることが本当の成長に不可欠

でもあるとも言われる。昭和40年代の前半、カラーテレビが技術革新を迎えた。スイッチを

ポンと入れると画面がパッと出るポンパというカラーテレビが発売された。当時のテレビはほ

とんど真空管が使われていた。真空管を働かせるためには、フィラメントに電気を通して熱電

子が放出されるまで加熱する必要がある。電気コンロが暖まるまで時間がかかるようにテレ

ビもスイッチを入れてから画像が出るまでいくらか時間がかかる。これが、イライラの原因で

あった。そこに、真空管の代用品となるトランジスタが登場する。トランジスタにはフィラメント

(ヒーター)が無い。スイッチを入れれば直ぐに働き出す。当然フィラメントにあらかじめ電流を

流して置いて予熱しておけば直ぐに画像は出せる。しかし、アイドリングで使っていないときに

電力を消費するので、追加の金をかけてイライラを解消する事は実用的でなかった。真空管

からトランジスタへの移行は電子機器の省エネルギー化をもたらした画期的技術革新であっ

た。どんなトランジスタがポンパに使えるか。駆け出しの技術者として差し替えという泥臭い仕

事からテレビ回路の学習を始めた。カラーテレビは電子技術の集大成でもあり、その中でも

アナログ技術が占める比重が高かった。画像を出すブラウン管は最後の最後まで残った真

空管であったが、これも風前の灯火である。環境の時代となって省エネと創エネが価値を生

むようになった。しかし、まだまだ待機の為にかなりのエネルギーが使われている。機械に待

たせるより人間が待ったらどうなるか。ちょっと待つゆとりも捨てたものではないと思う。

2009年2月 9日 (月)

ペンシルロケット

2009/2/9

ペンシルロケット

糸川英夫博士が1955年3月に行った水平発射実験に使われたペンシルロケットは全長

230mmだったとの事である。博士はこの実験を逆転の発想と呼んだらしいが、確かに大型

が出来ないからやらないというより、小型でもやって見ようという積極的な発想が大切であろ

う。糸川博士は戦前は青年技術者として中島飛行機で戦闘機の設計に関与していた。戦後

にロケット開発に従事して日本の宇宙開発の父と呼ばれた。自分が博士を身近に感じるの

は、博士が公職を去り、組織工学研究所を設立してからの活動を通してであった。博士がヴ

ァイオリンを弾き、バレーを踊るだけでも我々の発想は追いつかなかった。組織工学は巨大

な目的を達成するための学問ではあるが、日本が最も不得意とする分野である。どうも、組

織が自分の論理で動き出して、真の目的をいつしか見失う。こういう現象が至る所に現れ

る。今日の人工衛星打ち上げ用の国産ロケットH2Aの全長は53m以上あり、ペンシルロケッ

トと比較すると250倍以上である。重量は山勘で数十万倍のオーダーを下らないのではなか

ろうか。ともかく、日本の宇宙開発は軍事と関係なく平和利用から始まっている。宇宙開発は

あらゆる面で個人をこえる国家プロジェクトであるが、平和利用の伝統は永久に守られてほ

い。

2009年2月 1日 (日)

ベクトルボルトメーター(改題):会社生活断面記:技術 回顧と展望:測定器は技術の原点!090221&171221。

2009/2/1:元版
2017年12月21日(木):改版

ベクトルボルトメーター(改題):会社生活断面記:技術 回顧と展望:測定器は技術の原点!

最近、古い記事やランキングに入った記事の再読をしている。この記事にも読者がいるようで、読みにくさを感じていると思う。そこで、手入れをして読み易くすると共にもう少し中身を充実させたいと思う。

交流理論を学習すると電圧が振幅と位相で表現されるのが理解できる。一般の交流電圧計はこの信号の振幅部だけを測定する。しかし、ベクトルボルトメーターというのは位相も測定できる。従ってメーターが振幅用と位相用の2つあった。

以下は、現役時代、まだトランジスタの測定を、半分いやいやながらさせられていた頃の話である。

実はこういう物を買ったよと上司がにこにこしながらこの測定器の説明をしてくれた。このベクトルボルトメーターにSパラメータテストセットを接続するとSパラメータが測定できた。データの測定がメータで読みとれたのは大きな進歩であった。

当時の、高周波トランジスタのパラメータ測定には、ドイツのローデシュワルツ社のZ-Gダイアグラム?とか、米国G社の通称骸骨と呼んでいたGRブリッジ?これもうろ覚えだが、があり、これらの測定器の原理には、導波管や超短波に関する理論があったようだ。しかし、独特な操作を要し、全然馴染めなかった。トランジスタの足の長さが数ミリ違うだけで、バランスが崩れ、測定値の再現性が乏しかった。内心、こんな仕事は続けたくなかった。

ベクトルボルトメーターには、PLL(PHASE LOCK LOOP)という最新の技術が使われていたらしく、測定も安定して再現性も向上した。しかし、当時の回路設計にはSパラメータよりYパラメータ等が使用されていた。SパラメータからYパラメータへの変換はデスクトップのミニコンピュータを使用した。

今、考えると、会社の現場にベクトルボルトメーターが導入されたのは、小さい事ながら相当な技術革新と思える。

ベクトルボルトメーターとデスクトップコンピュータのメーカーはヒューレットパッカード社であった。下記URLでヒューレットパッカード社はデビッド・パッカードとビル・ヒューレットという二人の技術者が立ち上げたシリコンバレーの最も息の長いIT企業の1つであると紹介されている。http://diamond.jp/series/bizmanager/10036/(リンク切れ)

実験室で最初の頃からお世話になったのがHP社のバルボルとSGであった。S.Jobsの伝記に、HP社から便宜を受けて、コンピュータの世界に足を踏み入れたと知ったのも、まだ数年前の事だ。ソニーもその前進の時代にバルボルを作った事もあるようだ。

HP社には、米国企業の良い面が色々あったようだ。やはり、創業の精神が失われずに受け渡されているのだろう。測定器部門は、HP本体から分離したと思うが、測定器は産業の基礎であり、その基礎を忘れない事が、次なる産業の発展の基礎になるのだと思う。

上司のT氏はコンピュータ事業に移り、自分も集積回路の開発に移り、ディスクリートデバイスの開発から離れた。しかし、Sパラメータからトランジスタのパラメータを抽出するという技術は集積回路のCADで特性をシミュレーションする素子のモデリングに活用されていった。

ともかく、最初にまかれた小さな種もそれを大切に育て次のランナーに引き継ぐことにより大きな事業に成長することに例外は無いであろう。

最近になって、重力波の観測が脚光を浴びている。その原理は単純であるが、測定精度を究極レベルに高める事が必要なようだ。地味だが、測定するという基本の重要性は忘れまい。

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2009/2/1

ベクトルボルトメーター

交流理論を学習すると電圧が振幅と位相で表現されるのが理解できる。一般の交流電圧計

はこの信号の振幅部だけを測定する。しかし、ベクトルボルトメーターというのは位相も測定

できる。従ってメーターが振幅用と位相用の2つあった。実はこういう物を買ったよと上司が

にこにこしながらこの測定器の説明をしてくれた。このベクトルボルトメーターにSパラメータ

テストセットを接続するとSパラメータが測定できた。データの測定がメータで読みとれたのは

大きな進歩であった。PLL(PHASE LOCK LOOP)という最新の技術が使われていたらしく、

測定も安定して再現性も向上した。しかし、当時の回路設計にはSパラメータよりYパラメータ

等が使用されていた。SパラメータからYパラメータへの変換はデスクトップのミニコンピュー

タを使用した。ベクトルボルトメーターとデスクトップコンピュータのメーカーはヒューレットパッ

カード社であった。下記URLでヒューレットパッカード社はデビッド・パッカードとビル・ヒューレ

ットという二人の技術者が立ち上げたシリコンバレーの最も息の長いIT企業の1つであると紹

介されている。http://diamond.jp/series/bizmanager/10036/

実験室で最初の頃からお世話になったのがHP社のバルボルとSGであった。

上司はコンピュータ事業に移り、自分も集積回路の開発に移り、ディスクリートデバイスの開

発から離れた。しかし、Sパラメータからトランジスタのパラメータを抽出するという技術は集

積回路のCADで特性をシミュレーションする素子のモデリングに活用されていった。ともか

く、最初にまかれた小さな種もそれを大切に育て次のランナーに引き継ぐことにより大きな事

業に成長することに例外は無いであろう。

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2009年1月29日 (木)

マジックアイ

2009/1/29

マジックアイ

真空管ラジオのダイアル表示部分に緑色に光る不思議な真空管があった。真空管は真空中

で熱電子を放出させて色々な電子機能を実現するデバイスである。今日の電子技術の基本

となるかなりの部分が真空管を使って実用化された。その究極のデバイスが受像管であろ

う。画像表示装置に使用する。その代表がテレビである。マジックアイも一種の表示装置で

あり、ダイアルを回して放送電波が強くなると緑色の部分が大きくなり、同調表示管とも言わ

れていた。幼少時はその緑の部分が開いたり閉じたりするのを見て不思議に思った。ラジオ

雑誌等でその品名が6E5であると覚えていた。下記のURLにその写真等があった。

http://www.ne.jp/asahi/uchio/tokyo/tube/index.html

昭和20年代の後半から多く使われたようだ。ラジオが同調したかは音を聞けば大体分か

る。マジックアイはダイアル面に真空管の発光部を出して使うのでアクセサリーとして高級感

をかもしだす役割もあったのかもしれない。

2009年1月28日 (水)

ダウンサイジング

2009/1/28

ダウンサイジング

一つの対象を時系列的に見て行くと、大きくなる、小さくなる、変わらないという傾向が見えて

くる。コンピュータは小さくなる方向で進んでいる。一部はスーパーコンピュータとして巨大化

しているが、ほとんどの人はこれと無縁であろう。最近、数万円の小型パソコンが現れた。

OSはWINDOWS XPを搭載してハードだけでなくソフトも軽くしている。変わらなくなるという

のが成長して安定した状態に近いのか。数万円のパソコンとなると作って売る側からは厳しく

なるだろう。しかし、日用品と見ればまだまだ高額商品だ。一つしか持たないというとあれもこ

れもとてんこ盛りになってしまう。割り切って使い切るのが道具としての使い方かもしれない。

何でも大きければ良しとする価値観も曲がり角にさしかかっているようである。かって、「成長

の限界」が話題になった事がある。入れ物が一定ならば入る量は決まってくる。ダウンサイジ

ングも量から質への転換ならば意義が大きいであろう。

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  • 橋本 英文: 刃物雑学事典 図解・刃物のすべて(1986年 株式会社 講談社 ブルーバックス B-659)
    刃物という視点で多くの事例が取り上げられている。刃のある道具の理解にも役立つ。類書が少なく貴重な一冊。「すべり変形が切断の原理」という考え方で説明している。
  • 沼田 真   : 植物たちの生( 1972年 岩波新書(青版 833))
    「ご要望にお応えしてアンコール復刊(1988年岩波新書50年記念復刊) 地球生態系の中で自然を見直す」(腰巻きのフレーズ)。植物の知恵と戦略に人類は勝てるのか。
  • 出町 誠: 14_NHK趣味の園芸:よく分かる栽培12ヶ月  カキ(NHK出版2007年)
    初心者向け柿栽培参考書(新版)。旧版と比較すると楽しい。
  • 中村三夫: 13_NHK趣味の園芸:作業12ヶ月  カキ(NHK出版1996年)
    初心者向け柿栽培参考書(旧版)。新版と比較すると楽しい。
  • 山科正平: 12_細胞を読む   電子顕微鏡で見る生命の姿
    細胞はどんな部品からできているのか。そんな疑問に答えてくれる一冊。何事も形を見るのが第一歩。μからÅオーダーの世界で、細胞をメスで解剖するように、電子顕微鏡というメスで解剖して見せてくれるので興味が尽きない。
  • 柳田充弘: 11_細胞から生命が見える
    著者の専門は分子生物学、細胞生物学。普段生物を考えても細胞レベルで止まってしまう。その細胞の中で色々な分子が働いている。細胞こそ生命の基礎だが、その細胞の中の動きを知るのに最適な一冊。疑問の発端はなぜ発根剤が効くのかということ。薬剤が細胞膜を通過して細胞内で分子と分子が作用するイメージができた。本書でできた細胞のイメージは小さな無数の穴が空いた水分が充満したヨーヨーのようなもの。そのヨーヨーの中に分子部品が詰まっている。細胞自体もタライの中のヨーヨーのように浮かんでいる。細胞図面の空白部は真空でなく水分だ。細胞の内外に水がないと細胞は生きられない。水が生命のゆりかごだ!
  • 野口悠紀雄: 10_ホームページにオフィスを作る(2001年 光文社)
    ITが輝いた時代の作品。HPの活用法は参考になる。参考:url=http://www.noguchi.co.jp/(野口悠紀雄 ONLINE)
  • 小池洋男 編著: 09_果樹の接ぎ木・さし木・とり木(農文協:2007/3/31第1刷)
    やや専門的であるが、実務専門化が分担執筆しており、その場で役に立つ一冊。
  • ノーバート・ウィーナー(鎮目恭夫訳): 08_サイバネティックスはいかにして生まれたか(みすず書房1956)
    情報と通信という現代社会に不可欠の基礎的な学問を作った著者の自伝とそれを通した科学史
  • 沼田 真(編): 07_雑草の科学(研成社1979)
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