ラジオ付きウオッチ
2009/5/5
ラジオ付きウオッチ
集積回路の集積度が向上すると電力使用量も低減する。電池の容量が小さくなるから携帯
機器で集積度の向上は大きなメリットがある。ラジオとカメラを複合したラメラという商品が登
場したことがある。その後、ラジオとウオッチを複合した商品開発のごく一部に関与した。奇
しくもこのラジオ用ICもトランジスタ型の三端子であった。テレビからラジオへの転身であっ
た。ここでラジオの受信性能を評価した。イヤホンのワイヤが受信アンテナを兼ねる方式で
あった。評価に使うアンテナは重い基台に固定されたループアンテナであった。ところが、何
かの拍子でこのループアンテナを棚から足指の真上に落下させて負傷してしまった。以来生
える爪が平坦でなくなった。しかし、このアプリケーションの仕事からは程なく去ることになっ
た。転身に関わる忘れがたい記憶ではある。思い返せば、結果的には別の本命となる次の
仕事への転身の準備で一時の腰掛けの仕事であった。そういう含みのある人事だったのか
もしれない。テレビの仕事を去れたのも、一面では後継者が育ってきたという意味もある。高
周波のテレビ用のICは、当時急速に普及が始まったビデオにも使用され生産数は急激に増
大し、その後も市場でのシェアを確保してきた。