3端子集積回路の開発
2009/4/16
3端子集積回路の開発
集積回路とは一つのチップの中に複数の素子を組み込んだ回路である。回路として働かせ
るには電源とアースが必要となりこれで2ピンを費やす。電源端子と信号端子を共有できれ
ば最低で2端子の集積回路が実現できる。しかし、2端子で実用性にすぐれる集積回路は少
ないように思われる。従って実用的な端子数の少ない集積回路は3端子型からである。トラ
ンジスタが3端子素子であるので、トランジスタのパッケージに封止されている場合が多い。
集積回路の開発に従事した一時期、トランジスタパッケージに入れる集積回路の開発も体験
したがこのピン数の少なさには苦心した事を思い出す。しかし、最小限のピン数を条件に開
発することは色々な技術的課題を解決する事にも通じていた。信号をパッケージを介して取
り入れる3端子のホールICは市場に出すことができた。磁気がパッケージを通過するから磁
気入力のピンが不要となりなんとか3端子で間に合う。光はそれができないので光を通す透
明パッケージを介して光信号を処理すると受光ICということになる。受光ICは開発の最終段
階で開発中止となり涙を飲んだ。しかし、この受光集積回路の開発で色々な技術の蓄積が
出来たのも事実である。